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牽制④

くるりと振り返り、じっと間名くんを見つめる。 身長はたぶん同じくらいか少し俺の方が高い。ワックスで綺麗に整えられた茶髪の髪が風に靡いて綺麗だなって思った。 真ん丸で大きな二重は今はキリッと睨まれてるから半分くらいの大きさだ。 …睨まれたって可愛い顔してるから、怖くないけどな。 「篠川くん邪魔しに来たでしょ」 「そんなつもりはなかったけど、デートだったらって聞いてゾッとした」 まあ、違ったんだから結果オーライだよなって切り替えてたけど、間名くんからしたらそういう問題じゃないんだろうな。 「僕は湯田くんが好きなんだ…君もそうなら僕は容赦しないよ」 湯田が呼び出された時からなんとなく知っていたから、間名くんの告白はそこまで驚かなかった。 これは牽制されてる、よな。でも… 「争う意味、ないと思うよ」 きっと俺の言葉は間名くんからしたら冷たく聞こえたに違いない。 「どうして」と拳を握って怒りを抑えているのが伝わった。「僕じゃ君に勝てないって言いたいの」と。 そうじゃなくて… 「だって湯田は女の子が好きだから」 友達の俺より、可愛い間名くんより、突然現れた女の子を湯田は選ぶから。今はそうじゃないと言われたとしても、今後はそうなるに決まってるから。

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