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桜の仕業

「か、お......る?」 「環!よかっ......た」 細い身体を抱き締める 「馨......どうして?」 「桜の仕業......」 「へっ?」 「君の妖気が桜だったんだ」 書庫でみた書物に書いてあった 妖の血を引く一族の者には妖器というものが大なり小なり備わっている そこに妖力が溜まると使えるようで、一定量が循環している 気持ちに大きく左右され、消費されたり意図的に力を使ったりする “流れ”は、非常に重要で塞き止められると爆発する 本人自体に還ってきて大抵が自滅 昔、大妖怪と呼ばれたもの達が世で暴れていたのもそのせい 環の妖器には、九尾の心臓と封印した術師の力が入っていたため妖力が余った 幸い、その力は環に還ってくることなく老齢の桜が吸いとった 桜の花が3週間も満開の状態だったのは、環が楽しみにしていたから 桜は、環の感情に左右されていた

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