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家族への告白②

 あまりにも軽いその反応に、拍子抜けしてしまった。 「反対しないの……?」  本当はずっと、不安だったのだ。  世間の目もこわいし、この先もあの人と、ずっとあんな関係を続けていてもいいのかなって。  しかし母は何を今さらとでもいうように、フフンと笑って答えてくれた。 「なんでよ? そんなの、するわけないじゃない。陸斗が幸せなら、私も幸せ。みんな、ハッピー! それに先日のあの『情熱大地』の番組を見た限り、アンタめちゃくちゃ溺愛されてるみたいだし」  そうだった、忘れてた! ......あれを家族にも、見られてたんだった。  恥ずかしくて、一瞬のうちに顔に熱が集まるのを感じる。  すると母さんは僕の頭にポンポンと優しく触れ、にんまりと笑った。 「父さんも、きっと同じように言うと思うわ。それに最近の陸斗、表情が豊かになったし、楽しそうだしね。性別だのなんだのより、そういうことの方が大事だと母さんは思うけど?」  ずっと、言いたくて。だけど言えなかった、僕の悩み。  うちはお金持ちではないし、父親は病気がち。  世間一般でいうところの、いわゆる『幸せな家庭』とはたぶん、ほど遠い。  ……だけど。  つい泣きそうになってしまったのだけれど、そこに莉緒がやって来て、僕を急かすように言った。 「お兄ちゃん、お腹空いたぁ! 今日の夕飯、なぁに?」 「えっと……今日は莉緒も大好きな、ハンバーグだよ。ポテトサラダも作るつもりだから、ニンジンもちゃんと食べるんだぞ?」  涙を誤魔化すみたいに、早口で答えた。  そして心の中で、そっと呟いた。  ありがとう、母さん。  ……僕はこの家に生まれて、本当によかった。

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