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蒼竜は泡沫夢幻の縛魔師を寵愛する 第48話 悪戯の代償 其の五★ | 結城星乃の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
蒼竜は泡沫夢幻の縛魔師を寵愛する
第48話 悪戯の代償 其の五★
作者:
結城星乃
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第48話 悪戯の代償 其の五★
香彩
(
かさい
)
は深く息をつくと、壁に頭を付けて支えにし、上体を前に倒しながら腰を浮き上がらせた。与えられる快感から逃げるとでも思われたのか、
竜紅人
(
りゅこうと
)
が軽く太腿を掴む。 彼からは見えるか見えないか微妙な位置だ。だが何をしているのかは分かるだろう。 香彩は両手で自分の臀部を掴むと、蕾が見えるように広げる。 「……りゅ、う……欲しい、挿れ……て……」 香彩がそう言うな否や、竜紅人の息の詰めた様子が分かった。 太腿を掴んでいた手を離し、香彩の
股座
(
またぐら
)
から抜け出した竜紅人が、香彩の様子を見て荒い息を吐く。 その熱い息を臀部で、そして蕾で感じて香彩は身体を震わせた。 香彩が臀部を両手で広げたことによって顕となった、紅い華を開花させた蕾に、竜紅人が唇を寄せ、舌を這わせたのだ。 「ひぁ……っ!」 唾液をたっぷりと含ませながら、円を描くように舐め上げると、華は水分を含んで艶かしくもひくつく。 名残惜しそうに華に接吻をして、竜紅人が己の雄を、香彩の蕾に、紅い華に宛がり、ゆっくりと擦り上げた。 両足を開かせ、焦らすように淵の襞をまあるくなぞる。先走りの蜜が襞に溜まっていくが、ひくついた蕾が美味しそうに飲み干していく様を、竜紅人はじっと見つめていた。 やがて引き寄せられるかのように、雄を蕾に宛がえば、無意識の内に蕾が雄の先端に、ちゅ、ちゅ、と接吻を繰り返す。飲み込もうと腰を揺らす香彩に対して、竜紅人は躱すように腰を引き、挿入を阻んだ。 「……ゃぁぁっ、も……ほし……!」 くつくつと笑いながら、焦れて懇願する香彩を満足そうに眺めると、竜紅人は切っ先を後孔へと押し込み、そして一気に奥まで突き入れた。 「──ああっあ! ああ…あっ…ぁあ!」 一際高い嬌声を上げて香彩は、無意識に目の前にあった壁に爪を立てた。 腰の抜けそうな快感に限界まで追い詰められ、張り詰めていた陽物から、勢いよく白濁としたものを放つ。 そんな……と音にならない声を香彩は発した。 快楽の余韻は続いていて、あまりにも深かった所為か、香彩の身体は小刻みに震える。 そんな香彩の様子に気付いた竜紅人は、動かずに香彩が落ち着くのを待っていた。 「……また挿れただけで
達
(
い
)
ったな」 「──っ!」 耳元から聞こえてくる掠れた低い声に、香彩はびくりと大きく身体を揺らす。 一体もう自分の身体はどうしてしまったのだろうと、香彩は思う。奥に、結腸の蕾に当たるように、一気に突き挿れられただけで果てたのは、今回でもう三回目だ。 戸惑うような揺れる深翠の瞳で香彩は、少し身体を捩じって後ろにいる竜紅人の方を向いた。心得ているとばかりに竜紅人が顔を寄せる。 触れるだけの
接吻
(
くちづけ
)
を何度も交わしながら、その僅かな隙間を縫って、ごめんなさいと香彩が言った。 「……謝るなよ。それだけ欲しかったってことだろう?」 「ん……」 唇に触れる吐息がくすぐったい。そう思いながらも香彩は、近距離で竜紅人と視線を合わせる。 綺麗な伽羅色は昨夜よりも落ち着いていたが、それでも、ぎらっとした情欲の焰が見える。その焰に煽られるかのように、香彩の『
御手付
(
みてつ
)
き』としての甘い香りが、その濃厚さを増す。 くっ、と竜紅人が何かに耐えるような表情を浮かべながら、香彩から離れた。 同時に
胎内
(
なか
)
にあった雄を、ゆっくりと蕾の浅いところまで引き出す。そして今度はゆるゆると腰を押し進めた。 先程とは打って変わった焦れったいほど遅い動きは、剛直の形をありありと肉壁に刻む。やがてそれは
胎内
(
なか
)
の奥にある、もうひとつの蕾に先端が当たるのだ。 「──あ……っ、は……、ん」 まるで悦楽という名前の深淵に、じっくりゆっくりと落ちて行くような、じわりとした法悦を香彩は感じた。 身体の深いところでそれを受け止めようとするかのように、背を仰け反らせる。 そんな香彩の背後から竜紅人の手が伸びて、肉付きの薄い胸の頂きを摘まみ、おもむろに指先で揉みしだいた。 「あっ、ああ…そこっ…だめぇ……っ!」 途端に甘い官能的な声が上がる。 ぴくりと身体跳ね上げて、後蕾に咥え込んだ竜紅人の剛直を、搾るように締め付けた。 「…やぁ…ぁ、だめっ……っ、そこ…っ、ぎゅってしない……でぇ……」 竜紅人は香彩の胸先のほどよい弾力を楽しみながら、指先で弄ぶ。 同時にわざと水音を立てるように腰を使いながら、淫らに花開いた身体をじっくりと味わうように焦らす。 「だめ? よく言う、かさい」 くつくつと笑いながら、竜紅人は指先で弄んでいた胸の頂きを、くっと強めに引っ張ってみせた。 「──っ、ぁぁあっ」 引っ張りながらもなお、頂きの先端を弄られて、痛みとそれを上回る強い快感に、きゅう、と蕾がきつく締まる。 それは
胎内
(
なか
)
の竜紅人の雄を奥へ奥へ呑み込もうと、貪欲に蠢いた。 「……っ!」 竜紅人の低く呻声が聞こえてくる。 結腸の蕾を突く竜紅人の陰茎が、まるで熱を放つのを耐えるように、脈打つ。 奥で感じる卑猥なひくつきに、そして痛いほどの胸の刺激に、香彩は軽く達した。
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