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凄く甘くて少しだけほろ苦い⑬

 みっくん先輩のお弁当は年上の女性のオトモダチさんから貰ったらしい。  今日はその人のお家から直接学校に来たからって。  お友達とお泊まり会ってさ、仲良し〜!青春〜!って感じでなんかちょっと憧れるよね。  そんなふうに言ったらみっくん先輩がキョトンとしてしまった。  あれ?僕何か変な事言ったかなぁ?って僕もキョトンってしてしまったんだけど。  みっくん先輩とキョトンとし合いながら顔を見合わせていると、蓮先輩が僕をヒョイっと持ち上げてそのまま蓮先輩のお膝の上に乗せられちゃった。  いつものデザート食べさせっこの体勢と同じだけど、さすがにみっくん先輩が居るから今日はしないよね?なんでお膝に乗っけられたんだろう?  まぁ僕は蓮先輩にくっつくの、ご褒美なので全く問題は無いんだけども。  蓮先輩のお膝に乗るともう条件反射みたいに蓮先輩の胸元に頭を預けちゃうんだけど、それをすると毎回良い子って頭を撫でてくれる蓮先輩。  嬉しくなった僕はさっきまでのみっくん先輩とのお話なんてスッポリ頭から抜け落ちて、えへへって頬っぺたをゆるゆるにしてしまう。  「純粋な結翔に変な事聞かせるなよな」  蓮先輩にぎゅって抱き込まれて、蓮先輩の香りと心音でいっぱいになった僕は、いつものごとく周りの声がさっぱり聞こえなくなってしまっていた。  「ゆいくんは本当に純粋培養なんだねぇ・・・!こないだちょっかい出そうとした時もさぁ、ピュア〜な瞳に下心とか浄化されちゃった気がするもん〜!ゆいくんと話してるとちょっと異文化交流してる気分になっちゃう〜!」  「あぁ!?お前結翔に何しようとしてたんだよマジでやめろ記憶を消せ。お前は浄化されてそのまま不純な心をさっぱり無くして修行僧にでもなっとけよ」  「う〜ん、辛辣ぅ!皆の蜜樹くんが修行僧になんかなっちゃったら悲しむ子がたぁくさん居るからぜぇ〜ったいにならなぁいっ!」  「チッ!」  「あぁ〜!蓮の舌打ち久しぶりに聞いた気がするぅ〜!ゆいくんのお陰で癒されてたから最近しなかったのかなぁ〜?あれぇ〜?じゃあ今は俺のせいで不機嫌蓮くんなのぉ?」  「自覚が有るなら大人しく結翔と2人っきりにさせろや」  「ん?やぁだ〜!いいじゃん今日は3人で仲良くしよぉよ〜!」  「・・・・・・チッ!」  「あ〜!また舌打ちしたぁ!いいじゃん〜!これから蓮に近付いてくる子は全員俺が掻っ攫っていってあげるからさぁ!もう蓮はいらないでしょ〜?」  「・・・・・・俺は元々は不要だったんだけど。まぁそういう事なら今日くらい許してやろう。これからそういう誘いの面倒事は全部お前が引き受けてくれるんだよな、サンキュー」  「・・・・・・なぁんか思ってたより色々押し付けられそうな気がするけどぉ。でもこれでも俺、蓮に大事な人が出来て・・・それがゆいくんみたいなタイプで良かったなぁって思ってるんだよぉ。俺は皆の蜜樹くんだから恋人とかは必要ないけどぉ、蓮が幸せになるのは俺もうれしーの!」  「・・・俺はお前にも皆のじゃなくて相手だけのものになっても良いって思えるような、そんな大事な人が見つかれば良いなって思うよ。まぁ無理に作るもんじゃねぇし、今お前がそれで良いなら俺はお前のしたいようにすれば良いと思ってるけど」  「蓮きゅん・・・っ!」  「あ、でもお前いつか後ろから刺されそうだよな。背後に気を付けて生きていけよ」  「・・・怖い事言わないでよぉ〜!」  蓮先輩はみっくん先輩とお話ししてる最中もずっと僕を抱き込んだまま頭を撫で続けてくれていて。  この間みたいに僕の意識はトロトロに微睡んでいた。  お腹がいっぱいになった後にこんなふうに甘やかされると眠たくなっちゃうよねぇ・・・。  

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