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ほろ酔いサイダー5
「寝言は寝て言えよ」
「寝言じゃねーよ。航、お前も飲んでみるか?」
「遠慮しとく。あんまりジュースっぽいのは好みじゃないからな」
「じゃあ俺に一口ちょうだい」
横から入ってきた宏介が手を伸ばして言ってきた。女子に人気のある笑みでそう言われ、思わず俺は一瞬見惚れていた。
いや、同じ男に対して何をしている俺は。
頭の中の雑念を振り払い、飲みかけの瓶を彼に渡す。
変わらない表情で受け取ると、ぐいっと煽ってその中身を飲んでいる。そんな姿も様になっているから正直羨ましく思える。
「うん、同じように美味い」
「そんな場所によって味の違いなんてあるか?」
「あるよ。だいたいは品質管理の正確さにもよるかな。安い居酒屋と少し高めのレストランだと、同じものでも味が違うってことない?」
「うーん、分かんねぇ」
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