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短編
好きで、好きで、好きすぎて。
縛るのを、止められない。君は逃げてしまうことを知っている。
だけど……君が逃げるその時まで、俺だけのものでいて。
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前世、というものでは、彼は女性で彼女だった。
俺はいわゆる、束縛彼氏。
彼女は、俺と同じだけの愛情を返してくれなかった。どちらかというとドライな人で。俺が追いかけていた。
この世界に来てからも、そうだ。
探して、追いかけて、見つけて。
監禁した。この世界は、物騒だから。
孤児である彼が、俺の知らない場所で犯されたり傷つけられたり殺されたりなんて、許せない。
「ん、はぁ、ん、きもちいいね。」
「ふがっ、うぐっ、ぐっ、」
可愛い。愛でたい。イラマだけでも相当な破壊力。噛んだらお仕置きね、って言ったから、大人しくしてくれてる。……嬉しいなぁ。
「ん、でるっ…!」
「ん、?!がっぁ、ぁ゛……」
「……うん、ちゃんと飲み込めて偉いね。」
ぽんぽん、と頭を撫でる。なるべく優しく触らないと。俺は傷を付けて安心したい方だけど、それは彼女に止められたから。なるべく、出ていかれるまでの時間は延びたほうがいいでしょ?
その日のうちに、彼を美味しく頂いた。
だけど。あぁ、君は、やっぱり。
「ひぎぃっ?!ぃやっ、ぁぁぁあああ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!!!!」
「なんで、他の男の名前を出すの?俺だけ見てればいーの、考えてればいーの、どうしてそれが出来ないの?」
腹に刺した短剣を、今度はぐりぐり抉るように動かした。思えば、この時。
もうすぐ終わる予感をなんとなく持っていて、情緒不安定だったのだと思う。
「ひ、ぁ、はく、は、ふ、」
必死に息を吸う彼を見つめる。もう、いっそ。
「一緒に死ぬ?……いや、だめか。君は僕とは生きてくれないけど、誰かとは生きるかもしれないもんね。」
嫉妬しかない。でも、殺せない。
何この矛盾、なんで思いきれないの。
普通に愛せたらいいのに。こんな、歪んだ気持ち、無ければよかったのに。
もう、いいや。
彼に突き刺したナイフを抜き、自分に刺した。動かしづらい体を必死に動かして、彼にポーションを掛ける。
うん、これで君は生きれるね。
「ねぇ、こっち、見て?」
呆然としている彼にこっちを向かせる。せめて、見て?この先も、俺に囚われるように。
ふふ、君の中を感じながら死ねるなんて、しあわせ、だね?
俺は、首を掻っ切った。
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ふざけんなふざけんなふざけんな!!
目の前で、俺の穴に入れっぱなしのまんま自殺行為をした狂いまくっているこの男を呆然と見ていた。
「あぁ、くそがっ!」
ひとまずヒールを掛けまくる。男が乗っかってきて重いが、仕方がない。
血が滴る。死ぬな、お願いだから、しぬな。
嫌いだったわけじゃない!ほんとに頭おかしいけど、俺を生かしてくれた。生きる術も学ばせてくれた。痛いこともされたけど、俺はそれに安心してた。
意味わかんないけど、懐かしくて。
誰もいない世界で、こいつだけはって、ずっと……!
「バカなのかよ……ッ!」
こいつが最近情緒不安定なのは察してた。でも、最近こいつの仕事が忙しくてセックスできる機会が減ってるからだと思ってた。
まさか俺と終わるかもしれないとか思って追い詰められてたなんてわかるわけねぇだろっ!俺はそんな素振り見せたかよっ?!
「勝手に死ぬなよ、くそったれ……!
さっさと起きろ!!」
ガンガンに揺すってやった。
クソが泣くぞ。
きっと捨てられるなら、俺の方だって、思ってたんだよ。
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