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第17話 初恋が生まれた日*
千歳はうなじにキスをし、腰を揺さぶり始めた。
結合部が蕩けているように熱くて、ナカのとある箇所に触れると声が我慢できないくらいに強烈な快感がやってきて、背中を仰け反らせた。そこが弱いと気付いた千歳も、そこを狙って腰を動かす。
俺だけが気持ちいいのかと心配したが、千歳も同じくらいに感じてくれていると分かった。こっそり盗み見た千歳の顔は、必死に何かを堪えるみたいな余裕のない表情をしていたから。
振り子のように、一度動いてしまった腰はもう止められないらしい。ギシギシとベッドが鳴るほどに、絶頂に向かってかけ上っていく。
「……もっ、や、あ……っ」
腰を振られながら、性器にも手をのばされた。
律動に合わせてそれも手のひらで扱 き上げられると堪 らない。
擦られながら、親指で先端をぬるりと円を描かれると、先走りがポトポトとシーツに落ちてシミを作っていく。
お腹の下がトロトロに溶かされている。
さらに追い上げられるとガクガクと足も震えてきて、よりいっそう呼吸が荒くなっていった。
「千歳……っ、もうっだめ……っ」
いっちゃうよ、と、はしたない声をあげながら枕に顔をこすりつける。
気持ちいいと言われたところは全てその手で蕩かしたいのか、額に汗を滲ませた千歳も無我夢中といった様子で俺の身体に手を這わせ続けた。
「創、可愛い。イクところ見せて」
「ひぁ……ぁ」
かすれた甘い声が耳朶を打つと、耐えきれずにあっけなく噴いてしまった。
「あ、あ、あっ……!」
欲望を全て吐き出すと頭が真っ白になり、中にある千歳のものも、きゅうきゅうと締め付けた。
追いかけるように、千歳も自分の中に精を吐き出す。奥が火傷したように熱い。
「んん……ン……、……っ」
「……創」
脱力した千歳に、きつく、やさしく抱きしめられた。
熱いものが注がれた自分の身体は、しばらくびくびくと痙攣しながら快楽の余韻に浸っていた。
*
「俺としては、半年くらいは我慢しとこうと思ってたんだけど」
さっき俺が外してしまったシャワーカーテンをつけ直しながら、千歳がポツリと言う。金具が少し変形してしまったが、壊れてはいないようで良かった。
「え、半年も?」
「だってそういう事しちゃったらもう、創で頭がいっぱいになるだろ。授業サボってお前と過ごす、とか言いそうじゃない? 俺」
確かにそう言いそうだ。
言われてみれば、もう少し慎重になるべきだったかも。
けれど後の祭りだ。身体を重ねることがこんなにも気持ちいいものなのだと身をもって知ってしまった。
「千歳のお母さんに怒られるから、そんなことは絶対にさせないよ。いくら理由があろうとも、授業は受けさせるからね」
「えぇ、たまにはサボんね? 激しくしちゃった次の日は、創も起きるのきついだろ?」
ユニットバスを出てきた千歳に誤魔化すように抱きしめられたけれど、流されずにムンと頬を膨らます。
「激しくするのは、休みの日の前日だけね! そういう日だったら、たくさん甘えていいから」
「ふぅん。ところで創って、見た目によらず結構エロいよな。普段真面目で大人しい奴ほどそういう時は大胆だってよく聞くけど、本当だった」
「え、エロくないよ! あれは千歳がたくさん、意地悪なことしてくるから」
「……あぁヤバいな。もうしたくなってる」
「もう?! 今日はもうダメだよ!」
しない代わりに、千歳からのキスをたくさん受け止めた。
これからもたくさん、この人を知っていこう。
もしかしたら、この先喧嘩もあるかもしれない。
けれど千歳とだったら大丈夫。
たくさん泣いて、たくさん笑おう。
二人の恋はまだ、始まったばかりだから。
END*
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