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第5話-2
「ねえ、僕だけにしよ?」
「は?」
「つれないこと言わないでよ。聖杯なんて探してもむだだよ。ね、ね、ね。僕と一緒に暮らそうよ~。何不自由なく部屋に閉じ込めてあげる」
口の端を上げ、感情がない笑みを向けられると恐怖心がふくらむ。
なんだ、一緒に暮らすって。しかも閉じこめるってこわすぎるだろ。
「……ふ、ふ、ふざけんなっ」
「ずっと僕だけをみてよ」
「いや……ぁ……、な、んだ……?」
どうしてか、ぜいぜいと息が切れ、両腕から力が抜ける。ランスロットは寝台から降りて、こちらを見下ろしている。
「そろそろかな?」
俺は逃げるように重たい身体を引きずるように寝台から出ようとして、倒れた。
「……これはね、痺れ薬なんだ。ぼくの言うことをきいてくれるやつ。さて、まずはお風呂にはいろう〜」
◇
そのまま横抱きにかかえられ、俺は浴室に連れていかれた。ぽいぽいと抵抗するひまもなく脱がされて押し込められる。
安い宿だけあって、ぎゅうぎゅうとせまい。ランスは石鹼を泡立てると、しびれた肢体を折り曲げて風呂にいれられた俺の背中をごしごしと洗いはじめた。
「ずっと一緒に洗いっこしたかったんだよね〜。あ。クロはね、感情なんて面にださない顔しているけど、だめだよ。聖杯がみつかると王都に戻って結婚するから。婚約者がいるんだから、おかしな気持ちを抱いても無駄だよ」
おかしなってどんなきもちだよ。
横からにゅっと顔をだして、唇にちゅっと口づけをされた。もうもうとした湯気のなか、艶然とほほ笑みを浮かべるが、こころから笑っているわけではないのは判る。
「……ッ」
「あれ、知らない?」
なにも、言葉がでない。
けっこん。こんやくしゃってなんだ……。
「クロはお坊ちゃまだからね。位は侯爵かな。あ、ちなみに僕は伯爵だよ」
そんなことを聞いたこともないし、話してくれたためしがない。きゅっと蛇口を回すと熱い湯ともくもくと湯気をだして流れる。
「…………ッ、……あつっ」
「あ、ごめんね~」
「……ッ」
ぎゅっと乳輪をつねられ、親指でへこみをぐりぐりと潰された。
「家柄のいいところの娘さんが許嫁なんだよ。すぐに結婚して所帯を持つんじゃないかな。そんで子どもなんてたくさんつくるんじゃないかな~」
「……ッ、ァ」
「だからさ、僕と一緒にすまない?」
「え……」
「ね、一緒になろうよ~」
「や、やだよ。…………あっ」
ふたつの谷間に指をくぐり込ませて、ゆっくりと撫でる。窪んだところにひと差し指がつるっと這入った。
「ちょっとここ、腫れぼったいね」
「……ぁぅ」
「なか、あつあつだよ〜」
やばい、そこはやめてくれ。
願うひまもなく、それはうねうねとうごいて、どんどんと奥にいく。
「同棲だよ? それにここにいたってさ、なにもないじゃん。楽しいことなんて、こういうことだけだし」
「いや、だ……ぅ」
身をくねって逃れようとしたが、ランスの力はそれを許さない。抵抗も逃げることも許さず、おさえつけて責めてくる。
「閉じ込めてさ、ずっと一緒にいたいんだ」
「……ッ、……なんだよ、それ」
「ソータ、僕だけをみてよ」
人差し指に中指が加わり、こねあげるようにして二本の指がうごく。尻の割れ目に指が根元まで差しこまれ、粘りついて締めつけてしまう。
「……や、やだ、よ」
「あ。だいぶひろがってきた。あなほりほりできそうだね」
「……ッ、……ぁ」
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