1 / 4

【1】

 街灯(ガイトウ)()()る虫が活躍(カツヤク)し始めるとワイも何故(ナゼ)かは、定かではないが活発(カッパツ)になる。そろそろ身体を(アタタ)める時がきた。 「お待たせしました」  そうそう、これを待っていた。くちづけを交わしたのはグラスの方がとてつもなく早い。それはいざ仕方(シカタ)ない。最低(サイテイ)な男。(サケ)が一で、人の気持ちなどお(カマ)いなしだから。もはや、リタイアしたのと同然だ。のびのびと、ぐびぐびで桜()ってしまおう。そんな笠田潤(カサダ ジュン)は今日も、いきつけの酒屋(サカヤ)に一人、ほっつき歩いていた。いつもの()い物を済ませ、帰ろうと一歩()らす。目線を上げると、今までが(ウソ)だったかのように、変わる出来事が起きた。 「えっ。竹斗(タケト)やん! 」

ともだちにシェアしよう!