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第157話
「わっ!!ちょっと光生!!」
急に引っ張られて体勢を崩してしまい寝ている光生に倒れこんでしまう。
「涼大好き。すっごい好き。」
苦しいくらいに強く抱きしめてくる光生は顔を見ていなくても機嫌が良いのがわかる。
「光生なんでそんなに喜んでるの?」
「そりゃ涼にあんなえろいことしてもらったんだから喜ぶでしょ。今の俺やばいくらい幸せ。」
そんなことで幸せなんて言われると照れてしまう。それに頭を撫でてくれる手は大きくて心地いいし首元に顔を埋めればいつもの香水の匂いがしてたまらなくなる。
「光生……」
「ん?」
まだえっちなことをしていたいけど誘うのが恥ずかしくて優しく返事をしてくれる光生にスリスリと自分のものを擦り付けてみる。
「ふふっ、勃っちゃった?」
やっぱり光生はすぐに気づいてくれる。それなのに恥ずかしくて無言で頷く俺はその優しさに甘えてばかりだ。
「じゃあ涼も気持ちいいのしよっか。」
俺からえっちしたいなんて言えないことをきっとわかっている光生は耳元でそう囁いてくれる。
「でも、、俺、また泊まりに行ったときにえっちなことするって今日言ったばっかりなのに……」
「なんで?いいじゃん。」
「いや、その、、我慢できなくてごめんね……」
「ふふっ、なんで謝るの?俺はいつでも大歓迎だけど?」
つい最近えっちをして今日だってまた泊まりに行った日にすると自分から言っておいてこんなに早くしたくなるなんて恥ずかしいのに光生は全く気にしていないらしい。
「俺…光生の舐めてたら勃っちゃって……」
「……かわいすぎるからそんなことサラッと言わないでよ。」
引かれるかなと思いながらも正直に言ってみると光生はなぜか少し照れていた。
「光生……あの……」
「ん?」
なかなか言い出せなくて言葉に詰まる俺に光生は不思議そうにしながら背中を撫でてくれる。
「涼?どうしたの?」
「………この前みたいにお尻触ってほしい」
こんなことを言うとからかわれそうだけどもうこのまま我慢なんてできなくて正直に伝えてみる。
「ねぇ、どれだけ俺にご褒美くれれば気が済むの。」
予想は全く外れて、からかうどころか嬉しそうに笑い俺のことをベッドに優しく寝かせてくれる。それから慣れた手つきでズボンを脱がされると少し濡れている下着を見て光生はニコッと笑う。
「あっ………まって…恥ずかしい……」
「ふふっ、かわい。」
光生はカーテンを閉め電気を真っ暗に消してくれる。顔もかっこよくてそういうことをサラッとできるからモテるんだろうなといつも思う。
「光生優しい……」
「ふっ、相手が涼だからだって。」
そんなことを言うけど光生は誰にでも優しい。きっと自覚していないだけで普通にしていることがいろんな人の心を奪っていくんだと思う。
「ふふっ、何か考えごと?」
そんな優しいところが大好きな反面やっぱりやきもちは妬いてしまうし心配になってしまう。今日だってたくさんの女の子がバスケをしているところを観に来ていたしそんな光生に優しくされて好きにならない人なんて絶対にいない。
「光生は俺のなのに……」
「なんで今そんなかわいいこと言うの。」
光生がほっぺたをツンツンと触ってくる時は俺の機嫌を取っているときだ。拗ねているのがバレたのかやっぱりなんでもお見通しらしい。
「今日いっぱい女の子達が光生のこと見に来てた……」
「そう?別に俺のこと見に来てたわけではないでしょ。」
どこをどう考えればそんなことになるんだ。あんなに見られることも光生からすればいつも通りだから気にならないのかもしれない。
「光生のことかっこいいって言ってたの何回も聞こえたもん………」
「ふふっ、そんなかわいいやきもち妬いてくれるならもっと愛想振りまいてバスケすればよかったな〜。そしたら今よりいっぱい涼がやきもち妬いてくれて俺すっごい嬉しくなるから。」
光生はいつだって俺のことを否定するどころかこうやって受け止めてくれる。
「涼がやきもち妬いてくれるなら明日からいろんな人に優しくして笑顔振りまこっかな〜。」
「……だめ。」
そんないじわるなことを言う光生は冗談で言っているとわかっていてもわがままな俺はさらに拗ねてしまう。
「嘘だって。その拗ねた顔かわいすぎるからそんなに見つめないでよ。」
「絶対だめだからね……これ以上光生がモテたらもう心配すぎて眠れなくなっちゃう……」
「ふふっ、じゃあその時は一緒に寝てあげる。」
見たことないくらい嬉しそうに笑った光生はキスをして下着の上から俺のものにそっと触れた。
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