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黒鳥の湖 37

「だ、旦那さ まっ、少し、お水でも飲まれて  落ち着かれては  っ」  乱暴に一片の容赦もなく最奥を抉じ開けようとソコに指をこじ入れられて、反射的に体が逃げを打つ。  あれほど触れて欲しくて堪らなかった時宝の指が恐ろしくて仕方がないのに、触れられたソコは熱烈に指を迎え入れて……  心と体のちぐはぐさに、全身に嫌な汗が噴き出した。 「お お願い です、少し で、いいので。  待っ 」 「うるさい」 「っ  」 「さんざん自分で慣らしたんだろうが」  吐き捨てる言葉に懸命に首を振ったけれど、どこまでが時宝に届いたのかわからない。 「己では、さ 触りません……だから、もうす   」  バシ と音がしそうなほど突然放り出されて言葉が途切れる。 「伏せろ」  それは、命令だった。  時宝の発したフェロモンが鼻の奥を焼くようで、ひぃ と息が詰まるような細く長い悲鳴が漏れる。  なのに、  ぶるぶると震える体がオレの意志を裏切って、牝猫のように腰をぐっと持ち上げていく。 「ぁ ?あ、  ぁ    」  威圧的なαの発するフェロモンに目が回りそうだった。けれど脳の片隅で命令されたことを実行しなくては と、脳の考えを裏切って体が動いた。  シーツを掴み、左右の膝を開いた状態で伏せて……  濡れているせいか、広げられた双丘の奥が空気に触れてひやりとした感触がする。 「ひ、 ぃ  ひど  」  これは、αの誘引フェロモンだ なんて知識が頭を過ぎるけれどそこまでで、どうやったら抵抗できるのか、どうしたら拒絶できるのかなんて答えは持ち合わせていない。  望まれれば、股を開くしかない……  あえて考えないようにしていた自分達の在り方を思い知らされた気がして涙が出そうになるのに、それでも体はαの求めるままに指でソコを開いて誘うのを止められなかった。  躊躇のない蹂躙は、一気に最奥を穿たれたことから始まった。  息が詰まって悲鳴にもならない声を上げるオレを背後から抱き締め、ベッドへと押さえつけるようにして腰を押し進めてくる。  あまりの傍若無人さに頭が真っ白になる、そうすると余計に腹の中にある熱い杭の存在がはっきりと感じ取れてしまい、逃げるようにばたつかせた手に力を込めさせた。 「  ぁ゛ ぁ」  何に救いを求めているかなんて自分自身でもわからないけれど、そうやって伸ばした手を時宝はあっさりと引き寄せ、何にも縋れないように封じ込んでしまう。  張り出したカリがナカのコリコリとした所を引っ掻く度に、全身がわなないてぎゅうっと爪先に力が入る。

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