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第四章・4

 巴は自分の住むマンションに戻ると、浴びるように酒を飲んでいた。 「祝杯だ!」  蓮が、私を受け入れてくれたこと。 『巴さん』と呼んでくれたこと。  その手で、握手してくれたこと。  ああ、世界全てが、輝いているかのようだ!  そして、デスクからフォトフレームに大切に収められた写真を持ってきた。  先だっての、山でのロケでバーベキューをやった時の写真だ。  気を利かせて、五木が撮ってくれた一枚。 「こうして二人並んでいると……」  恋人同士じゃないか!  悶絶する代わりに、巴はグラスを傾けた。  素面ではいられない、強烈な悦びに酔っていた。  私用のノートパソコンには、その五木からもらった蓮の画像がわんさか入っている。 「可愛い私の推し。……私の、蓮」  しかし!  解っている。  彼を推しているのは、私一人ではないことも。

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