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第10話
1時間ほどの練習。
前嶋さんは、その後いつも帰り道にある銭湯にオレを連れて行ってくれて、中にある食堂で夕飯をご馳走してくれた。
「智海は飲み込みが早いな。前回よりもだいぶ良くなってきたぞ」
「そうですか?」
「あぁ。俺が習得するまでに1年かかった事をもう少しで出来そうなんだからスゲーよ」
「…………」
プールから離れると、前嶋さんはまた優しい笑顔と言葉でオレを包んでくれる。
オレはそれに見蕩れてしまって、このままずっと一緒にいられたら……なんて思ってしまうんだ。
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