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第24話 自己満足

成り行きなんかではない 君をいつもいつも 見ていました 幸せの時も 悲しみの時も 怒りの時も 見ていることしか出来なくて 温かな珈琲を入れてあげるだけ 君はいつしか私を 愛しはじめていましたね いつもいつも君はそこに座り 何度もため息をついている 気持ちが溢れていますよ 「珈琲お替わりしますか?」 「はい!有難うございます」 「どうぞ ごゆっくり」 「有難うございます」 微笑は絶やさず かける言葉は 優しく温かく ひとつひとつの動作は 嫋やかに それはあなたの言葉 私を愛し抜いたあなたの言葉 あなたに見惚れ あなたに焦がれ あなたに抱かれた ああ 愛されるより 愛したい あなたは 何度も私に囁いた 「今は幸せですか?」 「もちろん 君に愛され 今は私の愛が君から溢れている 判るかい 君は安心しきっている 私に愛されている幸せに 涙するだろう?」 「同じくらいあなたを愛しています」 「うん…判るよ…… でもね 君の私を求めるすべてを 飲み込んでしまう気持ちさえ 喰らってしまうあの瞬間 君は私に愛され昇天する 君を死ぬほど愛しているから 君はその瞬間を与えられる その時狂おしいぐらいの 恍惚感に襲われるんだよ ああ~その感覚に堕ちていきたい」 今は私が同じ思いで君を見ている 「あの…あっ…このお店で働く事出来ますか? 美味し珈琲入れたくて」 「勿論」 「あなたが素敵で……好きになりました」 「有難うございます 私も同じです さあ 始めましょう  愛される喜びに溺れてください」 まずは蕩けるほどの愛を下さいね 私は貫く愛を差し上げます 死ぬほど愛しているんですから いえ 死んでも愛しているんです 愛し続ける愛を差し上げます

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