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付き合おうか?
「由貴くん?どうしたの?」
この日の由貴くんは元気なかった。
「颯太。翼って結婚してるの?」
「どうしたの?」
「この聞いたんだ」
「そうだよ。ごめんね言えなくて」
「俺、翼とは付き合えない!」
だよね。
このあと由貴くんが別れ話をしにいったのは言うまでもない。
そんなある日。
「由貴。翼と付き合っているのよね」
どこでバレたのか、奈々ちゃんは知っていた。
「っ!!」
「あ、怒ってないから!」
「奈々ちゃん。由貴くん最近まで知らなかったんだよ」
「え?」
「翼。由貴くんに既婚者だと言ってないんだ」
「お姉ちゃん、ごめんなさい」
そう言って由貴くんは泣いていた。
俺なら泣かせないのに。
「言わなかったあのバカ翼にはよーく言っておくわね」
「だから、由貴。泣かないでよ」
このあと。
翼は奈々ちゃんにひどい目に合わされたとか。
自業自得なんだけどね。
「はぁ」
「どうしたの?」
「翼が別れてくれない」
「奈々ちゃんに言われたくせに懲りてないわけ?」
「俺に他に好きな奴がいないなら嫌だって」
チャンスだと思った。
「俺と付き合おうか?」
「え?」
「俺と付き合ってるってことにしたら翼も諦めるんじゃない?」
「うん、颯太と付き合う」
そして。
由貴くんと共に翼のもとへ。
「颯太と?」
「うん。だから翼、別れて」
「わかった」
翼はあっさり引き下がった。
このあと俺は由貴くんを抱きしめていた。
「由貴くん俺さ由貴くんが本気で好きだよ」
「は?え?」
「由貴くんが好きになってくれるように頑張るから覚悟してね」
そう言ってキスした。
可愛なぁ。
しばらくして受験のため来ないって言ってきた。
だから。
毎週デートに誘った。
いつからか由貴くんからの連絡が途絶えた。
「颯太来たか」
「なんのよう?」
「悪いがお前と由貴の翼への記憶を書き換える」
書き換えるって何を!?
そして。
気がつくと翼を警戒するような記憶に書き換えられていた。
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