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アニマルセラピー⑦
蓮先輩に頭を撫でてもらったり頬っぺたをムニムニされたりしている間に、あっという間にお昼休憩が終わる時間になっちゃった。
蓮先輩の温もりだとかいい香りだとか硬い筋肉だとか自分に向けられる色んな表情だとかに心臓がバクバクといつもよりかなり早く打ち続けていた僕は、なんだか息切れしちゃってる。ペット枠、無事に遂行出来るんだろうか・・・。僕の心臓にはぜひ頑張ってもらいたい。
蓮先輩と一緒に屋上を出て、じゃあまた明日ココでなって頭を撫でてくれた蓮先輩に大きく頷くと、ハハって嬉しそうに笑ってくれた蓮先輩にほっぺがゆるゆるになる。
そんな僕に笑いながらヒラヒラと手を振ってくれた蓮先輩は、そのまま階段を降りていった。僕の教室は3階だからそのまま蓮先輩が見えなくなるまでジッと後ろ姿を見つめてから教室に戻ったんだ。
それにしてもなんて夢のような1時間・・・。明日からも一緒にお昼ご飯が食べられるなんてやばい。控えめに言ってもやばい。
お弁当、美味しいの作らなくっちゃ!今日はハンバーグだったし・・・明日は唐揚げにしようかな?蓮先輩何が好きなんだろう?明日聞いてみようかなぁ。
そんなふうに思考を飛ばしていた僕は、ニヤニヤしている匠となんともいえない表情をしている陸、ちょっと不機嫌そうな静に気付かず惚けながら自分の席に座り頬杖をつく。
無意識にはふぅ・・・、と息を吐き出し余韻に浸っていると、いつの間にか午後からの授業が始まっていて慌てて授業に意識を向けた。お勉強はちゃんとしないとだからね!
そんなふうに授業は集中して頑張ったけど、授業と授業の間はずっとボケっと惚けてしまっていた僕は、放課後匠にしっかりと捕まった。
「さて、ゆいさんや。今日は付き合ってもらいますよ?」
「へ?」
「昼休憩終わってから心ここに在らずでぜーんぜん話してくれないんだもんっ!田原先輩とのお昼デートどうだったか聞かせてよぉ〜!」
「あ!そうだよね、ごめんね。なんだか夢みたいで余韻に浸っちゃってた」
「ここじゃあれだからさ、カフェでも行こうよ。寄り道っ!」
「ん、わかった」
唇を尖らせる匠が可愛くて思わずヘラりと笑いながら頷くと、逃さないぞとばかりに手を取られてそのまま歩いていく。捕まえてなくても逃げないのにってちょっと苦笑しちゃった。
「あ〜!2人で帰ろうとしてない?俺らも一緒に帰る!」
「そうだよ、お昼もゆい居なかったし放課後まで別々なの?」
教室を出ようとしたところでちょっと拗ねたような陸と静に引き留められて、その様子に思わず匠と2人で顔を見合わせて笑っちゃった。
2人とも寂しがりやの子犬みたいな目してるんだもん。可愛いよね。
「どうする?2人には内緒にしたいんだよね?」
匠がコソッと耳元で心配そうにそう聞いてくれる。僕が心配かけちゃうから内緒にしたいって言ったの律儀に守ってくれてて、匠って本当にいい子だよなぁって何度も思っている事を再確認しちゃう。
でも明日からお昼別々にさせてって言わなきゃだったし、2人にも話した方が良いよね・・・?陸もだけど静は驚く程心配性だから蓮先輩の事本当は内緒にしときたいけど、でもやっぱり嘘は吐きたく無いし・・・。詳細は伏せて、でも心配かけないように伝えなきゃ。
「ありがとう匠。先輩ね、明日からも一緒にお昼食べようって誘ってくれたんだ。だからもう隠しとくのも厳しいかなって。心配かけないようにチョットだけ伝える事にする。だから今日はみんなで一緒に帰ろう?」
「え!?そうなの!?ちょ、詳しく!あ、でも2人に詳細内緒なら僕にだけコッソリ教えてよねっ?帰った後また電話ね!それならどれだけ話しても問題ないでしょ?」
「あははっ!うん、わかった!心臓が爆発しそうだった僕の話を是非とも聞いてくださいな?」
そんなふうにコソコソと2人で話しながら戯れていると、さっきまで拗ねていた2人が目尻を下げて僕らを見つめていた。
「俺の恋人と友達がクソ可愛いよぉ〜!」
「右に同じ」
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こんにちは、抹茶もちです。
しばらく更新が開いてしまって申し訳ありませんでしたm(__)m
GWでバタついた上そのまま体調を崩してしまいなかなか普段通りに執筆する事が難しく・・・。
今日からまた更新頑張っていきたいと思いますので宜しくお願いいたしますm(__)m
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