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第20話

スポーツジムって面白い 本当にいろんな人がくるし いろんな事が起こる 天然温泉の大浴場がウリなだけに その辺りの掃除は大変だけれど ただでマシンを使わせてもらえるし 酔っ払いに絡まれる事もない バイトを始めて一ヶ月ちょっと 顔を覚えた会員さんもチラホラいて 固定シフトで自分の予定も組みやすく 長続きしそうな予感がする 「お疲れ様。あとよろしくね」 「お疲れさまでーす」 ウチの店舗に社員さんはわずかに二人 一人は普通の会社に行く人と変わらない 本部とのやり取りやバイトを含めた人事なんかをメインに仕事をしている もう一人は完全に肉体労働 スポーツ好きが高じてインストラクターになりましたって典型みたいな人 その小阪さんが笑顔で俺たちに声を掛けて出て行った 帰るんじゃなくて、近くの店舗に行くらしい 「あー小阪さん、かっこいいなぁ」 「ですね~。俺もあれぐらい鍛えたいっす」 「優しいしー顔もスタイルもいいしーちょっと年上だけど全然アリって感じー!」 「ですか~」 一緒に受付業務に入っている先輩は ちょっと頬を赤らめて小阪さんを見送っている まあ確かに 背は高いしガタイはいいし 笑顔が優しそうな年上ではあるけど 「未婚だし!」 「へぇーもてそうなのに」 「だよねー。でも最近は彼女もいないって」 先輩の目は期待で輝いている もしかしたら小阪さんを射止めるのは自分かもしれない そう考えるのも無理はないけど あの人明らかにゲイですよね 「結構まめに違う店舗行ってますよね、小阪さん」 「だね。桂店のマネージャーが、相談とかしてるって聞いたよ。あそこの社員さんはインストラクターできない人だけだから」 「ああ。桂店、俺も最初の研修で行きました。マネージャーって藤田さんでしたっけ?」 「そうそう~」 藤田さんも明らかにゲイでしたよ じゃああの二人つきあってんのかな? 俺は訪れた会員さんに笑顔で挨拶をしながら どうでもいいことを考えていた 「風間君は、彼女とかいないの?」 「彼女とか、いないっすね」 「そうなんだ~」 彼女とか、彼氏とか? ここでバイトするようになって 好みの人でもいればいいのにって思ったけれど そう簡単ではないらしい 大学でもゲイはあんまり見かけない 俺一目でわかるし本当にいないんだろうな だから最近はノンケを口説いちゃってるけど できれば男にしか身体開かないような人がいい 経験豊富なバリネコさんか 性欲旺盛なバリタチさんに 知らない世界を教えてもらいたい気がする 俺あんまり両方やる人好きじゃないみたい 自分は両方に興味があるけどまだネコったことはない でも何事も経験だよね いつかやりたいなぁ 「風間君、そろそろシフト、クローズやってみようか」 「はーい」 「ええっと……来週の木曜日ラストまで入れてるから、その続きで。いいかな?」 「がんばりまーす」 小阪さんじゃない方の社員さんが 俺を見上げてそう伝えてくる クローズてのはお店を閉めること 併設ショップの売上金なんかの現金もあるし やることが多いので大変らしい だけど基本的に最後まで残るのは社員とバイト各一名 他のバイトは掃除や片づけが終わったら先に帰る 本当は最後は社員一人でもいいらしいんだけど 何かあったときのためにもう一人 「木曜日なら小阪さんとだね」 「ですか~」 「ねぇねぇ、小阪さんの好みとか、聞いといて!」 「了解でーす」 好みの男? 好みのプレイ? 聞いてどうするんだろう 俺が次にバイトへ行ったとき 従業員のロッカールームで小阪さんと鉢合わせた 「お疲れ様でーす」 「お疲れ様」 小阪さんはユニフォームからスーツへ着替えている 着替えながら俺に仕事慣れた?とか聞いてくれる 「皆さん親切に教えてくれるんで、結構大丈夫です」 「そうか。筋トレしたいんだって?」 「そうなんです。通いのインストラクターさんに、この間ちょっと見てもらえて」 「うん、らしいな。あの人教えたがりだし」 小阪さんは笑っている 俺は開けたロッカーのドアの裏側の鏡で 背中合わせにいる小阪さんを観察する ふーん やっぱりいい身体してるなぁ 「ちょっと出かけてくるから、あとよろしくね」 「はーい。本部ですか?」 「え?……桂だけど」 「ですか~。藤田マネージャーさんによろしくお伝えくださいね」 「……なんで?」 「研修でお世話になったので!あれ?藤田マネージャー、桂店じゃなかったですっけ」 「桂、だよ」 俺はユニフォーム姿になってロッカーを閉め くるりと小阪さんを振り返った 明らかに動揺した顔 俺はにっこり笑って彼を見送った その日から俺は小阪さんを観察し始めた ほぼ毎日顔を合わせる俺は 小阪さんがうちのジムを出入りするいろんな人と関係があるらしいと気づいた 会員さん 契約のインストラクターさん スポーツ用品の営業さん 従業員はいないみたい まあ他の店舗には何人かいそうだけど なぜかどの人といても小阪さんは楽しそうじゃない 手広く楽しく遊んでいるわけではないようだ だとしたら無理強いされてるのかな つーかあんなにバリネコオーラ垂れ流してたら すぐ捕まって掘られちゃうに決まってるよね 嫌なら嫌だって言えばいいのに あんなに鍛えてるんだから強そうなのに そして今日も俺が点検と掃除がてら会員さんのロッカールームへ行くと よく来るムキムキガチガチマッチョなお兄さんと壁際で話してた 百八十センチを超える俺と変わらない長身で その人を見おろすように困っている顔 口説かれてるっぽーい 完全に言い寄られてるよねー 「小阪さーん」 「……!な、に」 「すみません、あとでちょっといいです?」 「ああ……今、行く。すみません、失礼します」 俺はモップがなくて~と適当なことを言った 小阪さんはいつもは柔和な表情を強張らせて 俺に下の階にあるだろうと言う チラリと後ろを振り返れば マッチョ兄さんは不機嫌そうな顔をしていた ごめんなさーい 「ありがとうございます。俺、下探してきます」 「そうして」 「あと、俺、今日クローズなんです。今からやっとくことありますか?」 「……いや。クローズって言ってもほとんど僕がやるし」 「ですか~。了解でーす」 面白い人だな なんでこのぐらいで焦ってるんだろう? 俺はそのまま上機嫌でカウンタ業務に戻り 最後の会員さんを見送ってシャッターを閉めた その瞬間から 一秒でも早く帰ろうとバイトたちは掃除と片付けに追われる 社員である小阪さんは クローズ作業を始めているのでカウンタに座ってパソコンとにらめっこ かっこいい顔だなぁ 「お先でーす!!」 「お疲れ様でーす」 「お疲れ様ー」 怒涛のようにラストシフトのバイトたちが働き、そして帰っていった カウンタには俺と小阪さんだけ 小阪さんが言ったように実際の作業をするのは俺じゃないので チラシを整えたりとかの雑務をしながら 小阪さんに話しかける 「小阪さんって、何歳ですか?」 「三十四」 「めっちゃガタイいいですけど、スポーツされてました?」 「野球……風間は?」 「俺はバレーボールとバドミントンです」 「おお。なんかポイな」 「ですか~?」 今日はトラブルもアクシデントもなかったので そんな話をしている間に作業は終わり ようやく今日の営業が終了する お疲れ様、と言いあいながらロッカールームへ着替えに向かう 「小阪さん、今度俺に筋トレ教えてくださいよ」 「いいよ。今日ぐらい暇なクローズの時か、オープンの時な」 「はーい!!」 オープンというのはまさに開店 クローズがしっかりしていればわりと穏やかなシフトだ 開館時間まではマシンを使ってもかまわない 「先帰ってていいから。シャワー浴びてから帰るし」 「はーい。……小阪さん」 「んー?」 「藤田マネージャー、優しいですか?」 「……なに、言って」 自分のロッカーからタオルを取り出していた小阪さんは 俺の一言に動きを止めた そしてゆっくり俺の方を向く へぇ、いじめたくなるタイプだなぁ 俺はにっこり笑って彼へ近づいた 「仲よさそうだから。優しいのかなって」 「……さあ?」 「優しくないんだったら、やめとけばいいのに」 「……風間に関係ないだろ」 「ですね。でも、俺は優しいよ?」 俺は腕を伸ばしてロッカーと自分で彼を閉じ込める 間近でも見てもいい身体だな~ 俺もこれぐらいまで頑張ろうっと 俺は唇が触れるほど顔を寄せて囁いた 「優しくない人、みんな切れば、俺が優しくしてあげるよ」 「……ちょ、っと」 「優しくない人が好きなの?……克彦さん」 「触るなっ!」 小阪さんは俺を突き飛ばして すごい勢いでロッカールームを出ていった 少し間があって廊下から従業員用のシャワールームのドアが開け閉めされた音が響く うーん 口説いてる最中にシャワールーム行くとか 逃げてるんだか誘ってるんだか…… 「ほら。ドンってやればたいていの男、吹っ飛ぶじゃん」 俺は押しのけられて痛む肩を摩りながら着替えを済ませて お言葉どおり先に帰った 相手によって望むことは違う やらせて欲しいだけだったり して欲しいだけだったり でもあの人は意地悪したい 優しく意地悪された方が燃えるでしょ~ 優しくなくて振り回すだけの男ども そいつら全部切って俺んとこおいで このバイトを始めてからようやく楽しい事をみつけた 小阪さんをいじめちゃおう 大人なんだし泣いたりしないよね 「小阪さん、最近、桂店行かないね~」 「ああ。そういえばそうですね」 「まあいいんだけど!うちだって小阪さん頼りにしてるんだし!」 「ですよね~」 いつもの受付業務 あの日から十日ほど経っていた 俺はもう一人の社員さんにクローズガンガン入れてくださいってお願いして もともとクローズ業務はほとんど小阪さんがやっているので 故意に小阪さんと二人っきりになる機会を増やしていた でもあの日以来全くその手の話はせずに 俺は笑顔で小阪さんの出方を傍観している 本人は俺をよっぽど警戒しているのか 二人の時もほとんど俺が一方的に話すだけだし 週に二回は行っていた桂店も行ってなさそうだ まあ、仕事サボって男とヤッてたんなら 今の状態がまともなんだけどね つーか桂店でヤッてたのかな? 「ねぇ、最近あの人来ないね」 「誰です?」 「ほら、小阪さんのクラス全部出てた男の人!」 「あ~……赤いスポーツバッグの、ちょっとお金持ちっぽい」 「そうそうそう!実際お金持ちなんだって。自分で会社やってるから、昼間っからこんなとこ来れるのよね」 「ですか~」 「でも、今週来てないかも……」 ふーん そろそろなのかな? いつも必ず小阪さんに検品させてたウェアのメーカーの営業さんも 今日は俺に伝票渡してくれたし 「風間君、今日もクローズ?」 「はい」 「大変でしょ」 「あーでも、小阪さんに筋トレ教えてもらったりして、楽しんでます」 「そうなんだぁ」 「そうなんです~」 嘘でーす まあいいや 俺は鼻歌混じりに業務をこなし シャッターを閉めてから張り切ってプールサイドを掃除して カウンタに戻ってきたらもう小阪さんだけだった ラストメンバー、相変わらず仕事速いっすね 「上、オッケーでーす」 「ああ……」 小阪さんは顔も上げずに生返事 短い髪を指で引っ張りながら カタコトとキーボードを叩いている 俺はそれをいつも通り雑談しながら眺めていた 「……んじゃ、お疲れ様」 「お疲れ様でーす」 業務終了営業終了 俺たちは連れ立ってロッカーへ向かう 閉館間際までクラスを持っている小阪さんは いつもシャワーを浴びてから帰る 今日もそんなことをボソボソ言いながら自分のロッカーからタオルを出している 俺はユニフォームを脱ぎながら明るく聞いた 「藤田マネージャー、お元気ですか?」 ガシャンと大きな音がした 小阪さんがロッカーに手をついたらしい 俺が振り返ると 小阪さんはタオルを握り締めて俯いている ほんと顔に出るタイプだなぁ 俺はルンルン気分で笑いながら彼に近づいた 「冗談でーす。最近、桂店、行ってませんよね」 「そう、だよっ」 「別れました?」 「……別れた」 「よく来てた、お金持ちの会員さんとも?」 「会ってない」 「ウェアの営業さんとか、この間ロッカーで口説かれてた会員さんとか、あとはぁ」 「全部だよ!全部切った!!」 「ですか~」 薄く日焼けした顔は真っ赤だ 俺はいつかと同じようにロッカーに腕を突いて彼を閉じ込める やっぱり背同じくらいだな 「なんで?」 「なんで、って……」 「だって、ずっと前から色んな人と遊んでたんでしょ?」 「……それは」 「やだって言えるのに言わなかったのは、マゾネコなのかな、克彦さんは」 「ちが……」 「俺、優しいから。マゾネコちゃん満足させられないかも。経験少ないし」 「や……」 「なんですか?」 俺は克彦さんの顔を覗きこむ 目を逸らして必死で抵抗しているけど もう逃げ場はないし言い逃れもできませんよ チラリと視線を落とせば 身体にピッタリ吸いつくハーフパンツでは 隠しようもないほど勃ってるのが見えた そのまま視線をあげていくと ぷちりと立ち上がった乳首 俺がそれを指先でクリクリ触ると ビクビク震えながら唇を噛んでいる 「……優しく、されたい」 「そうなんですか?」 「だから、全部やめたんだっ。優しくしてくれるって」 「言いましたね、俺」 「だから……!」 「本当に優しくされたいですか?」 俺は彼の股間をするりと撫でた 金属製のロッカーに克彦さんが背中をぶつけて大きな音がする 俺の手の中でどんどん大きくなるそれは 窮屈そうに見えた 「優しく」 「意地悪もなしで?」 「……乱暴は、嫌だ。本当は嫌なんだ。痛いのも、嫌だ」 「意地悪は好きだよね?」 「……」 「恥ずかしいのも好きでしょ?」 「……好き」 「了解でーす」 俺は嬉々として跪くと 克彦さんのウェアと下着をずり降ろした 汗で張りついていて大きくなったチンコも邪魔で ちょっと手こずると自分で降ろしたんだから協力的だ 現れた彼のを躊躇うことなく咥える 俺、あんまりうまくないと思うんだけどね 克彦さんは俺の髪をゆるく掴んで かわいい声を漏らして震えている まあ、下手でも感じるってあるよね 「すごーい。大人のちんちんって感じ……いろんな人にこすられてこんな色になっちゃうんだ?」 「や……ちが……っ!」 「優しいの、物足りない?」 「後ろ、に、欲しい……!」 「ダメでしょ、痛いのやなんでしょ?」 「優しく、してくれ」 「今日は無理~だってゴムもジェルもないからね」 絶望的な声を出す克彦さんを見上げながら 俺は再び彼のを舐めまわす 顎が疲れたな そう思っていたら口の中に出された 飲むけどさ 「気持ちよかった?」 「よかった……」 「じゃあ、俺のもしてね」 上半身裸の俺は 近くにあったパイプ椅子に座って克彦さんを誘う 床に手をついて俺に近づき 結構硬くなってる俺のを嬉しそうに舐めてくれる あ、うまーい 気持ちいいー 人より大きめの俺のを喉まで咥え込んで 克彦さんは涎ダラダラ かわいがってあげたいなぁ 「克彦さん……すごく気持ちいい」 「ん……んぅ……」 「今度ホテル行こうね。エッチしたいな」 コクコクと小さく頷きながら 克彦さんが俺を見上げる 俺はにっこり笑って彼の喉の奥まで自分のを押し込んだ 腰を揺すりながら克彦さんの頭を掴む 「あーいい……出る……出すよ」 「んっんんっ!んぐ……!」 たっぷりぶちまけて 全部射精し終わってチンコの痙攣も治まってから 俺はゆっくり克彦さんの頭を離した ずるりと吐き出されてふう、と息をつく あ、克彦さんまた勃ってるー 「苦しかったですか?」 「ん……ちょっと……」 「ごめんなさい。俺、嬉しくて」 「……気持ちよかった?」 「すごーく。またしてね」 それから何度かそんな事をして そのたびに克彦さんはホテルへ行こうと誘う 断って断ってようやくエッチをした夜は なかなかすごいネコっぷりだった ああでも年季の入ったバリネコちゃんとするの気持ちいいなぁ 克彦さんはひぃひぃ泣きながら俺のチンコで何度もイってた なんか自分がうまくなった気がしていい感じー こうやって経験積んでエッチが上手になっていくんだろうな 楽しみだなぁ

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