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第6話 僕の彼氏は

 僕の彼氏はとっても可愛い──  小さな時からずっと一緒。ちょっと人より気が小さいんだ。言いたいことは半分も伝えられない。  僕がついていないとダメなんだ。  ずっと見て来た。だって大好きだったから……  本当の「好き」の気持ちに気付いたのはきっとあいつよりもずっと前だよ。  だから僕のことを好きになってくれたのがわかった時はとてつもなく嬉しかった。どうせ待ってても告白なんてしてくれるわけないだろうから、僕は自分から告白をした。  晴れて恋人同士。  毎日が楽しい。  僕だけに見せる表情。  僕だけに見せる困った顔。  でもそれだけじゃ物足りない……  僕の彼氏は奥手だから、自分からは何もしてこない。だからたまにはキスくらいしてもらいたくて、僕はわざと些細なことで怒るんだ。  ほら。  少し黙っただけなのに、困った顔をしてキスをしてくれる。 「ごめんね。愛してる。許して」  僕はそれだけで満足していつもの笑顔に戻るんだ。  僕が怒る理由なんてどうでもいい。  きっとあいつもわかってる。  だからたまにはいいよね、ありがとう。

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