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03-7.
唇が重なる。
それだけの口付けで済むはずがなく、ジェイドは舌でレオナルドの唇を抉じ開けようとする。重ねられた唇を舐められることに羞恥心を抱いても、嫌悪感は抱かなかった。
……こういう時は、確か、抵抗をしないって書いてあったはず。
緊張はしているものの、まだ思考は犯されていない。
レオナルドはジェイドに応えるように唇の力を抜く。
その隙を待っていたと言わんばかりにジェイドの口腔内に侵入した舌は唇の内側を舐める。その奥を犯したいといわんばかりに執拗に舐められ、口角からは唾液が零れ落ちる。
一度、唇が離れた。
急に離れた唇が名残惜しいというかのように唾液が二人の間を伝う。
それは簡単に切れてしまうようなものだった。ジェイドの目には映ってすらもいないだろう。
「レオナルドはキスをしたことはあるのか?」
「……ない」
ジェイドの問いかけに対し、目を閉じたまま応える。
緊張をしている自分自身の姿がジェイドの瞳に映るのを見ないようにしているのだろう。
ジェイドからすればキスを待っているようにしか見えないのだが、レオナルドは気づいてもいないようだ。
「それなら気持ちよくなる方法を教えてやろう」
ジェイドはレオナルドの唇を指で撫ぜる。
「口を開けろ。舌を絡め合うんだ。そうすれば気持ちよくなる」
指が唇から離される。
……気持ちよくなる。
心の中で復唱する。
唇を合わせる行為により快感を得られるようになるという一般的な認識は知っていたが、実際にしてみてもよくわからなかった。
そんなことを考えていることがジェイドに筒抜けだったのだろうか。
僅かに口を開ける。
それに応えるようにジェイドは再び唇を合わせた。
舌で口腔内を犯すように動かす。言われた通り、レオナルドはジェイドの舌に絡めよう動かしてみるが、思うように動かない。
混ざり合う音が耳を犯す。
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