ジェイドが部屋に戻るとフロイドがフロイドをそのまま小さくしたような子と遊んでいた。 「…フロイド？その子はどうしたのですか？」 「あ、ジェイドおかえり～。んー、なんかね～、オレの “コーキシン” らしいよ」 「…フロイドの好奇心、ですか？」 「そう～。授業んとき、雑魚に魔法薬かけられちゃってさぁ」 「おや、それは災難でしたね」 　ジェイドがふたりの傍に近寄るとそれまでフロイドとジェイドが話しているのをじーっ、と見ていたその子がふにゃっと笑った。 『ジェイドかわいー。ちゅーしたらどーなるかなぁ？』 　 　愛らしい笑顔でかわいいことを言うフロイドの “コーキシン” 。 　だがフロイド本人はこめかみをピクリとさせ「……あ？」と大人げなく凄んだ。 　その様子を見たジェイドは「おやおや」と笑いながらその子を抱き上げる。 「この子がフロイドの好奇心だと言うのでしたら、フロイドがやってみたいと思った事を口にするだけでは？」 「…そーかもしんねぇけどさぁ」 　 　ぶすっとむくれるフロイドとは反対に、ジェイドの腕の中できゃっきゃっとはしゃぐ “コーキシン” がジェイドにぎゅうっと抱きつく。 「……可愛いですね」 　優しい顔で “コーキシン” を見ていたジェイドが思い出したように頬をゆるめた。 「…ふ、ふふ。ちゅーですか。ちゅーくらいで僕はどうにもなりませんが。フロイドの好奇心も案外可愛いものですね」 　 　楽しげに笑うジェイドに、むっとしたフロイドがふいににやりと笑った。 「…ふーん。そんな事言っちゃうんだぁ？」 　意味深に笑うフロイドにさっきとは少し笑顔がかわった “コーキシン” が反応する。 『ジェイドかわい～ねぇ。つづきしたらどーなるかなぁ？』 　 　ジェイドを見つめてにこにこ笑いながらそう言う “コーキシン” にジェイドもつられてにこにこしてしまうが、疑問もわく。 「…続き、ですか？」 　 　“コーキシン” をじっと見ると嬉しそうに笑い返してくる 。 『ジェイドかわいー。ちくびかいはつのつづきしたらどーなるかなぁ？』 「……え？」 『ちくびをつまんでぇ、くりくりとこねてぇ、せんたんをつめでかりっとひっかくのぉ。かわい～ジェイドはどーなる…』 　 　あわてて “コーキシン” の口をふさいだジェイドが、バッとフロイドの方を見た。 「こんな可愛い子に何を言わせるのですか！」 「いやそれ、オレだし」 　 　目元がほんの少し色づいたジェイドはじろりとフロイドをにらむ。そんなジェイドからフロイドは “コーキシン” をひょい、と奪い返し抱っこした。 「てゆーか言わせてねぇし。勝手に口から出ちゃうんじゃん？だってオレのコーキシンだからさぁ」 　フロイドがにぱっと笑うと “コーキシン” も同じ顔でにぱっと笑った。そしてまたつらつらとフロイドの “やってみたい” が出てくる。 『ジェイドかわい～。おさえつけてぇ、ちゅーしてぇ、ふくひんむいてぇ、あしひらかせたらぁどーなるかなぁ？』 「…………え」 『ジェイドのかわいーうしろあな、ゆびでよ～くほぐしてぇ、ジェイドのきもちいーとこぐにぐにおしてあげんのぉ。ぜんりつせんきもちい～い？ってきいたらぁ、ジェイドはどーするかなぁ？』 「………」 『ちゃあんとぉ、ちんぽもいじってあげるよぉ。ひとさしゆびでぇ、すずくちをぐりぐりしてぇ、たれてきたみつでぇ、ぐちゅぐちゅさおをしごいてあげんのぉ。びくびくジェイドぉどーなっちゃうかなぁ？』 「………ﾝ」 『まだおわりじゃないよぉ？オレのちんぽがジェイドのなかにはいりたがってるからねぇ♡おくのおくまでオレをうけいれてくれたらぁ、けっちょうごんごんついてあげるねぇ♡』 「………は、……ぁ」 『ねぇ、ジェイドぉ？おれぇ、きもちよすぎてぇ、ジェイドのナカにだしちゃうかも～♡そしたらジェイドはぁ、いっしょにイッてくれるかなぁ？』 「………っ、」 　きゅっと目を瞑るジェイドの顔は真っ赤で、両手で身体を抱きしめてナニかに耐えている。 「どうしたの？ジェイドぉ」 　フロイドは “コーキシン” を自分のベッドに下ろして座らせ、ジェイドに近づく。 　 　両手のひらでジェイドの顔を掴み覗きこむと、ジェイドの瞼がゆっくり開いて熱っぽい瞳のオッドアイがあらわれた。 「あは♡かわいくなっちゃったねえ？」 「……ええ。…おかげさまで」 　潤んだ瞳でそれでも尚、強気ともとれる返答をするジェイドにフロイドは身体をぶるりとふるわせた。 「オレのかわいーコーキシン、ジェイドなら叶えてくれるよなあ？」 　知らず口角をあげフロイドがそう挑発するように言うと、ジェイドの両手のひらもフロイドの顔に添えられる。 「…おや。…僕以外の誰があなたの好奇心を満足させてあげられると？」 　…ふ、と互いの口から笑いがもれる。 　そしてどちらかともなく唇が重なり縺れ合うと、ジェイドのベッドに倒れこんだのだった…。 　 　 情事後。 　 　フロイドの “コーキシン” は、最後までちゃぁんと見届けて 『ジェイドかわい～。トブまできもちよくしてあげられてぇ、よかったねぇ、オレぇ』 　と、フロイドに向かってふにゃりと笑うと、消えてしまいました。 「………あたりまえじゃん」 おわり。