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第1話
異常だなと俺は一人、客観的に見て苦笑した。
酒が入っていなければ、いや酒が入っている今でもやはりおかしなことになったと思う。
元凶である同僚の谷川はいつもより酔いが回って泥酔した状態で男2人に挟まれていた。
一人は谷川の幼なじみの岡崎という男で俺とは今日が初対面だ。
岡崎は他の男が嫉妬するのがいっそ無駄なほど整った顔を熱に火照らせて、全裸になった谷川の背後からその腰を掴み必死に打ち付けている。
盛りのついた猿のように腰を振るたびに谷川がただの音でしかない声を漏らすがまだ意識はなさそうだ。
その谷川はかぶさるように組み敷いた他の男の尻にちんこを飲み込まれている。
深酒でほとんど反応のなかった谷川の性器をものの数分でがちがちに勃起させたのは俺の大学時代の後輩である菱田だ。
サークルやプライベートでよく連んでいて社会人になった今でも連絡を取り合う仲の菱田にこんな特技があるとはつい数分前まで知らなかった。
そもそも菱田が男もいけることすら知らなかった。
「いや、それこっちの台詞だし」
俺の独り言を拾って普段から掠れ気味な声で非難してくる。
菱田は黙っていると怖がられるきつい目つきでこちらを睨んだ。
「おまえ学生のときに彼女いただろ」
「彼女も、いた。先輩こそ男いけるんだ。どっち?」
意識のない谷川が積極的に動いてくれるはずもなく、尻にちんこを挿れただけでそれ以上も以下もない菱田は暇そうに軽口を叩く。
数週間前に決まった今日の合コンは俺と高校のときの同級生の女の子が主催で、それなりに盛り上がったと思う。
彼女が欲しいとうるさかった谷川を誘い、一人連れて来いと指示して現れたのが岡崎だ。
4対4の約束だったので俺の方でも他に二人ほど声を掛けた後、唯一都合のついた菱田が参加することになった。
場は盛り上がったが幹事という立場上あまり酒に酔うこともできず、一人二次会とばかりに離れて酒を煽る。
つまみの代わりに目の前で男三人が入り乱れているのだから、同性同士に抵抗のある人間なら酒どころではないだろう。
どちら、なんて主語が何であれ面白い答えにはならない。
どちらでもあり、どちらでもない。何でもいい、どうでもいい、今飲んでいる酒が旨ければ十分、ただそれだけ。
別に教えることでもないと返事をしないでいると菱田は追求することもなく視線を戻した。
「お、谷川サン、起きた?」
「……え、あ」
目を覚ました谷川が定まらない視点できょろきょろとあたりを見回す。
谷川は酒に弱いくせに飲みたがりで、今日に限らず今まで仕事の飲み会などで何度も介抱させられてきた。
許容量をわかっていない学生の飲み方がまだ抜けないようで、このぐらいの痛い目を見るのは良い機会かもしれない。
「なん、なに、これ」
「……亮」
「え、のぶ、どこ」
「ずっといるじゃん、谷川サンのケツの中に」
岡崎が打ち付けていた腰を止め、谷川が覚醒するのをじっと待つ。
何が起こっているのかわからないといった様子で谷川が菱田を見つめている。この顔が誰なのかを思い出そうとしているのだろう。
「えー……っと、あ、ひしだ、だっけ」
「亮、もう動いていい……?」
「は」
今度こそ声のする方を振り向いた谷川が岡崎と視線を合わせて目を大きく見開いた。
その瞬間に岡崎が苦しそうに眉を寄せ息を止める。
「や、ばっ」
「ひぁ、あっ、や」
岡崎が体を震わせて谷川のからだを抱きすくめる。
聞こえは良いが、抜けてしまわないようにするただの男の本能だと思うと谷川が少し可哀相だ。
驚いた拍子に締め付けた谷川の尻の中、ぐっと奥に挿入したまま岡崎が射精する。
顔の良いやつはちんこも立派で、あれが初めての体験なら谷川はもう挿入する側には戻れないなと思っていたが、それを菱田が留まらせた。
「ん、いーじゃん谷川サン、でかくなった」
谷川の唇をぺろりと舐めて、菱田が腰を浮かせる。
中出しされて勃起した可哀相な谷川のちんこを菱田の尻穴が根元まで飲み込み、ずるりとぎりぎりまで引き抜かれる。
「あ、あ、や、なに、なんだよこれぇ」
「がっちがち。彼氏の種付け気持よかった?」
最後まで出し切った岡崎はそれでも抜かず谷川の尻でゆるゆるとまた固さを取り戻している。もう一回やる気だ。
岡崎も男は初めてのはずだったが、余程具合が良いのだろう。すっかり谷川の好きなところを覚えてそこにちんこを押しつける。
後ろは岡崎に塞がれ前は菱田に咥えられて、気持ちよさでネジの飛んでいる谷川はぼろぼろと涙を流しながらされるがままだ。
「かれし、じゃ、ないぃ」
「ハァ?付き合ってんじゃないの」
「……付き合って、ないです」
「うそ!?」
尋ねた菱田以上に俺の方が驚いてしまう。
というのも岡崎とは初対面だったが谷川から耳が腐るほど岡崎の話を聞いていて初めて会ったという気はしなかった。
てっきり彼女が欲しいというのはカモフラージュで岡崎という男が恋人なんだなとずっと思っていた。
「じゃあセフレ?」
「そ、そんなわけないだろ!こんな、こんなこと、今までない」
「普通に幼なじみです」
一度出して落ち着いたらしい岡崎が平然と答え、谷川が何度も頷く。
菱田も思っていたことは同じらしく驚きに動きを止め、えぇと動揺の声を漏らした。
そもそもこの状況になったのが谷川のせいであり岡崎のせいだった。
女の子たちには悪いが泥酔してとてもじゃないが電車やタクシーに乗せられない谷川ごと男ども全員を酔いが醒めるまでと俺の家へ招いただけだったのに、谷川が岡崎を誘ったのだ。
最初は抱いて運べだの水を飲ませろだの可愛いものだった谷川のわがままが段々と苦しいから服を脱がせろだの風呂に入れろだのトイレへ連れて行けだのエスカレートしていった。
さすがに風呂は危ないと止めたが谷川に逆らわない岡崎がいっしょにシャワーぐらいならと谷川を全裸にさせたあたりで菱田が悪ノリし始めた。
俺も少しは酔っていて判断力が下がり止めなかったのだから同罪だが、綺麗にするならシャワーよりこっちがおすすめと谷川のちんこを菱田が舐めたことで岡崎の箍が外れた。
それを恋人に手を出された嫉妬によるものだと思っていたので、俺にとってはむしろ面白い鑑賞物という感覚だったわけだ。
「んっ、ん、おまえら、うごけよ……っ」
岡崎も菱田も動かず繋がっているだけのもどかしさに谷川が痺れを切らして泣きながら懇願する。
ふと見ればさっきまで楽しそうだった菱田は怪訝な表情で、丸出しのちんこはすっかりくたびれている。
「えー、冷めちゃった。俺、人のもんにしか興味ない」
クズの発言に俺は飲んでいたビールの缶を落としかけた。
まあ世の中にはそういう性癖の人間もいるが当然のように宣言するものではない。
それに今の今まで楽しんでいたくせに谷川が岡崎のものではないとわかった途端にこうもきっぱり興味をなくすものなのか。
冷めたから終わりと谷川の下を抜け出そうとした菱田の腕を谷川が無理やり掴み、シーツへ押しつけた。
「やだ、だめ」
「……は?」
菱田に睨まれても、焦らされた谷川はもう気持よくなることしか頭にないらしくひとつも引かずにゆるゆると腰を動かす。
その拙い動きに違和感がある、もしかすると谷川はこういう行為自体が初めてなのかもしれない。
だとすると菱田の負けだ。
「んっ、ん、うまく、できなっ」
「亮、落ち着いて」
「のぶ……」
「こうするんだよ」
すっかり臨戦態勢に戻った岡崎が谷川の最奥へと一気に突き入れる。
同時に繋がっていた菱田の奥へも谷川が押し込むことになり、余裕そうだった菱田の表情が一気に崩れる。
「う、あっ」
「ひぁ、あ、あっ、ん」
「こうやって、気持よくなる」
「ん、うん、んっ」
岡崎の動きを真似て菱田へと打ち付ける谷川の目がとろんと蕩けて菱田を捉えた。
面白くなってきた。缶ビールを持ち直し喉を湿らせる。
岡崎の実践手ほどきを受けたところで童貞が突然テクニシャンになるわけもなく、押さえつけられたまま無茶苦茶に奥を突かれ菱田が苦しそうに呻いた。
そんなことには全く関せず谷川が必死で腰を振り、岡崎が頭を撫でて褒めれば谷川はさらに動きを激しくした。
「いっ、やめ、くそが……ッ」
「きもちい、ん、はぁっ」
岡崎が動くことをやめじっとしていると、谷川は自分が動けば前も後ろも気持よくなることに気づいて一つ覚えのようにへこへこと抽挿を繰り返す。
愛されも思いやられることもなく穴のついた道具のように扱われる後輩が可哀相で不憫で、少しだけ可愛い。
「んっ、ん、きもち、いく、いく」
「やめ、はなせっ」
「いくっ、はぁ、あ、ん……」
さほど体格に差のない菱田を上からがっちりと拘束したまま谷川が背を丸めて体を震わせる。
岡崎も同時に果てたようで、谷川のお腹を擦りながら息を短く吐いた。
一人だけ達せなかった菱田が怒りのこもったため息を吐き、もういいだろと谷川の手を払った。
「……まって」
「何だよ、まだ……」
「おしっこ、でる」
谷川以外の全員が聞き間違いかと思い静まり返った。
岡崎が谷川の尻からちんこを抜くと、挿れられっぱなしで閉じきらない孔がぱくぱくと口を開き白濁が零れ落ちる。
中からどろりとした液体が出てくるのにも感じているのが谷川が喉の奥で喘いで菱田にかぶさった。
ホールドされたままじたばたともがく菱田の肩に顔を埋めて、谷川はまだ酔っているような声でもう一度「出る」と言った。
「う、あ、あぁ、うそ、あ……」
「はぁ……」
胎内に放尿され、逃げることを諦めたのか菱田の体から力が抜ける。
谷川はそれこそ射精のとき以上に気持ちよさそうに目を瞑り、菱田の胎内へじょぼじょぼと放尿をした。
きれいに全部入れられずごぽっと孔の縁から溢れた黄色い液体がシーツを汚した。
俺はといえば自分のシーツが尿で汚されることよりも、後輩の尻穴が尿で汚されていることの方から目を離せない。
最後まで出し切った谷川は小さく息を吐いて、ゆっくりと菱田からちんこを抜く。
栓をなくした菱田の尻穴からは精液と小便が混じって流れ出てきた。
「さい、あく……っ」
「気持ちよかったー」
すっきりとした表情の谷川を下から蹴り上げて、やっと抜け出した菱田が風呂場へ入って行った。
尻に入れられたものを自分で出すのだろう。ちょっと見てみたい。いやめちゃくちゃ見たい。
立ち上がったところで部屋のインターホンが鳴った。
少し考えて、そういえば職場の先輩を呼び出したことを思い出した。
こんなことになるとは思わず、男ばかりでだらだらと家飲みでもしようと思っていた数時間前の話だ。
部屋の惨状は人目に晒せるものではないが、こちらが呼び出した上司を帰らせるわけにはいかない。
それに彼なら、大丈夫かも。
「はーい鹿島さん、入ってください」
ロビーを解錠し、玄関の扉も開けておく。
まさか俺が人を招き入れるとは思っていなかったのか岡崎と谷川は床に寝転んでお互いのものを口に咥えている。
いわゆるシックスナインの体勢で、お掃除フェラってやつだ。恋人相手でもないのによくやる。
駅前の焼き鳥屋の袋を片手にやって来た鹿島さんが靴を脱いでいるとその後ろからひょこっともう一人顔を出した。
「由利 さん!」
「おまえが会いたがるかと思って連れて来てやったぞ」
「久しぶり、坂井くん」
由利さんは鹿島さんの恋人で、男ながら綺麗な顔立ちと細身のスタイル、そして優しく笑いかけてくれるところが俺の好みのタイプど真ん中の人だ。
今も由利さんが現れただけでこの精液と小便くさい部屋に大輪の花が咲いたような甘い香りが満ちている。
何度か鹿島さんに会わせてもらったときに隠すこともなく由利さんへのラブコールを送り続けていたら由利さんは俺のことも覚えてくれた。
とにかくただただ理想の相手で、別に鹿島さんから奪おうとかどうにかなりたいとか思っているわけではないので鹿島さんもこうしてたまに会わせてくれる。
焼き鳥よりこっちの方がご褒美だ。
どうぞと由利さんにだけスリッパを出して中へ案内する。
すると、すでに部屋へ入っていた鹿島さんが入口で仁王立ちしてこちらを振り向いた。
しまった、由利さんに夢中で説明するのを忘れていた。
「ここはラブホか?」
「いやー、なんかみんな酔っちゃって」
「そんで乱交パーティーって」
「あー、かひあさんあ」
こちらに気づいた谷川が岡崎のものを咥えたままへにゃりと笑って声をかける。まだ酔ってるな、こいつ。
ちんこから離した手をひらひらと振り、鹿島さんも片手を上げた。
谷川がちんこを口から出して、それでも舌の先でちろちろと舐めながらなんで?と尋ねてくる。
なんでっておまえらがこんなことを始めなければいっしょに焼き鳥食ってビール飲むためだよ。
鹿島さんは由利さんに二人を見せないように立ち塞がったまましばらく二人の様子と、風呂場でシャワーの音が途切れないことで何かを考えていたようだ。
もう由利さんを連れて帰ってしまうだろうなと俺は由利さんを見納めるためにじっと見つめ今日も綺麗ですねと鼻の下を伸ばした。
「しの」
「何?」
由利さんの愛称を呼んで振り返った鹿島さんが由利さんの顎をつかみ薄くて綺麗な唇にキスをした。
何度か啄み、開いた隙間から口内に舌を差し込む。
小さな口の中を鹿島さんの舌が這い回り、由利さんの息が上がる。
俺がいることなんてお構いなしに由利さんは鹿島さんの首へ腕を回して抱きついた。
ぴちゃぴちゃと舌が唾液を混ぜ、由利さんの喉がそれを飲み干すようにこくんと鳴った。
二人が離れた頃には由利さんは息を荒くし、頬は紅潮している。
そんな由利さんの表情をただ横から見ているだけなのに俺のちんこはすでにがちがちになっていた。
「俺らもやる」
「へっ」
素っ頓狂な声は俺から出ていた。
てっきり呆れて帰ってしまうだろうと思っていたし、週明けに詫びなきゃなというところまで考えていたのに。
驚いたのは俺だけで、頬を撫でられた由利さんはいいよと即答した。
鹿島さんが由利さんの腰を抱き部屋の中へ入っていく。
相変わらず床でお互いのちんこを舐めている谷川と岡崎の横を通り、ベッドの縁へ由利さんを座らせた。
「ぐっちゃぐちゃだな、ご愁傷様」
精液だけではない汚れに鹿島さんは心底おかしそうに笑った。この人の論理観が心配だ。
鹿島さんがTシャツを脱ぎ、由利さんのシャツのボタンに手をかけようとしたところでふとこちらを見た。
「坂井、脱がせてやれよ」
「……え」
「見たいだろ、しのの体」
それはもう見たいとんでもなく見たい。何度も大きく頷くと鹿島さんが手招きした。
壊れた人形のように近付き、由利さんの前に跪く。
見上げた由利さんが俺に向かって微笑んでそっと手をとった。
「坂井くん、脱がせて」
手を胸元へ引き寄せられる。
指先が震えてうまくボタンが外せない俺を由利さんは笑うこともなく、重ねた手を撫でてくれる。
「ゆっくり、そう、上手」
しわのないシャツのボタンを上から一つずつ外すとだんだんとその白い肌が露わになる。
鹿島さんに誘われて一緒に海に行ったときも由利さんはパーカーを羽織っていて、これより下は見たことがない。
理想の人の体を俺が晒そうとしているのだと考えると散々アルコールで潤したはずの喉の奥がひりひりと乾いた。
ボタンを全て外し、なんとか浅く呼吸をしてシャツのあわせを左右に開く。
「……綺麗です」
「ふふ、ありがとう。嬉しいな」
何度も頭の中で、夢の中だけで見ていた由利さんの体は俺の想像を超えてまるで美術品のひとつであるように美しい。
「坂井、下も」
さっきまで俺がビールを飲んでいた場所を陣取って持って来た焼き鳥を頬ばりながら鹿島さんが指示する。
そうだと思っていたけれど本当に俺がそこまでしていいのだろうか。
そっと見上げると由利さんはにこりと笑った。
「もう見たくない?」
「みみみみたみたいです」
スラックスのウエストに指を差し込み伸ばしながら尋ねた由利さんに俺は必死でお願いしますと強請る。
立ち上がった由利さんがどうぞと頭を撫でた。
正座をして由利さんのスラックスのフックを外す。
ゆっくりファスナーを下ろすと、スラックスはすとんと足首まで落ちた。
目の前に下着一枚の由利さんの下半身が現れていよいよ心臓の音がうるさい。
童貞と処女を捨てたときでもこんなに緊張したことはなかった。
そんな俺を眺めながら鹿島さんが笑っている気配がするがそんなことは今どうでもいい、この光景に比べれば。
パンツのゴムに指をかけてしばらく深呼吸をした後、引っぱりながら少しずつ下へずらした。
薄くてほとんど生えていない陰毛、その先に、ゆるく固さを持った由利さんの性器が現れる。
これがちんこなのかと疑うほど他の誰のものとも違ってピンク色をして可愛いそれが俺の目に触れぴくぴくと震える。
「恥ずかしいな。坂井くんに見られて、興奮しちゃった」
「あ、あの、すみません、俺」
見ているだけで反応しているここに触れたらどんな表情をしてくれるのだろう。
まるで一度も使ったことのないようなそれに手を伸ばそうとした時、とんと肩を押された由利さんがベッドへ座り込んだ。
「はい、そこまで」
存分に焼き鳥とビールを楽しんだらしい鹿島さんが俺の前を横切りベッドに上がって由利さんの後ろに回り込む。
空を切った手を由利さんに握られて俺はやっと冷静さを取り戻した。
「すみません俺、そういうつもりは」
「坂井にだけは触らせんなって言ったろ、しの」
冷静になった頭にこれはかなりショックだった。
もちろん恋人の体を、特にちんこなんて他の男に触られるのは許せないだろうが、鹿島さんの俺だけはダメという言葉に頭を殴られる。
新入社員の頃から直属の上司で可愛がってもらっていたという自信がある。
同じチームで大きな仕事を成功させたり、俺がミスしたときは怒ってくれたしうまくいったときは褒めてくれた。
二人で酒を飲みに行ったことも何度もある。今日のように気軽に互いの家へ招いて一晩中くだらない話をしたことも。
鹿島さんと同伴の由利さんに会わせてくれるのも嫌がる素振りはなく、俺も二人の間に割って入ろうなんて気はまったくない。
今だって鹿島さんに言われなければこんなことを由利さんにするなんて思いもしなかった。
それなのに俺のことだけは許してくれない、他の人ならいいというのだ。
ショックで俯いていると、由利さんが握った手を引き手のひらに唇を押し当てた。
「ひろ、言い方がダメ」
「事実だし」
「坂井くん、顔、上げて」
由利さんに拒絶されるより鹿島さんに信用されていないことの方がつらく、目頭が熱くなってうまく顔を上げられない。
すると由利さんは無理に覗き込むこともなく、俺の手のひらに舌を這わせた。
指の間をぬるりとした由利さんの舌がなぞる。
こんなときでも、ぞくりと熱が走りズボンの中でちんこが勃起する。
「あのね、ひろは坂井くんのことをすごく気に入ってる」
「……でも、俺」
「ぼくが坂井くんを好きになったら困るから、坂井くんとはしちゃだめなんだって」
頭の中が疑問符でいっぱいになり、泣きそうになっていたことなんて忘れてがばっと顔を上げた。
いつもと同じく柔らかく笑いかけてくれる由利さんの後ろで鹿島さんがそうそうと頷いた。
さっきまでのずしりと重い気持ちが簡単に軽くなっていく。
由利さんの気が移ると思うぐらいに俺のことを認めてくれている。
嬉しい、思わず口元が緩んだ。
「俺、由利さんのこと大好きだけど鹿島さんのことも大好きかも」
「えー、ぼくだけにしときなよ」
拗ねたようなふりをして、由利さんが足首に引っかかっていたパンツをするりと抜いてこちらへ投げて寄越した。
さっきまで由利さんが穿いていたパンツは温かく、一箇所だけ色が変わっている。
「言ったでしょ、坂井くんに見られて興奮しちゃったって」
俺が濡れたパンツを凝視していることに気づいた由利さんが珍しく少し恥ずかしそうに指先で俺の膝を小突いた。
鹿島さんはベッドを軋ませて惜しげもなくでかいちんこを取り出すと、何度か自分で扱いてさらにでかくした後、由利さんの腰を持ち上げる。
「大好きなしののパンツと大好きな二人のセックス、おかずにするぐらいなら許してやるよ」
鹿島さんはからかうようににやりと笑ったけれど、俺にとってはご褒美でしかなく許可が下りた途端にパンツを鼻先に当てた。
由利さんが呆れたような、まだ恥ずかしさが残っているような表情を向けてくるのも堪らない。
鹿島さんは持ち上げた由利さんの下に座り、後孔にそそりたったそれを宛がった。
「あ、鹿島さん、ローションならそっちに……」
ベッド脇のサイドデスクを指さすと、鹿島さんは由利さんの耳をべろりと舐めて笑った。
「大丈夫」
「ん、あぁっ、あッ」
手の力を抜き由利さんの体が落ちる。
たぶんここにいる誰よりもでかい鹿島さんのちんこはすんなりと由利さんの中に飲み込まれていった。
呆然として見上げた由利さんは恍惚として、開いたままの口の隙間から唾液が流れる。
「さっきまでヤってたから、しのん中とろとろ」
由利さんが足を大きく開いて、結合部が丸見えになる。
二人の陰嚢が重なって、ちんこは根元までぎっちりとくわえ込まれていた。
憧れの由利さんのちんこや尻穴よりもその尻穴に鹿島さんのちんこが挿っているということに興奮しているのだから、二人のことが大好きというのも強ち間違いではないかもしれない。
結合部からは先のセックスで仕込んだであろうローションと鹿島さんの精液らしき白濁が混ざったものがぐちゅりと漏れ鹿島さんの太ももを伝った。
散々ヤって、恋人の精液を尻に入れたまま訪ねてきたのだ、由利さんは。
俺たちが始めていなくてもこの二人の来訪で同じことになっていたかもしれない。
渡された由利さんのパンツを鼻先にあてすうと深く息を吸う。
普段は感じることのない由利さんの体臭に混じっていやらしい匂いがしているような気がする。
俺は自分のハーフパンツを下着ごと一気に下へずらしてちんこを取り出した。
由利さんのえろい体のおかげですっかり完全状態だ。
由利さんのパンツの匂いを嗅ぎながらじっと二人のセックスを見つめ、自分のものを扱いた。
鹿島さんはしっかりした体躯で由利さんの体を支え、子どもにおしっこをさせるときのように由利さんの足を開いて抱える。
下から突き上げれば、ちんこが出ては入り、出ては入り、そのたびに由利さんの甘い声と、尻と太もものぶつかる音が響いた。
「あっ、あ、あ、や、んッ」
「さっきより、気持ちよさそうだなぁ、しの」
「んっ、ん、きもち、きもちい、みてもらうの、あっ」
「だってよ、坂井」
「み、みてます、由利さん、全部。えろいです、っは、あ」
「や、あぁっ、ん……ッ」
ぶちゅぶちゅと結合部からいやらしい音と粘液を垂れ流しながら、いつもの落ち着いた表情からはかけ離れたいやらしい顔を見せる由利さん。
由利さんは尻に挿入されているだけで触られもしないちんこを勃起させて、薄くなった精液を鹿島さんの律動のたびにまき散らした。
繋がっているところをもっとよく見たくて近寄ると、頬に由利さんの精液が飛んでくる。
指にとって舐めてみる。由利さんみたいに綺麗な人もちんこから精液が出るのか。
「や、やだ、さかいくん」
「由利さん……」
二人を見ながらオナるのは最高に気持ちが良くて、鹿島さんが腰を突き上げるのに合わせてちんこをずりずりとしこる。
もうすぐイけそうだというところで突然背中に重いものがのしかかった。
「せーんぱい。可愛い後輩の心配よりリアルAVですか?」
「……菱田」
すっかり忘れていた。
シャワーを浴びて体内に入れられた谷川の精液と尿を洗い流してきたらしくさっぱりとした菱田が俺に乗りかかって拗ねた声を出す。
俺はそれどころではなく、あと少しでイけそうだったのにと後ろを睨んだ。
「由利さんと菱田ならどう考えても由利さん一択」
「あー、この人が噂の由利さんか」
菱田が由利さんを見上げる。
もうずっと達している状態の由利さんは鹿島さんに指示されたのか自分で腰を上げては下ろし、こちらへ見せつけるように鹿島さんのちんこを堪能している。
髪は乱れ、汗で額に張り付いている。それでも由利さんは綺麗だ。
一瞬でも見逃すものかと菱田のことを無視してちんこを弄っていると無防備だった尻に何かが触れた。
「良いケツ見つけちゃった」
語尾にハートマークをつけて、菱田の指が尻の中に入ってくる。
鹿島さんに渡そうとしたローションを使っているらしくぬるぬるとした指は一気に侵入した。
「あ、おいっ、菱田!」
「由利さんのことだーい好きな先輩のお尻、気持ちよさそう」
俺は思い出してしまった、菱田の「人のものにしか興味がない」発言を。
入れられた指は二本、三本と増やされ、広げるように中を蹂躙した。
最近はタチが多くご無沙汰だった穴が喜んで受け入れる状態に変わっていく。
気がつけば俺は鹿島さんの動きではなく菱田の指に合わせてちんこを扱いていた。
「あ、あっ、や、ひし、あッ」
「ほら先輩、ちゃんと由利さんを見ないと」
ぐいと顎を持ち上げられ無理やり視界に鹿島さんと由利さんが戻る。
由利さんは鹿島さんの指にぎゅっと乳首を摘ままれ、引っぱるたびに悲鳴に近い嬌声を上げた。
俺が脱がせたときには小さく存在感のなかった乳首がぷくりと膨れて赤くなっている。
美味しそうで、ごくりと喉が鳴った。
「パンツの匂い嗅ぎながらオナってたとか、先輩って変態だったんだ」
手に持ったままだったパンツを菱田に取り上げられる。
広げた由利さんのパンツは先走りだけではなく俺の唾液で染みが広がっていた。
それを目の前にぶら下げられて、俺は犬のように息を荒くした。
「返してほしい?」
こくりと頷く。菱田が俺の腰に腕を回して引き、四つん這いの体勢にさせた。
素直に従うとぶら下げたパンツを振りながら菱田が笑った。
「俺のちんこをあんたの尻に挿れても良いなら、返してやるよ」
尻から指が全部抜かれて、ぽかり空いた入口に空気が触れる。
パンツを人質にされていなくても答えは決まっていたが、後ろでにやにやと笑う菱田の顔が想像できて中が疼くのを感じた。
「いい、いいから、由利さんのパンツ、返せ……っ」
「何がいいんだよ?」
「……俺のけつに、菱田のちんこ、挿れて、いいから、おねがい」
舌を出してパンツに首を伸ばす、届きそうなところで菱田が手を引いて人参はなくなってしまった。
その瞬間にどちゅッと奥まで一気に貫かれる。
目の前がスパークして、意識を飛ばしてしまいそうだった。
なんとかギリギリのところで耐えて床に肘を突くと、菱田に腕を掴まれ無理やり上半身を起こされた。
「酷い先輩のアヘ顔、憧れの人に見てもらいましょうよ」
由利さんと目が合う。その後ろにいる鹿島先輩とも。
後輩に犯されている姿を二人に見られている。
全身にぞわりとした熱がこもって、俺は尻に菱田のちんこを咥えたまま甘イキした。
菱田がゆっくりと中をちんこで擦る。
指では届かなかった奥を太いかりで抉られ、あまりの気持ちよさに目尻から涙が流れた。
「ん、あっ、あっ、やら、や、んッ」
「んっ、さかいくん、かわいい……」
由利さんが俺の頭を撫でる。俺は縋り付くようにベッドへ手を伸ばして、それでも由利さんに触れることはできなかった。
鹿島さんが由利さんの腹のあたりに手をあて、俺を見た。
ちんこをぎりぎりまで抜き、由利さんと同じように俺の名前を呼んで、一気に中まで突き入れた。
「あ、んァあ……ッ」
由利さんが俺の目を見ながら、ちんこから精液を飛ばした。
ほとんど残っていない精液は薄く、それでもどろりとして俺の顔面に飛び散った。
顔中が由利さんの精液にまみれて目の前には射精した余韻で体を痙攣させる由利さん。最高だ。
鹿島さんがずるりとちんこを抜いた。さすがにサイズは少しだけおさまっている。
「坂井が酷い先輩って?」
菱田が依然ゆっくりとした動きで尻の中を弄びながら鹿島さんの質問に答えた。
「可愛い後輩の俺がケツにザーメンと小便を入れられたってのに、心配もせずにあんたらのセックス見てオナってるんだから、十分酷い先輩だろ」
最初から最後まで事実なだけに何も反論できない。
一応心配はしていた、興味半分であったが様子を見に行こうとしたところで二人がやってきて今に至るだけで。
酷いと言いながらも菱田はへらへらと笑いながらちんこで奥をぐりぐりと押した。
「ん、あっ」
「酷いな。坂井、悪い子にはおしおきしなきゃなぁ」
「おしお、き……」
ミスしたときは怒ってくれる、鹿島さん。
俺は悪いことをしたんだ。そっと頷くと鹿島さんは由利さんを立たせて、すりすりと白い腹を撫でた。
「しの、出せるか?」
「ん……いいの?」
「いいよな、坂井」
「は、はい」
何がいいのかわからない。
けれど鹿島さんが怒っているのなら俺はそれをしっかり受け止めて反省しなければならない。
立ち上がった由利さんのちんこが俺の目線でふるふると揺れる。
鹿島さんとの連戦でもう勃起することもできないのかもしれない。
それを催眠術にでもかかったように見ていると、鹿島さんが綺麗なちんこを指で摘まんでこちらに向けた。
「んっ、ひろ」
「え、あっ……」
ぽた、と最初は水滴だったそれがしゃあぁーと勢いを増して俺の顔面に降りかかる。
由利さんのちんこから出て来た尿が遠慮もなく俺の顔面を濡らしていく。
慌てて目を瞑ると、尿のアンモニア臭がより強く感じられ、びちゃびちゃと濡れていく顔、体、全部が熱くなった。
思わず口を開く。口の中に由利さんの尿が流れ込んできて、その初めての味に喉を震わせた。
我慢をしていたのか由利さんの放尿は長く、多い。
髪の毛も着たままだったTシャツもびしょ濡れにして、俺は必死で舌を伸ばして由利さんの尿をすすった。
「先輩、おしっこぶっかけられてイってんの?」
返事をしようとしたが口の中にも鼻の中にも尿が流れてきて呼吸もままならない。
飲み込んだ尿のせいで喉がひりひりしている。それでもまだ足りない。
ちろちろと量が減ってやっと目を開くと、全身を尿で濡らした自分の姿はそこそこ惨いことになっていた。
やっと放尿を終え、由利さんが細く息を吐く。
この綺麗な人が、恋人の後輩である男の顔面に、精液をかけて、尿もかけた。背徳感でおかしくなりそうだ。
「ありがとう、ございます」
「違うだろ坂井」
由利さんを膝へ座らせて、鹿島さんがぴしゃりと言い放つ。
「……ごめんなさい」
それでいい、と鹿島さんは笑ってくれた。
「あ、んぁあッ」
「そうだ先輩、忘れてた」
俺の中で菱田のものが動いて、神経が全てそちらへ持っていかれる。
由利さんの尿を浴びて俺のちんこはバカになったみたいに射精をしていたようで、菱田が動くと力なく中心で揺れている。
さっきまでの緩慢な動きはなんだったのかと思うほどいきなり奥まで突き入れられ律動が激しくなった。
俺が謝ったから気が済んでやる気になったのか、それとも人の尿でマーキングされた俺に興奮しているのか。
菱田は伸ばしてきた手で俺の口を開いて、取り上げたままだった由利さんのパンツを無理やり押し込んだ。
苦しい、息ができない、かけられた尿は鼻にも入りずるずるになっていたのに全て塞がれてしまう。
「ん、うぅ」
「すげえイイ、先輩のまんこ」
ちがう、ちがうと首を振りながらも菱田に突かれれば奥が痺れてしまう。
早くこの中を満たしてほしい。中にいっぱい、溢れるほど。
菱田に腰を掴まれてがつがつとちんこで奥を抉られる。
力なく上半身を倒れ込ませると床に溜まった由利さんの尿でまた頬が濡れた。
「谷川ー、と、その彼氏」
鹿島さんが谷川と岡崎を呼べば二人は素直にベッドへ上がった。
もしかすると今の一部始終を二人にも見られていたのかもしれない。
腹の底の方がきゅんとする。
「もー、鹿島さん、のぶは彼氏じゃないです」
「は? マジで?」
「幼なじみです。いつも亮がお世話になってます」
全員真っ裸なのに岡崎が律儀に挨拶をすれば鹿島さんはどうもと頭を下げた。
驚くのも無理はない。さっきまで谷川と岡崎は二人の世界に入り込んでいちゃついていたのだ。
鹿島さんがふうんと二人の顔を交互に見ていると、由利さんが膝から下りて俺の隣に座った。
自分の尿の上に躊躇なく座り込み尻を濡らして由利さんは平然とベッドを見上げる。
「ぼくちょっと休んでるから、ひろは二人と遊んであげたら?」
精液が出なくなるまでイかされて、由利さんはお手上げとひらひら両手を振った。
谷川が由利さんがいなくなって露わになった鹿島さんのちんこに釘付けになり、また目を蕩けさせた。
「鹿島さんの、大きい」
「まだ大きくなるけど、やってみるか?」
うん、といつもより幼い口調で谷川が鹿島さんの股に顔を埋める。
舌で先をつんとつつき、舐めた後、あーんと口を開いて一番奥まで飲み込んだ。
数時間前までは男のものなんて触ったこともなかったのに、幼なじみの次は職場の上司のちんこを咥えている。
ずろろろと吸い上げるように頭を引き、また喉の奥までしゃぶる。
鹿島さんも気持ちいいのか谷川の耳を撫で褒めている。
「先輩もちんこ食べられたい?」
耳元で囁いて菱田が俺のちんこの先を指で突いた。
いつの間にかちんこは固さを取り戻していて、俺は全身をぶるりと震わせる。
口の中がパンツでいっぱいでねだることもできない。
「まずはこっちでイけよ」
ベッドでの光景に夢中になっていたのに、菱田が律動を激しくして視界がぶれる。
逃げようとしても腰を引き戻されて菱田のちんこに串刺しにされてしまう。
腹の奥をとんとんとノックされて、俺のちんこが首をもたげた。
菱田は俺を抱き寄せて、首筋に強く吸い付く。
ぴったりと隙間がないほど奥まで挿入され、最奥で熱いものが広がった。
口の中から由利さんのパンツを引っぱり出される。
塞がれていた嬌声がおさえられなくなった。
「あ、ひしだ、ひし、あ、ん、や、あぁッ」
その瞬間に俺のちんこからぷしゃっと勢いよく精液が飛ぶ。
ちんこを触られてもいないのに中出しをされて達してしまった。
精液を中に塗りつけるように菱田のちんこがぐりぐりと粘膜を擦り、それにすら声が裏返る。
菱田が出ていった尻の孔からこぽりと精液が垂れて、俺はまたちんこを勃たせていた。
「谷川、自分で乗れるだろ」
谷川がうんうんと頷いて鹿島さんの足を跨ぎ対面座位の体勢で尻に自分で大きくしたちんこを挿入する。
岡崎のものも立派だがさらに太さのある鹿島さんのちんこを谷川は嬉しそうに根元まで受け入れた。
自分で腰を揺すって、鹿島さんのちんこで一点を必死になって突く。
「あ、あ、ここっ、きもちい、んッ、かしまさんのちんこぉ……」
「俺でオナるなって」
鹿島さんは詰りながらも怒っている様子はなく谷川の好きにさせている。
鹿島さんは仕事でも谷川に対していつもそうだ。谷川は自由に動いている方が成果が出やすいと鹿島さんが言っていたことがある。
その隣でどうしようかと戸惑っている岡崎の腕を鹿島さんが掴んで引き寄せた。
「彼氏はここ、跨いでみな。谷川の方向いて」
鹿島さんがベッドへ寝転んで、自分の顔の上を指さす。
岡崎は彼氏じゃないですと真面目に訂正をして、言われるままに鹿島さんを跨いだ。
谷川と向かい合わせで鹿島さんの上に座った岡崎がびくんと背をそらせた。
「そ、そこは、その」
「彼氏も知りたいだろ、谷川がどこで気持よくなってんのか」
腰を上げようとした岡崎を無理やり掴み下ろして、鹿島さんの舌が岡崎の尻の孔に触れる。
しわの一本一本を確かめるように舌を這わせ、唾液を塗り込んでいく。
「あ、あっ、やめ」
舌の先がぐいっと中に押し込まれて岡崎は谷川に助けを求めた。
じゅぽじゅぽと舌を出し入れして中まで舐めまわす。
「い、あっ、りょう、ンッ」
「ん、あ、のぶ、のぶぅ」
鹿島さんのちんこに蕩けた谷川は岡崎の助けなんて知らずその唇を塞ぎ、舌を入れて口内を弄る。
下も上も舐められて岡崎はその精悍な表情を歪ませた。
十分に濡らした岡崎の孔に鹿島さんが指を押し当てる。
岡崎の自重でぐっと中へ入っていく指に岡崎はいやいやと首を振った。
「ここ」
「んあぁっ、あ、あ、や、やら、そこは、や……ッ」
指をくいと曲げて一点を擦ると岡崎がわかりやすく取り乱して逃げようとする。
谷川が岡崎を抱きしめて押さえ込み、さらにそこを強く押される。
「あ、あっ、ん、ひっ」
「かわいい、のぶ」
谷川は目の中にハートマークを浮かべて何度も岡崎にキスをした。
息ができず開いた岡崎の口から見えた舌を谷川が歯で挟み、ひっぱり、まるでそれがちんこであるようにしゃぶった。
ぼたぼたと零れ落ちる唾液が鹿島さんの腹を汚すが気にする様子もない。
鹿島さんは指を増やしてぐにぐにと中を広げる。
前立腺を弄ってやると岡崎のちんこはびくびくと勃起し先走りを垂らす。
「は、あ、かわいい、のぶ、かわいい」
「やら、やめ、りょう、りょ、いや」
「ここに指より太いもんほしくないか、彼氏?」
一気に指を引き抜かれて、涙目の岡崎が鹿島さんを見下ろす。
もう彼氏と言われるのを訂正する思考回路もなく、熱い視線で谷川を攻めていた面影もなく、岡崎は懇願した。
「ほし、ほしいです、俺、ちんこほしい」
「谷川、交代」
鹿島さんが起き上がると谷川はまだイっていないのにと唇を尖らせてしぶしぶ鹿島さんの上から退いた。
谷川の中でローションや精液に塗れ、現れたてろてろと光るグロテスクな鹿島さんのちんこを岡崎が凝視し、許可を求めるように鹿島さんを振り向いた。
岡崎の手を引きシーツに倒して鹿島さんが覆い被さる。
ぱかっと開かされた足の間に膝立ちした鹿島さんが、ぐっと先端を押しつけた。
ゆっくりと、拓かれるように尻孔にちんこをねじ込まれて、岡崎は漏らすように精液を出した。
「い、いっちゃ、いっちゃう」
「もうイってるよ。好きなだけイけ」
ここから岡崎の表情は見えないけれど、もう声と同じように鹿島さんの女になってしまっているのだろう。
放り出された谷川がベッドの上で俺の方へ両手を広げた。
「消化不良だからヤろ、坂井」
ベッドから下りた谷川がベッドへ上半身を預けてこちらへ背を向け四つん這いになる。
両手で尻たぶを拓いて見せつけてきた後孔はどろどろで誘うようにひくついている。
谷川がそこに指を這わせ、赤くなった入口を広げてこちらを振り向いた。
「ね、坂井。俺のことも雌にしてよ」
同僚とこんなことをして次からどんな顔で仕事をすれば良いんだと理性がほんの少し、ぱくぱくと物欲しそうな穴の誘惑がその他全部。
俺は何度かちんこを扱いて完全に勃起させて、毎日同じ職場で働いている同僚の尻の孔にぶち込んだ。
初めて男を知ったとは思えないほど谷川の尻はちんこに吸い付き、うねってちんこを包み込む。
「あ、坂井、さかいのちんこ、いいよぉ」
「谷川、ん、っは、谷川……ッ」
谷川をベッドへ押さえつけてごちゅっごちゅっと孔を犯す。
鹿島さんが由利さんへしていたように手を胸へ伸ばし、両の突起をぎゅっと摘まんだ。
摘まむたびに中が締まって、搾り取られそうになる。
「おっぱい、気持ちいいのかよ、谷川」
「ん、きもちぃ、乳首ぎゅってされると、イっちゃいそぉ」
「イけよ、イけッ、おらっ」
「あ、あ、んっ、あぁッん」
乳首を引っぱりながら一番奥を突く。
谷川のちんこからはとめどなく精液が流れていて、イくイくと言いながらもうずっと射精を続けている。
平たい胸に飾りのようについた乳首を指先で押しつぶしては抓って俺は無我夢中で谷川の尻を穿った。
「あー、いいね、先輩が雄になってんのも」
立ち上がった菱田が俺の頬へちんこをぺしぺしとぶつける。
俺の顔はもう尿や精液で汚れに汚れきっていて、さらにそれを上塗りするように菱田の先走りが塗りつけられる。
ほとんど本能的に口を大きく開き、菱田のちんこを口内へ招き入れる。
それが正解だったようで、菱田は俺の頬を掴んで喉奥までちんこを押し込んだ。
嘔吐いて吐きそうになるのも許さず、ちんこを抜いてくれることはない。
尻に挿っていたちんこで今度は喉を犯されているのだと思うとないはずの子宮が疼くようだった。
「んっ、ん、おれたち同じだね、のぶ」
「りょぉ、あっあ、んぅッりょ……っ」
谷川が上半身でベッドへ這いずり、岡崎のちんこを咥えた。
菱田に喉奥を突かれるのに合わせて腰を振り、谷川の一番奥に精液を吐き出した。
頭を強い力で菱田につかまれ、喉の奥に直接流し込むように精液を飲まされる。
ちょっとだけ逆流した精液が鼻から出て、息ができなくて死にそうなのになぜか俺は従順に菱田が出し終わるのを待っていた。
岡崎と鹿島さんが達したのも同時だったようで、谷川が岡崎の精液を飲み込み喉を鳴らす。
谷川からちんこを抜くと漸く菱田も解放してくれて、倒れ込んで嘔吐き噎せた。
「坂井くん、がんばったね」
由利さんがそばへやってきて、精液や尿でべとべとのぐちゃぐちゃな俺の頭を抱いて撫でてくれる。
同じ匂いのする由利さんに抱きしめられ、安心した俺はちょっとだけおしっこを漏らした。
「賢者タイムどころじゃねえ……」
酷い有様だった部屋をなんとか片付け、順番に体を綺麗にすればもう朝になっていた。
いろいろな余韻で最悪な気分のままベランダに出て眩しい朝日を浴びる。
「楽しかったじゃん」
隣に立って日の出を見ていた谷川がしれっとそう言い、俺は眉をしかめた。
他のみんなは綺麗になった部屋で雑魚寝している。
谷川もちょっと寝ようかなとあくびをした。
「おまえとは違うんだよ、この淫乱」
「俺が淫乱なら坂井はド淫乱だろー。おしっこ飲んで射精したくせに」
ぼわっと顔に熱が集まる。俺にそんな性癖はない。なかった。なかったはずなのに。
「ちがう、してねえよそんなこと!」
「はいはい。またよろしくね」
「……よろしくすんのは仕事だけだから」
ふうんと含みのある笑いを向けて谷川は部屋へ入りカーテンを閉めた。
俺も少し眠っておきたいけれど、今はまだ眠れそうにない。
なんとか気を紛らわせようと放置して炭酸の抜けた缶ビールを傾ける。
まだ尻が疼いているなんて、気のせいだ。
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