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第6話

「っ……うっ」  声を上げまいとして、でも出るものは出るから。身体を上下に持ち上げて彼の言うことを聞く。何度かそれを繰り返していたら、ようやく手を離してくれた。彼は両腕を頭の下で組むと満ち足りた表情をして俺を下から眺める。 「あー。絶景」  微かに吐息をもらす彼を見て、俺はさらに動きをはやめる。はやく終われ。はやく終われ。瞳を閉じて無心になっていると、腰に手を回された。 「うっ……あっ」  俺の身体を横抱きにすると、後ろから抱きしめてくる。中で彼のものが一際大きくなった。びくんびくんと中で蠢くそれを感じながら、ようやく終わったと安堵する。早く離れようと思って起き上がろうとすると、その手を取られた。 「俺、2発出さないと終わらないって知らなかった?」  俺は頭がショートする。また、振り出しか。 彼は俺の腰を支えながら、俺の背中に器用にキスを落としていく。 「っ」  じく、とした痛み。俺はまさかと思って後ろを振り返る。 「奥さんにバレたらやばいね」  じく、じく。痛みの数が増えていく。彼は俺の身体に自分の印を刻み込んでいる。俺は背筋が凍えるような気持ちになった。

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