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それって最強.7

「おー。野球部のキャプテンだよな? 合宿お疲れー」 「ああ、っす。なあ、サッカー部のヤツらだよな?」 「そうだよ」  やはり凌平が談話室にやって来た。どこか遠慮がちに尋ねる凌平と、それに応えるみんな。クラスも違うし接点はなく、オレを介して知っている程度のものだろう。  同じ学校に通う同級生と言えど、ちょっとオレまで緊張しながら息をひそめる。 「あのさ、純太が部屋にいなくて。どこにいるか知ってるか?」 「あー……どこだっけ?」 「どこか出掛けた……んだったような?」 「スマホ置きっぱでさ、そんな遠くには行ってねえと思うんだけど」 「あ、そか……じゃああれだ、トイレ? なあショウ」 「うん。もしくは誰かの部屋に行ってるとか?」 「あー、なるほどな……」  久しぶり、と言ってもたった二日ぶりだけれど、直接聞こえる凌平の声が甘酸っぱくオレの体に響く。オレを探してくれている言葉たちが、耳じゃなくて肌から沁みこんでくるみたいだ。それは簡単に涙に変換されてしまって、鼻の奥がツンと痛む。  ああ、好き。すげー好き。  テーブルの下というへんてこな場所で、凌平への想いを再確認する。まだ怖いけど、何を話したらいいかすら分からないけど、凌平が部屋に戻ったらオレもすぐに行こう。凌平の顔が見たいから。  そう決心しつつ、意外と続く四人の会話に耳を傾ける。話題がオレなのはちょっと気まずいけど。

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