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第37話
後処理と風呂を済ませると、スマホがメッセージの着信を知らせていた。
お返し、と短い動画が送られてきてドキドキしたままふとんに潜り込む。
あれだけしたのにまだ下半身はやる気をだそうとするからだ。
あれだけ射精したのに、その元気はどこから溢れてくるんだ。
いい加減収まってくれ。
『遥登からくれたんだろ』
「それは……、だって……」
モゴモゴと口の中で言葉を濁す三条とは対照的に、画面の向こうの長岡はとても嬉しそうだ。
「……正宗さん、あれだけしたのに…まだ出るとか体力どうなってるんですか」
『恋人が若いからつられんだよ』
「……」
『しかも、えっちだし』
「……」
『すっげぇ好きだし』
ぽふっと頭までふとんを被り籠った。
それでも、イヤホンからは長岡の楽しそうな声が鼓膜に伝わってるくる。
『顔見せてくんねぇの?』
「…はずかしいです…」
『恥ずかしがってる顔、見てぇなぁ』
「……だって」
『照れた遥登、見てぇなぁ』
「……う…ん、」
『はーると』
「……はい」
目元だけ覗かせれば満足そうな恋人の顔に、またドキドキする。
こんな良い顔で見詰められたら照れてしまう。
本当に綺麗な顔だ。
また隠れたいが、もっと見ていたい。
これだから長岡は狡い。
『おかずにしてくれる?』
「え……あ、の…………はい」
『楽しみにしてる』
「お、くるなんて言ってませんよ…っ」
『くんねぇの?
おかずにすんのに?』
はく…っと息だけを吐き出し言葉に詰まってしまう。
「……主食に、しちゃいます」
『ははっ、良いねぇ』
寝るまでの短い時間も恋人と共にし、夢の中へと沈んでいく。
長岡の愛情はあたたかく、セックスで疲れた身体はとても素直だ。
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