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第11話 俺の性癖
「俺の性癖?どうやってそんなのわかる?そもそも俺、性欲感じたこと、ほとんど無いんだけど。」
俺は困って秋良の顔を見つめた。秋良は少し躊躇した後、思い切って言った。
「試してみれば良いだろ?お前が俺とキスして気持ち良かったら、お前は男といけるって事だ。それから女とも試してみたらいい。」
椿と聖が身を乗り出して言った。
「「だったら、俺がお試しする!」」
俺は椿と聖を、眉を顰めてじっとりと見つめて言った。
「…秋良とキスしたいの?」
椿と聖が慌てて言った。なぜか秋良も嫌な顔をしてる。
「「どーしてそーなるの!俺は雪とキスしたいの!」」
俺は目を閉じて、腕を組んで考え込んだ、そして首を傾げて言った。
「なぁ、俺も秋良も男だろ?だったら俺にキスしたいなら、秋良にもキスしたいだろ?そーじゃないと変だろ?」
椿は頭を掻きむしって言った。
「あー⁉︎もう何が何やら!何だよ、その珍問答はっ!雪は頭良いくせに、どーしてこの手の事にはこんなにピンと来ないんだよ⁉︎」
聖も腕を組んで考え込んでる。そーだよな、訳わかんないよな。そう思っていた俺の腕を秋良がグイッと引っ張って、俺の顔からメガネを外すと、俺を抱きしめてキスしていた。
俺は突然の事で呆然としてしまって、秋良にされるがままだった。秋良は思いの外優しく俺の唇を厚みのある唇で覆っていたけれど、段々と吸ったり、摘んだりと忙しく動き出した。
俺はハッとして、声を出そうと口を開けた。その瞬間を逃さない様に、秋良は俺をガッチリ抱え込むと、俺の口の中に大きな舌を差し入れて、柔らかな粘膜をくすぐった。
俺は目を開けてられなくなって、ビリビリと痺れる様な疼きも同時に感じて、身体のあちこちに異変を感じた。胸の飾りは妙に敏感になって服に擦れる感じがハッキリしたし、俺の性的に使ったことのない股間のブツが普段と違うのが分かった。
そして驚く事に、もっとぐちゃぐちゃにキスして欲しくなった。
俺はそんな自分に慌てて目を見開いて、俺の顔を見つめていた秋良を押しのけた。
ちょっとフラつく高まった身体をソファの縁に手を掛けて支えながら、上がった息を整えていると、秋良は俺をギラつく眼差しで見つめて言った。
「そんな風になるのは、お前が男を受け入れる側だからだ。お前は女とはしない。男とする、男を受け入れる性癖なんだ。本当に自分で分からないのか?
…雪は発情期を迎えたことがないくせに、今、俺たちを翻弄するくらいフェロモンが出てるんだ。…頼むよ、雪。お前の発情期の相手に俺を選んでくれ。」
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