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第59話

 5ー4 秘密ですか?  勇者様の告白に俺は、一瞬、言葉を失ってしまった。  マジですか?  俺は、自分の耳を疑っていた。  勇者様が、奥様のことを?  なんで、またそんな。  いくらでも他によりどりみどりなのにもかかわらず、奥様?  前の婚約者があの聖女であるルルゥ様なのに、次が、奥様なんですか?  うん。  俺は、ため息をついた。  手近ですまそうということでもないんだろうが、勇者様、安直すぎますよ?  いやいや、ちょっと待ってくれ、俺。  いくら安直すぎる話しとはいえ、奥様と勇者様なら、悪くないんじゃね?  というか、なかなか、いいカップルなんじゃ?  2人ともちょっとアレなとこはあるけど、いい人たちだしお似合いなのかもしれないな。  年齢的にもいいのかも。  いや。  勇者様は、ロリコンだったんじゃ?  確か、年齢は、奥様のほうがちょっと上だったはず。  だが。  俺は、なおも考えていた。  奥様が少し年上かもしれないが、釣り合いとれないわけでもなく、何より、この2人は、とても気があっているような気がする。  よく2人で酒盛りしてるしな。  酒に酔って暴れる奥様をなんとかできるのは、ミミル先生か、勇者様しかいないし。  何より、奥様が勇者様と結ばれれば、俺は、もう奥様のお世話をしなくてもよくなるんじゃね?  もう、金銭感覚のない奥様のことをがうがう口うるさく説教しなくてもよくなるしな。  まあ、多少は、寂しさもあるけど肩の荷がおりるというか。  だけど、そしたら勇者様が大変だろうな。  まあ、そんなこと些細なことかもしれないし、大丈夫だろう。  そんなことを俺が考えていると、勇者様が頬を真っ赤に染めて小声で俺に囁いた。  「この話しは、誰にも内緒にして欲しいっす」  「なんで?」  俺の問いかけに勇者様は、きっぱりと答えた。  「やっぱ、こういうことは、はやまっちゃいけないっすからね。ルルゥのときも知り合いの騎士団長さんに相談したら、翌日に王様の耳に入ってて、あっという間に話がまとまってたし。ちょっと、よく考えてから自分で答えを出したいんすよ」  「うん、わかった」  俺は、勇者様にむかって頷いた。

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