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プライステイスト21

「ははははは!! お前が、俺の前でかっこつけるだって!? はははははは、十年早えよ!!」 「んなっ!? 確かに、俺とコウはちょっと年離れてるけどさ……。そこまで笑うことないじゃん」 「ワインの味も知らねーで、よくもまぁ言えたこった」 「っ……」 「でもな!」  今にも泣きそうになっていたタクトの言葉を遮り、タンドリーフィッシュを一口食べてから言葉を続けるコウ。 「でもな、こんなに酒に合う料理を作れるお前は相当なもんだぞ。俺は味わうことしかできねーけど、お前は違う」 「コウ……」 「たまに俺の舌には合わねーけどな」 「もう! なんでそんな……むぐっ」  口を開いたところで、タクトの口に食べようとしていたタンドリーフィッシュをぐいと入れる。与えられたものに反射的に口を閉じ、無言で噛み砕いていく。  驚いた表情のまま飲み込むと、自らの料理の味に感動していた。

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