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え、嫌ですけども②

 1番初めの競技は僕が出たかった玉入れ。  じゃんけんに勝ち抜いたラッキーボーイ達に羨ましさ全開の視線を投げかけつつも、配られていたプログラムを確認していたんだけど。  うーん・・・、やっぱりおかしい。  蓮先輩、リレーと障害物競走と借り人競争に出るって言ってたのに、その3つの競技は全部お昼からの種目。  さっきは突然の蓮先輩に舞い上がって全然頭働いてなかったから普通に送り出しちゃったけど・・・リレーは静と陸、障害物競争は匠、借り人競争は僕と被っている筈なのにおかしいなって思ってもう1度確認しようってプログラムを見たらやっぱり違ってた。  蓮先輩、出る競技変わっちゃったのかなぁ?  「ゆい?プログラム凝視してどうしたの?」  「ん?んー、蓮先輩が出るって言ってた競技全部午後からなのに集合しなきゃって言ってたから変更があったのかなぁって。応援したいんだけど次なのかその次なのか分からなくて」  「そうなの?何に出るって聞いてたんだっけ?」  「リレーと障害物競走と借り人競争だよ」  「え、田原先輩3競技も出る予定だったんだ。ゆいの事以外には無気力そうなのに意外過ぎる・・・!」  「へ?蓮先輩、頑張り屋さんだよ?」  「・・・うん、そっか。でもそれだったらやっぱり全部午後だねぇ。次が騎馬戦でその次が棒倒し?うわ、どっちも肉弾戦じゃん!」  「そーなの!どっちにせよ怪我しちゃわないか心配。でも蓮先輩細マッチョだからどっちに出ても強そうだよね!んー・・・。本当さっきの自分にちゃんと聞いときなさいってお説教したい気持ち!」  んむむむって蓮先輩のぶかぶかジャージに顔を埋めて後悔していると、後ろから何かブツブツ呟く声が聞こえてきて。  「・・・制服着たままじゃそんなに筋肉ありそうに見えないのに何で知ってんだよぉ。俺だって触られたいっていうかむしろ触りた・・・っ!」  聞き取れなかったから顔を上げて後ろを向いたんだけど。  何故か匠が静のオデコをプログラムを丸めたやつでスパンと叩いていた。  「・・・え!?何で!?」  「ちょっとね、虫がいたから退治しといた。大丈夫だよ〜ゆい〜!」  虫・・・、虫かぁ!  なるほど、オデコに虫は嫌だね。  僕だったら絶対にすぐに石鹸で洗いたくなっちゃうや。  「そっかぁ、匠すごいねぇ!静も退治してもらえてよかったね!でもオデコに虫がくっついちゃってたなら洗った方が良いんじゃない?物理的にも気持ち的にも」  「虫・・・虫ね・・・うん、洗ってこようかな・・・!」  すっごく遠い目をした静がフラリと立ち上がって水道の方へ歩いて行ったんだけど、なんだかフラフラしてて。  大丈夫かな〜?って心配してたら陸が僕と匠の頭をポンポンって撫でてくれた。  「静には俺が着いて行くから大丈夫だよ。2人は田原先輩探ししなきゃ。応援するんでしょう?」  「へ?いいの?」  「面倒じゃない?」  「全然!大丈夫だよ。行ってくるね!」  そう言って爽やかに笑って静の方へ走って行ってくれた。  「全く面倒くさがらない僕の彼氏最高に優しい〜!」  へにゃって笑った匠がすっごく可愛くて、思わず僕までへにゃへにゃになっちゃった。  2人が仲良しで僕は嬉しいですっ!  

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