優しく両頬を手で包み込まれながら、そっと俺の頭を胸元に近づけた。ふにりと露出した胸の頂きに唇を触れさせると、優しく俺の髪を耳にかけた。 「じょーずに、できる？」 蕩けた顔で、まるで子供に言い聞かせるかのような母性を含んだ声色でそんなことを言う。 何時もより積極的な誘いに、頭が茹だるほどの血が巡った。 「ーーっ！！」 「ァ、んっ！ひゃ、ゃ、やさしくぅ…っ！」 ぢゅ、っと音を立ててそこに吸い付くと、空いている右胸はくにくにと中指と人差し指で挟むように引っ張りながら刺激する。不覚にも興奮してしまい、なんだかそれがバレるのが恥ずかしかった。 きいちには悪いが、とろとろになって忘れてもらうに限ると判断した。 「ひぅ、や、ゃぁ…！と、とれちゃぅ…！」 「ん、っ」 「急にやさしくもやぁあ…っ！」 ぢゅ、じゅるっ、と端ない音を立てながら緩急を付けて何度も吸い付く。悩ましげに体を悶させ、シーツに寝乱れるような跡を残しながら、きゃんきゃんと子犬のように甘く鳴く。 きいちの張り詰めた性器が俺の腹を叩く。先走りで軌跡を残しながら、腹筋の割れ目に擦り付けるように腰を揺らめかせているのを自覚しているのだろうか。 「ふ…、きいちのここ、尖ってんのに柔らけぇ…」 「ひ、ぁっ…っ！」 はむ、と唇で挟んでから舌で見せつけるように乳首を舐めあげると、びくん！と大きく腰をはねさせた後、びしゃりと勢いのある精液が俺の腹に打付けられた。 「はー‥っ、ぁ、…あ、ん…っ…」 「きいち、おまえ…」 顔を離し、ボタボタと垂れるそれを手で受け止める。潮混じりの薄くさらりとした精液は流れるように手の隙間から腕を伝い、きいちの腹に落ちていく。 胸の刺激だけで、射精したのか。 さんざんいじめ抜いた胸の尖りは暗闇からでも見て取れるほどぷくりと腫れ上がり、そこに沿って波を作るように授乳服も胸の間から脇にかけて生地が流れていた。俺の唾液でパステルカラーの生地が胸の周りを色濃く染め上げ、射精のしみもしっかりとわかるように腹回りの生地に吸い取られていた。 「えろいな、きいち。」 「うぁ…っ！」 パジャマの裾できいちの性器を包むと、ぐにぐにと刺激をしながら、ゴムを付けた指ニ本をにゅくりと蕾の中にゆっくり入れた。 妊娠したきいちの内壁に傷をつけない為に使用したが、コンドーム越しからでもわかる。 きいちの内壁は蕩けるような熱を持って甘く収縮していた。 「あ、あ、あ、…や、ゃあ…ぬい、てぇ…っ、」 「大丈夫、前立腺しか押さないから。腹の奥までは入れねーよ。」 「ひっ、ァァ、ん、ぅん…っ」 指の第二関節、きいちの張り詰めた前立腺が健気に位置を主張してくる。すこしだけ前よりも下がった気がするその位置を、指の腹で甘やかすように押し上げる。 「しゅ、ん…っ、…そこ、も、もれちゃいそうだからぁ…っ、」 「なんで？気持ちよすぎて？」 「ふぁ、ぁっ…う、ぅン…っ」 腰を震わす姿と、前立腺を押す度に毬のように膨れた膀胱が刺激されるのか、素直に気持ちよくなってほしいのに、生理現象で気が気じゃないといった具合だ。 「きいち、いいよ。俺は漏らしても気にしない。」 「シーツ汚れちゃうからやだぁあ…っ」 ぐしぐしと愚図る姿に、そういえば言ってなかったかと思い出す。 「ペットシート入れてるから大丈夫だぞ？」 「え、…っ？」 「だって、吹くか漏らすだろ。対策はバッチリだ。」 「しゅ、っ…しゅんのばかぁぁあっ！あ、あっ！」 にっこり笑うと顔を真っ赤にして抗議してくるきいちの手首を受け止めて、ぐり、と前立腺を、強く押し上げた。ぴゅる、と先端から零れるように漏れ出したものがパジャマに染みる。そのまま覆いかぶさり深く口づけながらぐちぐちと中を刺激してやれば、じゅわじゅわとタガを失ったかのように大きくシミを広げていく。 「んぅ、ふ、っむ…ん、ンー‥っ、ぁ、あ…」 舌をぐちぐちと擽り、甘噛みしながら吸い付く。 シーツを蹴るように暴れていたきいちの足の抵抗が弱まり、抑えていた手首も力が抜けたことを悟って口を離す。ぬぽ、と音を立てながら引き抜いた指と手のひらはびしょびしょに体液でぬれそぼり、ふるえる両足の間から腰回りにかけて見事な地図を描いていた。 「クソ、可愛い…すげぇ興奮する、」 「ふあ、も…や…」 濡れた太ももを掴んで開かせる。汚れを気にせず体の間に身を収めると、勃起した性器をきいちの性器とかさねて握る。 「おっき…、」 「やらしい姿見てたら、こうなった。」 「うぅ…変態…」 先走りを搾り取るようにぐちぐちと手を動かせば、ビクリと太ももをはねさせてきいちが慌てた。 「も、もぅ…でないから、っ…」 「ん？俺もイきたいから、付き合って。」 「俊の舐めたい…だめ？」 顔を真っ赤にしてお強請りをされる。中に挿入できない分手で、とおもっていたのだが、思っても見ない申し出に少しだけ揺らいだ。 「悪阻は、いいのか？」 「今日、調子いいから…」 「なら、こっち尻向けて。」 ゆっくりと起き上がらせれば、誘導するように体制を変えさせる。背もたれに寄りかかりながら、きいちの蕾がわかるように腰を引き寄せると、きゅう、と甘く収縮するように蕾が反応した。 おずおずと細い指先が、俺の茂みを掻き分け性器を支える。ぺしょりと薄い舌が先端を舐める感覚に吐息を漏らすと、嬉しそうにちうちうと先端を吸う。 「ン…、む、ひゃ…っ！」 「ふ…」 指を飲み込んでいた場所に舌を差し込む。その吐息の近さに尻を震わしながら、ぬるつく胎内は優しく俺の舌を刺激した。 「ふぁ、っ…ん、んぅ…っ」 「ん、すげ…いい‥」 飲み込みきれない部分は手で刺激して、ちゅぽちゅぽと水音を立てながら性器を舐め吸う姿に血が集まる。頬の内側に先端を押し付けながら、飲み込むように深くまで咥える。負けじと胎内を舌で慰めながら、もにもにと袋を揉む。上体をぺたんと伏せて茂みに顔を埋めたきいちが、尻だけを高く上げた体制で息を荒らげていた。 「もうすぐイくから、がんばれるか？」 「っ、ん、…は、ぐ…」 優しく尻を撫でると、はぷっと再び性器を口に含み、ゆっくりと喉奥まで受け入れる。 尻を甘噛みしながら腰を揺らめかせると、上顎を滑りながら上手に深くまで飲み込んだ。 「っ、は…きつかったら、口離せよ…っ」 「ん、ぶ…っ、」 きゅう、と喉奥が締まった瞬間、びゅる、と粘度の高い精液をきいちの喉奥に流し込んだ。 背筋をビクビクと震わせながら勢いのままごくんと飲み込んだようで、むせた拍子に口から離れた性器ときいちの舌を繋げていた唾液の糸が千切れると、ゲホゲホと噎せた。 「ぇほっ、げほっ…んン゛ッ…ごほっ…」 「あー、ほら…無理して飲むからだ…」 涙目で呼吸するきいちを抱き寄せ、汚れた口周りや詰まった鼻に吸い付いて綺麗にしてやると、お礼を言うようにぺしょぺしょと薄い舌で唇を舐めて甘える。 シーツはぐしょぐしょ、パジャマもあらぬところがしとどに濡れていて、くったりとしたきいちは頭がゆるふわ状態だ。 激しい行為が出来ない分、互いを高め合うような触りっこは、それでも感度が高いきいちからしてみれば激しく溶けるような行為だったらしい。むしろ、腹の子に負担をかけないように力を抜くようにといった言葉を素直に受け止めて甘受したおかげか、いつも以上にペンディングで激しく乱れていた。 これは、新たな扉を開いてしまうかもしれないな。 惨状とは裏腹に頭も下半身もすっきりした俺は、行為後の甘えたなきいちを抱きしめながら、何から片付けようかと考えるのだった。