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EX16 帝国再建までの道(2/2) ※
side:アレク
翌日、仕事を済ませて帝国予定地に行くと、リシェがちゃんと移民の手続きを済ませてくれていた。
移民達が緊張感無くほんわかしているのは、リシェの魅力によるものだろう。
リシェに近付くと何やら考えているところだった。
「どうした?」
「あ、お帰りなさい。」
お帰りのキスはしてくれなかった。
人が居るからだろう。
俺からすると移民を放ってイチャイチャをおっ始めてしまう気がしたので、自重した。
「国の名前はあるんですか?って。以前の国の名前でいいのかわからなかったので。」
リシェが言うと、移民達が俺を見る。
以前の名前は不吉な気がする。
「リシ……。」
「はやめて下さいね。」
言おうとして勘付かれた。
となると…。
「リシェ、何がいい?」
リシェが付けたならきっと国が栄えるに違いない。
「幸福とかがいい気がするんですが…。」
俺に投げられたリシェはあくまでも参考に、と言って意見する。
「幸福……ファルセア、か。」
「ああっ、そうでした!」
姉の名前を出されてふと気付くリシェ。
そう、女神ファルセアの名の意味は幸福。
光の女神の名前を名乗る闇の王国とか、他国に喧嘩を売る事になるが、いいかもしれない。
「だが、勝手に名を使っていいのかだが…。」
「姉さんの名前ぐらい好きに使って下さい。と言うより、国の名前になった!とかって喜んじゃいますよ、あの人なら。」
「そうなのか?」
まあ、弟様の許可が出たので、遠慮無く使わせて貰う事にした。
近い内に美月さんに報告した方が良さそうだ。
みんなに告げると一瞬動揺したが、すぐに「反撃の狼煙!」とか声が上がったので、無為に攻撃に転じないよう諭す。
俺とリシェの紹介をしてから、移民達は与えられた居住区へと散る。
「リシェ流石だな。」
しっかり仕事をしてくれたリシェの頭を撫でながら労る。
「アレク様の指示が的確だったからです。」
嬉しそうな笑顔で謙虚な答えを返すリシェ。
尊い。
人が居なくなったので早速キスをしようとしたら、新たな闇の一族の民達が現れた。
イチャイチャを後回しにして頑張って移民手続きを、リシェと手分けして片付ける。
全てが終わった時には、リシェはソファーで眠ってしまっていた。
かなり疲れただろうと思い、リシェを抱き抱えてリアルに戻り、ベッドで身を横たえ抱き締めて寝た。
安らかな寝顔が愛おしい。
翌日も数人単位で移民がやって来た。
手続き作業を片付けて、リシェと庭園になる土地まで足を運んだ。
早速木魔法と土魔法で生やす植物を根付かせる。
「リシェ、ここに植物が埋まってる。咲かすイメージで光魔法を当ててくれないか?」
「はい。」
リシェが目を閉じて俺の目的の指示通り魔法を使うと、すぐに植物が生えて咲く。
「あっ、もう咲いちゃった。」
「驚かなくてもこれは俺の魔力もあるが、咲いたのはリシェの力でもある。」
「そ、そうなんですか?綺麗ですね、青い薔薇。」
「それの花言葉は『神の奇跡』『神の祝福』だ。リシェが祝福をくれたから、この国はきっと巧く行く。」
「そうなるといいですね。」
俺の言葉を聞いたリシェが照れ気味に口にした。
「俺とリシェで造った国になったんだぞ。言わば俺達の子供だな。」
「子供……。」
リシェが余計に赤くなる。
喜んでくれているので俺も嬉しい。
「大切に育てていこうな。」
「はい。」
微笑むリシェの笑顔が眩しい。
あと、昨日からお預けになっているので、もう限界があれな状態でヤバイ。
リシェを抱き締めると、寝室のベッドの上に直接転移した。
「わっ、びっくりした。」
背中がいきなりクッションだった為驚いたリシェの様子がまた可愛い。
頬を撫でてからキスを軽く落とす。
「ん…アレク様、昨日は寝ちゃって御免なさい。」
「こっちこそ、仕事を手伝って貰って、そのせいでリシェは疲れたんだ。今日も疲れてるなら無理はさせる気は無いからな。このまま寝てしまってもいいぞ。」
「…大丈夫です。」
リシェは答えると、頭を上げて俺に口付けてきた。
照れた表情を浮かべるリシェ。
「…天使が居る。」
「あ、アレク様こそ疲れてるんじゃないですか?」
思わず口にした言葉に恥ずかしそうになるリシェ。
実際は天使どころか神だ。
「疲れはリシェを見ただけで飛んだ。」
リップノイズを立てるようにして、リシェの顔のあちこちに口付けると、リシェが擽ったそうに身を捩る。
顔を赤く目を覗き込んで来る。
昨晩からの我慢の限界はここまでだった。
リシェの衣服を破れるギリギリぐらいの加減で荒く脱がすと、流石にリシェは動揺していた。
「アレク様…?」
少しだけ不安そうな表情で名前を呼んでくる。
「すまん、もうリシェが欲しくて股間がこうだ。」
自分も衣服を脱ぐと、リシェに押し付けながら俺の現状を告げる。
「…こ、こんななのに、僕を休ませようとしてくれたんですね。」
リシェが感激したように目を潤ませた。
熱を帯びた眼差しが艶っぽくて、興奮が止まらない。
「リシェ!」
リシェの胸に強く吸い付く。
「ああっ!あれ…くさまぁっ!」
上半身を押し付けて感じるリシェの反応と声が、俺の股間を直撃してくる。
拙い…愛撫をする余裕が無い。
俺は先走りの力だけでリシェに押し入った。
「っ……ふっ…!」
リシェは予感していたのか、すぐに深く呼吸して後ろを少しずつ緩めてくれる。
俺は動かずに、リシェの生理的な涙を吸い取って待つ。
少しだけ結合が緩むと、リシェが汗に濡れた顔に笑顔を浮かべる。
キスを唇に移すと、リシェは目を閉じながら俺の首の後ろに手を回す。
それを合図に律動を開始した。
流石にローションも解しも無しだと摩擦が強い。
「あっ、ああんっ!擦れ…っ、すごい…んんっ!」
切なそうな表情で喘ぐリシェ。
奥と弱点を交互に突き上げる。
「ああっ!そこっ……ああんっ!!」
リシェも強く感じているようで、リシェの爪が時折首の皮膚を刺してくる。
「リシェ…出すぞっ!」
「あああっ!なかに…くださ……あああっ!!」
リシェが先に達してくれたので、締め付けてきたそこを目掛けて精を放つ。
「ふぁぁんっ…出てるぅ…!」
相変わらず反応がエロい。
しかし我慢した時間が長過ぎたせいで、一度じゃ足りない。
再度俺は抽挿を開始した。
「ああんっ!また…イっちゃ…ぅっ!」
リシェの孔が俺に心地良く絡み付く。
誘われるままに最奥を抉じ開ける。
「ふぁあっ!おなか…ぁっ!!あたま…っ変なっちゃぅ!!」
加減が効かなくなった俺は、リシェの尻を叩く勢いで、夢中でリシェの腹を突き上げる。
「ああん…もう…っ、狂っちゃ…う…っ!ああっ!あああ――っっ!!」
爪先を突っ張らせてリシェが激しく達した。
涙や唾液に濡れて恍惚とするリシェが酷く扇情的で、それに煽られて、リシェの結腸に二度目の精を流し込む。
「あぁ……っ!」
びくびくして俺の射精を受け止めるリシェ。
やはり結腸は刺激が強過ぎるようで、リシェはそのまま意識を失ってしまった。
日に数人のペースで暫く移民が訪れる。
こちらにだけ現状張り付いてはいられない為、様子を見て移民の中から数人、仕事が出来る者を選んで手続きを任せた。
勿論時間がある時は俺やリシェが監督している。
リシェールにも現状を見せて、落ち着いたら国同士の国交などを結ぶつもりだ。
今度こそ闇の一族への差別問題を解決出来るよう、力を尽くしたい。
きっとリシェ…柚希が卒業したらこちらでも暮らす事になる筈だから、その時までには、前世でリシェが願ってくれた差別問題を解決する事で、リシェの前世の憂いを払ってやれる事になるだろう。
だから今はまだ始めたばかりだが、リシェと共に頑張ろうという気持ちが強くなるのを感じた。
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