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第21話

抜け、離れていく指に寂しさすら覚えた。 だけど、指が埋まっていては、長岡のモノを受け入れる事が出来ない。 いくら気持ち良くたって、これは準備なんだから。 本当に欲しいモノは、まだこれから。 「遥登が入れてくれよ。 大人、なんだから出来るよな」 「こ、こで……」 暗いといっても、車内は外から見える。 しかも、公園よりうんと広い空間だ。 こんな場所でセックスをするなんて。 「そう。 こわいか?」 こわくはない。 緊張するだけだ。 ズラすだけだとしても、こんな場所でケツを出すなんて緊張する。 生きていて、家の外でケツを出すなんて……トイレ以外では機会すらないことだ。 ましてや、こんな広い空間でなんて。 だから、緊張してしまう。 トイレの個室でのセックスともまた少々違った緊張だ。 「緊張、します…」 「やめるか? 遥登の気持ちが優先だ。 あ、遥登のは抜いてやるぞ」 三条は頭を振った。 そんなの駄目だ。 また自分だけを優先する。 今更戻れやしないのはお互い様なのに。 考えるより先に動く身体は、心にとても素直だ。 「…緊張するけど、……その…したい…です」 「なら、膝の上に乗れるか。 苦しいかもだけど、マフラーも引き上げとけ。 そうだ。 良い子だな」 宛がったモノのアツさに一瞬たじろぎそうになったが、大人だと言った手前引くのもしたくない。 天井に気を付けて身体を動かし、外も伺う。 大丈夫だ。 誰もいない。 雪が音を吸収し静かに感じるだけではない。 位置を調節しようと手を動かし、長岡のそれとぶつかった。 こんなガチガチに勃起したのを2人で支えなくとも大丈夫なのに、と2人共が思い空気が緩んだ。 この一瞬、家族のような空気になるのがむず痒い。 セックスの最中と同じだけ照れてしまう。 「声も、少しだけ堪えてくれ」 「はい、」 グッと腰を落とすと、アナルがくぱっと亀頭を銜えた。

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