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第9話 俺の事情

俺は様子の違う三人に気圧されて、これ以上黙ってるのも限界かと話すことにした。 「俺、ちょっと皆と感覚が違うっていうか、物心ついた頃からこの世界の有り様に、違和感しか無いんだ。何なんだろうと思ってた矢先に、姉貴が発情期になって。俺は多分小学6年だった。お前ら、上の兄弟が発情期来ても何も感じなかった?なぁ、秋良は兄貴居るだろ?どうだった?」 秋良は少し目を彷徨わせて言った。 「あー、そうなんだって思っただけ。家に殺気立った色んな奴らが入れ替わり立ち替わり来るのは参ったけど。兄貴は一人の相手じゃ無理だったし。」 俺は俯いて言った。 「俺も最初はそんな感じだった。でも発情期が長くてさ、人によって違うのは分かってたんだけど、姉貴は5日もあって。俺、美人で、清楚な姉貴が、最後は怖いぐらい叫んでて、動物みたいに、すげぇ淫乱な女みたいに変わったの見て、ショックで倒れちゃったんだ。」 3人は顔を見合わせた。俺は慌てて言った。 「姉貴の名誉のために言っとくと、俺がこの世界に違和感感じてるって前提があるって言ったろ? 親は姉貴の発情期は少し長いだけで、普通だったって言うし、姉貴のせいじゃ無いのは今は良く分かってるんだ。ただ、俺はそれがトラウマになって、自分に発情期が来るのが怖くて堪らなくなった。恐怖症的な?まだ子供だったしね。 それで、中学生になって皆が発情期迎えるようになった頃、俺は親と医者に相談してトラウマが克服出来る年齢になるまで発情期を抑えようって話になった。ドクターはせいぜい中3までと思ってたようだけど、中3で色々事情が分かった頃でも俺はまだ怖くて堪らなかったから、発情期を迎えるなんて無理だった。 流石に高校になったら、親が身体に負担だから薬飲むの止めるようにって言い出だして。昨日ももう自分で止めなきゃダメだって説教された。聖は、俺が発情期来そうな匂いするって言ったんだろ?俺、もう薬で抑えるのも限界なんだって悟ったんだ。 それに思ったんだ。多分俺、自分が発情期迎えた方が、今のお前たちみたいに呑気に生活できるんじゃ無いかって。」 俺は呆然としてる三人の顔を見て、にっこり微笑むと言った。 「だから、近々発情期のくる俺に色々細かいことを教えてもらおうと思って。そしたら女の子に相手頼むとか、何人ぐらいに頼むとか準備できるだろ?」

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