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山の家
夕方。
秀の実家で結人は硬直していた。
「どうした?」
「だって……」
山の中に建つ実家は、結構な豪邸だったのだ。
それもその筈。
実家から見える山の殆どはこの家の所有で、帝都ドーム数個分の畑や田圃と、同じ広さの観光牧場まであった。
資産家の御曹司とは釣り合わないと言われるのではないか……そう思うだけで結人は胃がキリキリするのだ。
「ただいま~」
「おう、おかえり」
「めんけぇ子いる?」
「いるぞ」
「お、めんけぇ~!」
「ホントだ!目がクリックリ!」
「シュッとしてんな!」
「イケメンだ、イケメン!」
「…………?」
気が付くと、結人は取り囲まれてギュウギュウされていた。
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