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第6話 彰、契約を宣誓する。

 彰が次に目を覚ました時には、既に次の日の夜になっていた。 既にアルカシスは仕立ていい白い上下のスーツに白のシャツにベスト、ネクタイと正装姿だった。彼の銀色で長髪と緋色の瞳と合わせて、新郎のように雄々しいのに着こなし方にどこかドキドキとする魅惑的な美しさを感じた。  起きた彰に気づいたアルカシスは、ニコリと微笑んで言った。 「起きたかい?彰。君も支度をしよう」 *   *   *  起き抜けの髪をアルカシスに丁寧に梳かしてくれて、ぼんやりとした顔も彼にゆっくりとマッサージされ、ぱっちりと目が覚めた。衣服を着ていない肢体には、透明なレースの下着を着せられた。大事なところは細い紐の下着を履かされ、僅かに膨らみが見えている。最後にアルカシスは彰の頭にレースを被せた。 「綺麗になったね、ショウ。ほら、鏡を見てごらん?」  アルカシスに促されて、彰は全身鏡に映る自分の姿を見て目を見開いたまま固まった。 この姿は、何というか・・・エロい。 まるでAVに出てくる女優のようだ。 起き抜けだった姿が、今では雄を誘うような魅惑的な姿に変わっている。自分は男の筈なのに、自分にエロさを感じてしまう。 「これは・・・」  自分がこんなに悩ましい姿になるなんて思ってもみなかった彰は、コーディネートしたアルカシスを見た。彼は彰の出来栄えに満足したようで、うっとりと自分を見つめている。 「綺麗だよ。彰。さすが私の#性奴隷__ペット__#だ。そんな君を見ていると、また押し倒したくなる」  緋色の瞳が剣呑に光ったのを見て、彰は一瞬ゾクリと身震いがした。 これは、恐らく生贄の儀式。この淫魔王を満足させるために自分は捧げられる供物なのだ。 「この格好は・・・?」  困惑する彰を閉じ込めるようにアルカシスは彰を抱きしめた。逃がさないというように、腕に力を込めて。 「淫魔王の#性奴隷__ペット__#は、宣誓後すぐに抱かれる事になっている。君の意思で私に隷属する事を誓い、君の意思で私と交わりを果たして、死ぬまで一生#性奴隷__ペット__#として私に尽くすのだよ」 「ーーっ!?」  彰の表情が驚きで強張る。 つまりこのまま彼に従属すれば一生人間界に戻る事もできず、この淫魔界で死を迎える事になる、というのだ。 「さぁ、儀式の時間だ。私の可愛い#性奴隷__ペット__#よ」  抱きしめた腕を彰の腰へ移動させたアルカシスは、そのまま部屋を出るよう誘導し、聖堂を目指した。 *   *   *  聖堂は天井を美しいステンドグラスで覆われ、祭壇にはアルカシスと同じ銀色の長髪の女性とその周囲には美しい男達がスーツを着て彰とアルカシスを待ち侘びていた。 「あらん?ちょっと前に初めて会ったばかりなのに、さらに可愛くなったわねん♡ショウちゃん♡」  彰は、女性のこの甘ったるくて優しい声に聞き覚えがあった。この人は自分の名前を知っているが、どこで会った事があるのか分からない。いや思い出せないのだ。 「ウフフ。困ったお顔も可愛いわねん♡3日前貴方は、わらわの前でこの契約書にサインしたのん♡」  女性はアルカシスと彰の直筆がある契約書を彰に見せながら言った。 「3日前の儀式は、いわゆる結婚式。そして今回は結婚披露宴。もちろん、貴方のね、ショウちゃん♡」  彰を見つめる彼女は、ペロリと舌舐めずりをした。彼女からも、3日前出会った時のアルカシスと同じ恐怖を感じる。逃げようと後退ろうとするが、アルカシスに腰を掴まれそのまま彼女の前まで連れて来られた。 「逃げても無駄よん♡貴方はもう、わらわの弟アルカシスの#性奴隷__ペット__#ちゃん。今回は、この宣誓書を貴方が自ら読み上げるのよん♡」  女性は契約書を彰が読みやすいように広げて見せた。隣にいるアルカシスに逃げないよう腰を掴まれ、もうなす術がなかった。 「さあ、ショウちゃん♡お読みあそばせぇ♡」 女性はウフン、と彰にウィンクするが、カタカタと彰は震えている。 隣にいるアルカシスは、震える彰の背中を摩りながら、ゆっくりと呼吸するよう耳元で囁いた。 「何も心配する事はないよ?ショウ。姉さんの前で、宣誓するだけでいい」 耳元にアルカシスの声と息が吹き込まれると、震える彰はゆっくりと口を開いた。 【主従契約書】 今この時をもって、私ショウ・アキヤマは淫魔王アルカシス様の従順なる性奴隷に堕ちる事をここに誓います。アルカシス様の愛情溢れる調教を是非私めに施し、貴方様のための性奴隷にお仕上げ頂きたく存じます。 ー主人 淫魔王アルカシス ー従僕者 秋山・・・秋山・・・ 「・・・秋山・・・彰・・・」  宣誓を読み上げた彰は、涙を流した。その姿を見て、アルカシスと彼の姉エリザベータは視線を合わせてクスッと笑った。 「さぁ、今この時をもって、アルカシスはショウちゃんという可愛い#性奴隷__ペット__#ちゃんをお迎えする事ができましたわぁん♡皆様ぁ、お二人に暖かい拍手をぉ♡」  エリザベータの宣誓を合図に、周囲の淫魔達から拍手と喝采が上がる。まるで二人の結婚を祝福するかのように。 「おめでとうございます!アルカシス様!」 「おめでとう!」 「おめでとうございます!」  そこかしこで祝福の言葉が上がる。拍手と喝采に埋め尽くされる聖堂をエリザベータが優雅に静止した。 「ご静粛にぃ、会場の皆様ぁ♡さて、次はいよいよ、アルカシス様とショウちゃんの公開セックスよぉん♡お二人の厳正なる愛の儀式だから、お邪魔をする悪い子はわらわが成敗しちゃうわぁん♡」

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