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第1話
松野千冬・十×歳。場地さんと知り合って初めての冬にワクワクもしているが、逆にどうしよう……とも思っていた。
「今年の年末は……」
場地さんの家で紅白を観て、それから除夜の鐘をつきに行って、ついでに初日の出を見に行く約束をしていた。ふたりだけで。
「くぅぅぅっ! このふたりだけで、ってのが嬉し恥ずかしなんだってばっ! どうしよう俺、操奪われちゃったら」
〇
なーんて思っていたのは数時間前。千冬は今、目の前の事態に非常にパニくっていた。
「へぇ…………。で、これからどうするつもりだよ」
「えっ…………えっと……えっと…………」
部屋で戯れている内に勢いで場地さんを押し倒してしまっていたのだ。
「お前はさ……、俺をどうしたいわけよ」
「お、俺はっ、場地さんをっ…………」
犯したいですっ、とはとても言えない。と言うか、この場合俺のほうが場地さんにどうされてもいいですって言うつもりだったのに…………。
「俺、お前を受け入れてもいいぜ」
「ぇっ?」
「ただし、誰にも言うな」
「……」
「俺が負けたみたいだから」と言う言葉を聞いてちょっと笑った。
そういうところ、いかにも場地さんだからってのもあるけど、そんなことで? と言うちょっとした意地みたいなものも感じた。だからここで止めたらこれから先は一生ないと断言出来る気がしたので、やろうと思った。
この際どっちがどっちでもいい。やらなきゃ……。
押し倒されて無防備な場地さんの首筋に顔を埋めると舌先でその肌を舐める。両手で手首を押さえて体を密着させると、どうしても自分の股間の高鳴りが気になってしまう。だって俺の股間は今にも場地さんのソコと重なってしまいそうだからだ。そうすれば嫌でも自分の気持ちを知られてしまいそうで怖かった。
「いつまで首舐めてんだよ」
「ぁ、はいっ」
「お前の……おっきいのか?」
「ぇ……人並みだと思いますけど……」
「ソレ入れると痛いのかな……」
「分かんないっす。俺もされたことないんで……」
「そっか……」
「はい」
出来れば俺がそっち側になりたいんですけど、それはほら、言ったら負けみたいなものがあるんで、あえて言わないっす。
「俺も……こんなの初めてだからな……」
「たぶん……。たぶんですけど、殴られるよりマシっすよ」
「おー、そっか。なら早いトコ気持ち良くさせてくれよ」
「ぁ、はいっす」
「……」
「えっと……。失礼しますっ」
ガバッと抱きつくと、たどたどしくシャツのボタンを外す。そして見えた素肌に……乳首に吸い付いていく。
「ぁっ……んっ…………! んんっ! ん……」
場地さんが喜んでいる。俺は場地さんを気持ち良くさせるために一生懸命舌で乳首を味わった。味わいながら再度「いつまでやってんだ」と言われないように股間を弄る。ベルトを外して下半身を全部脱がせると股間にむしゃぶりつく。
「んっ! くっ……ぅぅっ…………ぅ」
同時に後ろへの攻撃も忘れはしない。
「痛っ……ぅぅ……」
ぁっ、ちょっと潤いが足りなかったかな……。俺は口の中から唾を吐き出すとそれを指先につけて場地さんの後ろを弄った。
「うっ……ぅぅっ……ぅ」
モノをしゃぶりながら後ろを刺激して中に指を突っ込むと、しゃぶっているモノから垂れる汁を後ろに流すように口を開いては閉じる。ジュプジュプを音をさせて指の出し入れがスムーズになるのを確認すると、やっと安心して場地さんから出る汁を味わうことが出来た。
「ばっ……! ち……ふゆ…………ぅ。駄目っ……俺の……しゃぶるなっ……ぁ……ぁ……ぁ」
「ふぇっ……?」
「あっ……! んっ! くっ……!」
場地さんに言われて不意に顔を上げると口に含んでいたモノがポロリと出てしまった。「あっ」と思ってるとすぐに場地さんの手がギュッと股間を掴んでひたすら耐えているように見えた。
「やっ……めろよっ。出ちゃうだろ?」
「ぇっ、だって……」 出すためにやってるのに……。
「俺が今出しちゃったら駄目だろ」
「え、何で……」
「どうせするならさ、一緒にイきたいじゃん」
くぅぅ……と我慢しながらそんなことを言う。
それを聞いた俺は泣きそうになった。
「場地さん……、俺…………」 そんな嬉しいこと言ってもらえたの、初めてですっ。
「だから馬鹿っ。お前早く勃たせろやっ」
「あっ、すんませんっ! って、全然大丈夫っす」
「もう勃ってるって?」
「当然っす」
「だったらさっさとしろや」
「ぇ、でも十分緩ませないと……」
「そんなことしてたら萎えるっ」
「でも……」
「早くしろって」
「分かりました」
言うが早いか、さっさと下半身だけ脱ぎ去って場地さんの足を担ぐとスタンバイOK。
「いっ……行きますっ」
「お、おぅ」
ググッとモノを押し入れにかかるとビクビクッと場地さんの体が揺れる。
「ぐっ……ぅぅ……ぅっ」
「力を抜いて」
「ぉ、おう……」
ひーひーふぅ……と息をしだす場地さんを見た俺は、「何か違う……」と思いながらも事を進める。でないと勃起したモノが一気に萎えてしまいそうだからだ。
「ぁぁぁぁぁ……」
「入った……」
「入った?」
「はいっ。ちょっと慣れるまでこのままでいます」
「このまま?」
「百かぞえてください」
「俺が?」
「はい。その間に俺は」 場地さんの体を楽しみますっ。
「99、98、97……ぁ……ちょっ……」
「数えて」
「きっ……96……ぅぅ……。95……94」
必死になって数を数えている場地さんの素肌に指を這わす。太股から腰、ウエストから胸の突起に。
「ちょっ……お前……なんか、ぁっ……んっ……んっんっ」
「おっきくなってますか?」
「んっ…んんっ…んっ」
「すんませんっ。でも感じるでしょ? 俺の、熱いって……」
「んっ…あ、熱いっ。熱いし堅いっ…………!」
「……ただの棒じゃないんで。ちゃんと場地さん愛してるって証明なんで」
「ぁ、ぁぁぁ…ぁ」
乳首を撫でては指と指で挟んで摘む。そうしながら余っているほうの手でモノを触りたいんだけど、「出ちゃうから」と払われるに決まってるからギリギリ触らない方向で我慢する。
「やっ……ぁっ……ぁっ……。お……まぇ……、さ……わんなって……」
「触らなきゃ……」 損でしょ。
「ぁっ……ぁ……ぁぁぁっ…………」
肝心のモノは場地さんが握ってるから諦めて、俺は彼の脇腹や背中を指先で楽しみながら舌先で首筋や耳たぶを味わう。
場地さんは気も漫ろ(そぞろ)になりがちで、時々数える数字が止まりそうになる。それを「数えて」と促すと、続きがあやふやになったりしてなかなか0まで辿り着かない。
俺としては嬉しいことだから、あえて教えてはあげないで、喘ぎながら必死に数字を口にする場地さんをひたすら楽しむ。そしてやっと「3、2、1、0……」と数え終わった後、涙目になっている場地さんを見て、また心の中でほくそ笑む。
「お……わったぞっ」
「……じゃ、動きますっ」
「あっ……ぁぁ……んっ。んんっ!」
ゆっくりと出し入れを開始すると、場地さんは俺の腕の中で強烈に悶えた。そんな姿を見るだけでイってしまいそうになるのを抑えて、より長く場地さんを味わおうと努力に努力を重ねる。
でも何回か出し入れすると駄目で。駄目だけど、もうちょっと頑張らないと駄目だからとまた自分に言い聞かせてガンガン進む。あー、こんなことなら根本縛っておけば良かったとか散々色んなこと思いながらも場地さんの温もりを確かめる。
「んっ! んっ! んっ! ぁっ、はっ……ぁぁっ! ぁっ! ち……ふゅ……ぅぅ。おれ、もぅ……駄目だからっ……ぁっ……ぁぁっ……あっ!」
「はっ、はいっ……! お……れもっ…………もぅ」
とっくに限界ですっ!
今まで必死になって掴んでいたモノから手を放すと場地さんが俺に抱き着いてくる。頬と頬が触れ合って唇が重なるととうとう限界を超えた。
「すっ……みませんっ! 出ますっ!! 出しますっ! ぅっ! ぅぅっ……!」
場地さんの唇の感触を感じながら言葉を放つ。
そんなことを言うよりも早く場地さんのモノからは溜めに溜めたモノが放出されていて俺の腹を濡らしていた。俺は場地さんの中に、場地さんは俺の腹に精液を放って、やっとちょっと落ち着いた。
「あーーーっ」
終わっちまった……。激しく後悔! ホント、根本縛っておけば良かった……!
「うるさい。ちょっと黙れ」
「す……んませんっ」
「………………お前……今の良かったか?」
「そっ……りゃ、もちろんっ」
「そっか…………」
「ぇ、場地さんは……あの、嫌でしたか?」
「嫌って言うか……何て言うか…………。体の中に人が入って来るの初めてだからなっ」
「ぁっ……今出しますんで」
「違うっ」
「ぇ」
「そういうこと言ってんじゃねぇ。聞け」
「はい…………」
「…………俺、こういうの初めてで……うまく言えないけど…………悪くなかったって言うか…………」
「……」
「でも次はないからなっ」
「えっ?」
「次は俺がお前に入れるっ」
「ぁ、はいっ……。えっ?」
ビックリしていると「次だ、次の話だよっ!」と恥ずかしそうに言われた。
「ってことは……あのっ、次もあるってことで……いいですか?」
「だから、次は俺がお前に入れるんだからなっ」
いいか、分かったか!? と怒鳴られて深く頷いた。
俺……そっちのほうが合ってるかもしれない……。
けど、大好きな場地さんの中に今俺がいるのも事実で。それが許されるのは俺だけってのも知ってる……。
俺はもう一度深く頷きながら「でも今日だけはっ」と第二回戦に望んだ。
場地さんの体は俺のもの。そして俺の体も場地さんのもの。俺は身も心もあなたのものだ。
終わり
タイトル「身も心も」フユバジ編
20220116
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