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第4話

 ゲイにもニューハーフも多くいる親日派のこの国は、俺にとって暮らしやすい留学先だった。  性的志向に寛容な上に奔放なタイプが多いから、留学して以来、俺には彼氏が途切れたことがない。  日本ではゲイだと隠していて誰ともつき合ったことがなかったが、この国に来て最初の一ヶ月で八人の男に告白された。当然驚いたが、どうやら俺の顔だちや背格好はこの国ではとても受けるらしかった。  全体的に細身で小柄な体格が多いから、日本では平均よりちょっといいくらいの俺の体格でもここでは結構いいほうに入る。  それにこの国の人気俳優に似た顔立ちをしているらしい。おかげで日本ではありえないくらい言い寄られるのだ。  童貞だった俺は自分が快楽に弱いタイプだなんて知らなかったが、ここに来てからかなり流されやすいと自覚した。  だって今までこんなにモテたことはない。かわいくセクシーに迫られて、断るなんて選択肢があるわけなかった。  そういうわけで特定の彼氏はいないが、気楽なつき合いのセフレが数人いる。でもここではそれが許される。  気軽に誘われて、気持ちよくなれるならそれでかまわない。  これまで自分を抑えてひたすら隠していた俺は、今の状況にとても満足して有頂天になっていた。人生初のモテ期で、相手は選び放題なのだ。  浮かれるなというのが無理な話だ。

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