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汚点②

1つ上の先輩で足が速くて陸上部のエース。 すっと風を切るように走り抜けて、ゴールするとニカッと幼く笑う。 そんな先輩を俺は図書室の窓からぼーと眺めていた。 違う。 これは恋じゃない。 自分がそこまで俊足じゃないから、羨ましいなって…憧れる感じだと思うんだ。 ―――…そう思ってたんだ。 それなのにさ。 偶然にも委員会で一緒になって話すことが増えたりするとさ……優しさとか声だとか仕草だとかさ…すべてに心をもってかれるって感じちゃって。憧れだけで満たされてんのか本当に?って心の中がざわついたんだ。 あぁ…もうこれ憧れなんかじゃないのかも、って気がついて、でもこのままでもいいや幸せだもんって気持ち押し殺して毎日を過ごしたりもした。 けれど、これまた偶然に荷物を資料室に二人で運ぶなんてことがあって…今しかない、なんて衝動的に告白してしまったバカな俺。 はぁー、ほんとバカ。 受け入れられるわけがないって重々承知だから泣くのはずるいのかなって意地はって、笑ったけどあの時の記憶はそこまで鮮明に覚えていない。 忘れたい忘れたい忘れたいって念じて無理やり閉じ込めただけなのだけど。

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