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プロローグ2

「オギャー、オギャー、オギャー!!!!」 「おめでとうございます!立派なお子さんが産まれましたよ!」 「あぁ、よかった......」 「よかったな。無事に産まれて。大丈夫か美波?」 「うん、でもちょっと、ね、むいか、な.....」 「.....ゆっくりおやすみ美波」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※ 俺が生まれ落ちたこの世界は剣と魔法?の世界だった。 興奮するぜ! おっと、ここで俺の親を紹介します! 黒髪短髪で、キリリとした眉に茶色の瞳。彫りの深い男前が俺の父親。 兎道 駿斗(うどう しゅんと) 緩くパーマがかかった茶髪を肩くらいまで伸ばした、ヴァイオレット色の瞳を持つ、綺麗な母親。 兎道 美波(うどう みなみ) 因みに両方とも男です。 もう一度言います。両方とも男です。つまり母親も男です。 黒い球体が最後に爆弾発言をした。それがこちら 「あ、そうそう。君が行く世界は男しかいないから!!」 馬鹿野郎! それなら俺の前世の記憶ない方が生きやすいだろ!? 因みに母親(男)はΩで父親はαだ。 そして産まれたのが俺こと、兎道 湊都(うどう みなと)だ。 残念ながらΩだった.....俺のハーレム生活が消えた(泣) まぁ、男の世界っていうだけでもうハーレムは叶わないけどな。 オメガバース..... αは優秀な奴が多く、だいたい『こいつバケモンかよ?』って思った相手はα。あとフェロモン!フェロモンがすごいらしく、相手を屈服させることが出来るとか.....それを聞いた時はチートじゃん?って思ったけど、そんな奴はごく一部らしいからお前はまず会うことないだろうって父さんに言われた。だけど中には圧倒的フェロモンで周りを狂わすαもいるんだとか。 結論....α羨ましい。勝ち組じゃん....ずるい あとフェロモンって兵器かよ?なんだよ他人を狂わすフェロモンって。この世界ヤベェな。 そしてΩ。Ωは子宮を持っている。そう子宮だ。男なのに子宮。身体のどこにあるか俺は知らないが子供を孕む機能があるらしい....恐ろしいな。 そしてΩは3、4ヶ月に一週間ほど(個人差があるらしいが基本的にはこの周期)発情期(ヒート)が来る。その時のフェロモンはαや時にはβまでも惑わせてしまうことも。このフェロモンは番のいないαを惹きつけてしまい、自分が望んでいなくてもその性質のせいで所構わず襲われる事も発情期中はある。だから誤って番にならないよう首輪をつけるのが普通なんだと。 因みにαにも発情期(ラット)がある。Ωのフェロモンに当てられて誘発されてラットになり、ラットになると過剰までにΩを求めてしまうらしい。 最後にβ。これはThe普通ってやつだろ。αには太刀打ち出来ないし、Ωにも劣ることもある。 これは同人誌で読んだことあるから知ってる。 で、俺は思ったわけ。この世界男しか居なくて子供産めるのがΩしか居ないんじゃ、世界滅ぶんじゃね?って。ただでさえΩの人間は少ないっていうのに。 だけど俺の心配は無用だった。 なんでも病院に言えば何とかなるらしい。詳しい事は知らんが。そこはご都合主義で! ま、俺には関係ない事だし.......。 てことで俺の知ったオメガバースの知識はこれくらい。 自分がΩだって知らされた時絶望したね。俺はチンコついてんのにケツを掘られるなんて....って。まだ掘る方が........そっちも嫌だな。 そこで俺は考えた。αみたいに優秀な所を見せつければ周りは勝手に俺をαだと勘違いするんじゃねぇか?って。書類とかは誤魔化せないけど。やらないよりマシだろう。Ωでαほど優秀なやつは見たことないって俺の両親は言ってたし。それにαと勘違いさせることが出来ればケツを掘られる心配が無くなる! え?平凡に生きてβと偽ればいい? やだよ。てか無理。目立つのは嫌だが自分の評価をわざと落とす真似をしたくない。これは俺のプライドが許せないんだよな。だから偽装するならαだ。 ってことで俺は今からスーパー児童になります。 前世の記憶で知識無双だぜ! って思ったんだけど、この世界知識だけじゃエリートになれないんだよなぁ。 最初に言ったっがここは剣と魔法?の世界だ。 魔法に?がつくのは後で説明するとして、この世界の人間の中で特殊な能力を持つ3種類の異能者達がいるんだ。 ひとつは魂写棒(アルマタクト)という30cmくらいの棒と人生を共にするザント。自身の分身である魂写棒(アルマタクト)を始動し貪る影(カタラ)を狩る。 つぎに、サナートという異能者達だ。サナートは影子(えいし)を飛び道具化し使い戦う者だ。弾も影子で生成するため実質手ぶら。1番身軽なのはサナートと言われている。因みに影子というのは空気中に存在する便利な粒子と思えばいい....って俺は聞いた。つまりラノベで見る魔力みたいなもんだと。 そんでその影子の扱いはサナートが1番得意だとか。 最後はヴァイスだ。ヴァイスは「寄り添うモノ(ドール)」という存在と契約することで力を得る異能者だ。そのドールはピアスだったり、音楽プレイヤーだったり、人形だったりする。それらと一体化し存在しているのだ。ドールにはヴァイス特有の紋様が刻まれており見分けやすいと言われているが、ドール自体が見にくいとこあったら普通にサナートと間違えると思う。ザントは常に魂写棒を腰から下げてるからすぐに分かるけど。 簡単に言えば、 ザントは近距離異能力者 サナートは遠距離異能力者 ヴァイスは特殊異能力者 ってこと。 サナートとヴァイスの能力は魔法っぽいだろ? だから剣と魔法?の世界なんだよ。いや、魔法と言っていいのか.....。 途中で出てきた貪る影(カタラ)っていうのは異世界で言う魔物みたいなもんで、種類が色々あるらしい。 話を戻して...... 俺の両親は両方ともザントだ。ザントの親からはザントの子供しか生まれない。 つまり、俺もザントだ。 父さんにザントとサナートの親がいる場合、産まれるのはザントとサナートの能力を合わせ持った子供が生まれるのかと聞いたら...... 「違う異能の親を持っていたら子供はそのどちらかの能力を受けつぐんだ。両方の親の能力を持って生まれる子供はまず居ない。いや、聞いたことがないんだ」 もし受け継いでも長生きは出来ないらしい。大体が子供のうちに死んじまうって。 俺、ザントでよかった。だって長生きしてぇもん。 「お前は本当に頭がいいなぁ。これなら直ぐに魂写棒も来るんじゃないか?」 「ふふ、さすがは僕達の子だね!!」 俺現在5歳。魂写棒を持つのが平均で12歳位らしい。 魂写棒は生まれた時から傍にある訳では無い。魂写棒を持てるかどうかは、魂写棒自身が決めるらしい(なんだそれ?)。 どうやって魂写棒が来るのか両親に聞いたところ、寝て起きたら枕元にあるのが多いって。 サンタクロースかよ!?ってツッコミたかった.....。 俺は一応黒い球体からいい能力を与えるって言われてるから楽しみなんだよな。 明日には魂写棒あったりして........。

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