12 / 15

唯一

待ちくたびれたのか あなたはソファーに横になり 寝息を立てていた 暫く眺めていたが 触れたい欲求に負け そっと頭を持ち上げ 膝枕をすると 次から次へ 欲望が騒ぎ立てる それを抑え込み そっと口づけ 髪に触れる あなたはゆっくり目を開けて 俺を見ると 慌てからだを起こし 「ごめん なんだか 横になったら…」と 恥ずかしそうに俯くあなたが 愛しくて おいでと言いながら あなたの手を引く あなたは俺の胸に しがみついて 泣き出した 俺の腕の中で 泣きじゃくるあなたは 今夜俺の唯一の人になる

ともだちにシェアしよう!