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油断大敵な二人の関係

「…ッ!?」  その瞬間、両手を押さえられて後ろの棚に強引に押された。その弾みで後ろの棚が大きく揺れた。バンと大きな音が部屋の中に響いた。あいつは俺を目の前で押さえつけると、こっちをジッと見つめてきた。その視線は俺の身体をジリジリと熱くさせた。アイツはこっちを間近で見つめると不敵に笑った。 「ほら、やっぱり葛城さんは隙だらけだ。それにその姿素敵ですよ、ピンでとめられた蝶みたいにね。そういえば前もこんな事がなかったですか?」 「くっ、こいつ……!!」  両手を押さえつけられるとそこでカッとなって暴れた。だが、あいつは俺の両手を押さえつけたまま余裕の笑みで笑っていた。その笑みが余計に拍車をかけた。 「お前ふざけるのもいい加減にしろっ!!」 「あれ? いいんですか? そんな大きな声を出して。いくら部屋に誰もいないからって、そんな大きな声出すと外にいる連中に聞かれますよ?」 「なにッ!?」 「こんな所で二人でいけない事して…これが男女の密会なら、直ぐに周囲にバレるかもしれませんね?」 「おまえっ!!」  そこでカッとなるとアイツの足の脛辺りを靴で思いっきり蹴ろうとした。するとあっさり、足をかわされた。 「はははっ、今のは危なかったです。葛城さん、惜しかったですね。そんな強情な貴方にはお仕置が必要みたいですか?」 あいつ目の前でそう言ってくると、いきなり片手で俺の両手を真上に押さえつけてきた。

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