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表 裏

そんなの誰にだってあるんだ わかってる  何んにだってあるんだよ 別に珍しくもない そこら中にあるんだから きっかけがありゃ ひょっこり顔出すわけさ 驚きゃしない そんなくだらない事を 考えるより その日を生きる事がすべて それが日常だ 俺の人生無味乾燥 いや 乾燥はしてねぇな 潤ってるほうだ 人を愛したことはあったが 愛された記憶はない そう…受け止めてはもらえない 絶望は知っている そんな俺の前に 突然現れたおまえが 容赦なく投げつけてきた恋情 不覚にも戸惑い立ちつくしてしまった 俺の心が追いつけないのは 情愛の未熟か 頭の中に先を描けないのは 思考の欠落か あの日 置き去りにした おまえが 目の前に 無意識に名前を呟いた俺を じっと見つめたおまえ 俺の理解し難い俺が いとも簡単に 少しばかりの理性を 踏み潰しやがった ぶれないおまえと ぶれぶれの俺 今ここにいるのは ただおまえに逢いたい 情けない男だよ

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