しばし一人暗い部屋で呆然としていた。 隣から話し声とか笑い声が小さく聞こえていたけれど、それに注意を払うのも忘れていた。 だってさ、ショックが大きくてさ。 え？　驚くよ！ だって今ここ、接待の場だし、つまりご奉仕ってことでしょ？ しかも、たぶん竹田部長たちも、城崎部長も、ご奉仕前提で今日ここに来てるよね？ 城崎部長、その界隈では有名なの？ 俺と先輩がこれまでこの案件やってて、竹田部長も城崎部長も出てきたことなかったもの。 竹田部長が来るって連絡があったから、うちも初めて城崎部長に出てきてもらったんだもん。 あらかじめ城崎部長のこと知ってたってことだよね。 なんなら、さっきの竹田部長の台詞から察するに、初対面ではないみたいだし。 そんな事を一人でぐるぐる考えていたら。 「ん、んぁ……」 隣の部屋から凄絶に色っぽい声が聞こえてきた。 苦し紛れにこぼれ落ちた、甘い声が。 え、どうしよう。見たい。いや、見ていいの？ さっきもちらっと言ったけどさ、俺、城崎部長好きなんだもん。 あまりアダルトなシーンを見せられたら、何するか分からないからさ。 俺が一人寂しくオナるとこなんて、見たくないでしょ？　俺もそんなの実況したくないよ。 一応状況報告しておくと、俺、もうちょっとで半勃ちだからね？ はい、見るよー。 ……。 はい、見た。おしまい。 お子さまはここまで。 じゃ、帰ろうか。帰るよ。帰るんだってば！ ……だってさ！　もう18禁なシーンになってんだもん！ いや、さっきのでも18禁だったけど！　今は本番始まってるよ！　一目見て完全に勃ったよ！ もうトイレでささっと抜いて帰ろうよぉ。 ちゃんと見ろって言われてもさぁ……。じゃあ、ちょっとだけだよ？ 「……ぁ、ぁああ、ん、……く、ぅっ」 いつの間に、弊社をそんなに脱がしたんですか、御社。 健気なお尻を上げて竹田部長に後ろから突かれてる城崎部長は、もう裸身にワイシャツ羽織ってるだけになってる。 うん。全裸よりエロいよね。 それでもって城崎部長、手隙になったお口は何をしてるのかっていうと、今度は武藤さんにフェラチオしてる。 わぁお。３Ｐ。ＡＶじゃなくて実際に３Ｐを見る日がくるなんて思いもしなかったよ。 さすがの城崎部長も、挿入されて一度に二人の相手するのはキツそう。 「ふっ、ぁっ、んぐっ、ぅ」 甘い声を上げて武藤さんにしがみついて、なんとか体勢を保ってる。 いいなぁ。俺武藤さんと代わりたい。フェラじゃなくてキスがいいけど、城崎部長にすがりつかれたい。 はぁ……。 ところでさ。 これってもしかしなくても、枕営業ってやつ？