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第21話 いないと言う現実
俺たちは求め合い
一瞬たりとも離れたくないと
背中が震えていた
唇が欲しい
吐息が聞きたい
頰をつたう雫は
愛しさと切なさが交じり合い
溢れ出していたの?
熱き塊を抱き締め合い
どれだけ触れても
どれだけくちづけても
足りなかった
君の小さな尖端に
這わせる涙と唇
君のすべてをこの瞳に
仕舞いこんで隠してでも
ふたりだけで生きたかった
明日の夜明け
明日の太陽
星空は美しく瞬くのに
もう君の瞳にも映らないなんて
ひとり
君を暗闇の旅路に送り出すのは
できるわけ無いんだ!
誰だって恋して
甘い囁きを唇に託しただろう
無かったとは言わさない
愛を告げ
燃え滾る想いを
身に纏い愛を紡ぎたいと
恋人の嘆きが
今夜も俺を絶望に突き落とす
返してくれ
返してくれ
誰のものでも無い
俺だけの君を
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