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第5話

僕たちの宿泊する部屋は、白を基調とした清潔な印象のゆったりとした部屋だった。 「なんだ、これ」 沢村が、不満そうに言った。 部屋の大部分を閉めているのは、ダブルベットだった。 「男二人で、何、ダブルベットって」 入り口で文句を言っている沢村に、社長が言った。 「お前らが、より、友好を深められるように思うた、わしの親心や。感謝しいや、沢村」 「なんで、俺たちが、友好を深めないといけないんですか?」 沢村の言葉に、社長がけけけっと笑った。 「無理すんなや、沢村、お前のレイちゃんへの気持ちは、ようわかっとんやで。いつも、仕事のときしか、よう手え出さんとおるんやさかい。このチャンスに感謝して、励みや」 「何を」 沢村が言おうとしたのを聞くことなく、社長は、さっさと自分達の部屋へと姿を消してしまった。沢村は、舌打ちして、部屋の中へと入っていった。 「何、余計なことしてくれてるんだ、あの、変態社長が」 沢村は、ぶつぶつ言いながら、ベットの脇へと僕の荷物を置いて、部屋の隅のソファに座って、天を仰いで目を閉じた。 僕は、海に面したベランダへと続く窓を開いて、ベランダに出た。 「すごい、いい景色」 目の前に、一面に広がる青い海があった。爽やかな南国のそよ風に僕は、髪を揺らして、目を輝かせていた。 「大袈裟な奴だな」 いつの間にか、僕の隣に並んで海を見ていた沢村が言った。 「沖縄も、初めてなのか?」 沢村に聞かれて、僕は、頬が赤く染まるのを感じた。沢村は、僕の様子を見つめて、にっと笑った。 「まあ、笑っていられるのも、今のうちだけだぞ、レイちゃん。今回の撮影は、前のなんて、比べ物にならないぐらい、ハードだからな。覚悟しおけよ」 「それは・・」 僕は、沢村に言われて、なぜか、胸が高鳴った。 また、この人に僕は、責め堕とされるのだ。 僕は、中心が熱を持ってくるのがわかった。沢村は、そんな、僕を意地悪く見つめて、言った。 「二度目は、もっと、気持ちよくしてやるからな、レイちゃん。楽しみにしてろ」 「あっ」 僕は、抗う間もなく沢村に抱きすくめられ、唇を奪われていた。 「んっ・・」 僕が、物足りなく感じるぐらいで、沢村は、体を離した。彼は、にやっと笑って僕を見下ろして言った。 「ほんとに、かわいい奴」 真っ赤になった僕を残して、沢村は、部屋に戻っていった。 僕は、胸をざわめかせて彼の背中を見送った。 その日の夜は、ホテルでバイキングの夕食をとった。僕が、野菜サラダをつついているのを見た改発が言った。 「肉、やで、レイちゃん。もっと、肉を食べなあかん。そがいなもんばっか食うとるさかいに、そんな痩せとるんやで。レイちゃんは、もっと肥えなあかん。そしたら、さらに縄も映えるで」 大きな声で言う改発に、僕は、思わず、咳き込んだ。改発は、笑いながら、僕の背中をばんと叩いた。 「落ち着いて食べや、レイちゃん」 「すいません」 僕の前に座ろうとした改発を押し退けて、沢村が、僕の前の席に腰かけた。 「ここ、俺の席なんで」 「なんや、お前、おったんか」 改発が顔を顰めて言った。 「俺のレイちゃんにべたべたすんなや、沢村」 「別に、べたべたなんてしてませんよ、改発さん」 沢村は、油の滴る肉を食いちぎりながら、改発に言った。沢村に睨まれて、改発は、むっとして、立ち去っていった。沢村は、知らん顔で食事を続けていた。僕は、沢村にきいた。 「いいんですか?」 「何が?」 肉を食みながら、沢村が、僕をじろっと見た。僕は、気圧されたが、言った。 「改発さんのこと」 「ああ、あの人か」 沢村は、ビールを一口煽ってから、言った。 「あの人は、新人に手が早いことで有名なんだ。お前も、気を付けろよ。あの人、誰にでも手を出す癖に、飽きたら捨てるのも秒速だから」 「そうなんだ」 僕が、相槌を打つと、沢村が、ため息をついた。 「お前、自覚無さすぎなんだよ」 「えっ?」 僕が、何のことかわからずに、沢村を見ていると、彼は、ぷいっと横を向いて言った。 「お前、撮影の時、あんな、エロい表情みせといて、普段は、まったくその自覚なしなんておかしいだろ。その、眼鏡も、何?今時、瓶底かよ。まあ、俺は、いいけど」 「ええっ?」 僕は、沢村に言われて、焦っていた。 「どういうこと?」 「つまり」 沢村は、起こったように言った。 「自分は、エロいって自覚を持てってことだよ」 僕が、エロい? 僕には、意味がわからなかった。 「なんのことですか?」 「お前」 沢村が、箸を置いて立ち上がると、僕の腕を掴んで僕を立ち上がらせ、引っ張って歩き出した。僕は、沢村に引っ張られながら、言った。 「あの、ご飯、まだ」 「後で、何か、食わせてやるよ」 沢村は、僕をエレベーターに押し込んで階を押すと、僕のことを壁に押し付けてキスしてきた。それは、貪るような激しい口づけだった。僕は、息もできずに、ただ、沢村を受け入れていた。沢村の舌が僕の中を掻き乱して、僕は、だんだん、頭がぼぅっとしてきていた。 「んぅ・・んっ・・」 エレベーターが止まって、扉が開くと、やっと沢村は、僕から体を離した。僕たちは、呼吸を荒げて、二人、見つめあっていたが、すぐに、沢村に手を引かれて、部屋へと向かって歩き出した。 沢村は、部屋の鍵をもどかしげに開けると、僕を中へ連れ込み、ベットへ押し倒した。 「沢村、さん?」 「お前みたいな奴には、一度、ちゃんと教えとかないといけないみたいだな」 「な、何を?」 「決まってるだろ、油断してると、どうなるかを、だ」 「さわ」 沢村は、僕に、キスしてきた。僕は、それに抗おうとしたが、無駄だった。沢村の舌に唇を割られて、僕は、呻いた。 「んんっ・・」 沢村は、僕の舌を絡めとり、僕の口中を犯し尽くすとゆっくりと唇を離した。僕は、ぼぅっとして、潤んだ目で沢村を見上げていた。沢村は、僕の眼鏡をそっととると、それをサイドテーブルの上に置いて、僕の股間へと手を伸ばしてきた。彼は、いつもに増して荒々しく僕のベルトを外して、ズボンと下着を脱がせた。そして、僕の両足の間に体をするりと入れてくると、僕の股間に顔を埋めてそこを口に含んだ。 「あっ・・だめぇっ!そんなこと」 「ダメじゃないだろ、レイちゃん。よく覚えるんだぞ、これ、明後日の撮影で、レイちゃんにさせるから」 僕のものを口に含んだままで、沢村は、言った。僕は、沢村の言葉を遠くに聞いていた。そして、ああ、僕は、明後日、皆の前で彼のものをしゃぶらされるんだな、と思っていた。沢村の口淫に、僕は、思考を奪われていった。彼の舌で舐められ、吸われて、僕のものは、固く立ち上がり、すぐに、精を吐いた。 「はぁっ、んっ!・・」 達してしまい、ぐったりとなっている僕を沢村は、俯かせて、腰を高く上げさせた。そして、沢村は、僕の尻朶を両手で押し開くと僕の恥ずかしい場所をさらけ出した。彼の吐息が吹き掛けられ、僕のそこは、きゅっと強く閉じられるのを感じた。 「お前のここ、すげぇ、きれいだ。薄いピンクで、ひくひくしてる」 「やぁっ、見ちゃ、だめぇっ!」 僕は、沢村の視線から逃れようとして、腰を揺らした。だが、効果はなく、沢村は、僕の後孔を好きなだけ愛でると、そこに舌を這わせた。 「ひぁっ!だめっ、そんなとこ、汚い・・」 「お前のここは、きれいだ、って言ったろ、レイちゃん」 沢村は、舌を尖らせて僕のそこを穿った。ぴちゃぴちゃと淫音を立てて、彼は、そこを舐め続けた。 「あんっ、あっ・・だめぇっ・・」 沢村は、いったん、体を離すと、サイドテーブルの引き出しからローションを取り出して、それを僕の尻に垂らした。ローションは、ひんやりとしていて、熱い体に心地よかった。沢村は、手のひらでそれを僕の尻に塗りつけるとゆっくりと指を僕の後孔に差し込んできた。つぷっと差し込まれた彼の指を僕は、異物感に堪えられずにぎゅっと締め付けた。沢村は、笑って、僕の尻をぴしゃんと叩いた。 「力を抜けよ、レイちゃん」 「んっ・・」 僕は、後ろを沢村にほじられて、呻き声をあげて、腰を振って、沢村から逃れようとした。沢村は、かまわず、僕のそこに指を深く差し込み、掻き回した。彼の指先が僕のいいところにあたって、僕は、体をびくんとはぜさせた。 「あぁっ、そこ、だめぇっ!」 「ここが、いいのか?レイちゃん」 沢村は、僕のそこを指先で擦った。たまらず、僕は、体を捩って叫んだ。 「だめぇっ!そこ・・出ちゃう!あっ、あっ、も、だめぇっ!」 僕の前が立ち上がって、先走りを漏らしていた。沢村は、指を二本に増やすと、僕の後ろを解し、押し開いていった。 「ちょっと、まだ、きついかな。念のために、ローションを入れてやるよ、レイちゃん」 そう言うと、沢村は、僕の後孔へとローションの先端を差し込んで、それを注ぎ込んだ。冷たいローションが僕の中に流れ込んでくるのを感じて、僕は、体をびくっと強張らせた。 「・・冷た・・」 沢村は、いよいよ、猛り立った彼自身を僕のそこへとあてがった。 「入れるぞ、レイちゃん」 「んぁあっ!」 彼の堅くて大きなものをねじ込まれて、僕は、悲鳴を上げた。沢村は、僕の腰を両手で掴んで、ぐぃっとそれを押し込んだ。 「あぁっ!・・だめぇっ!・・」 「もっと、力を抜け」 沢村は、彼のもので僕の体を貫いた。 「あぁっ!・・だめっ、も、出ちゃう!」 僕は、彼に突かれた衝撃で精を放ってしまった。沢村は、笑いながら、言った。 「ところてん、か?レイちゃん」 「あぁっ・・んぅっ・・」 達してもまだなお、責め続けられて、僕は、身を捩って、喘いだ。沢村は、激しく、僕の奥を突き続けた。僕は、また、上り詰め、そして、いった。沢村は、僕の最奥を貫いて、熱いものを、僕の中に吐いた。

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