142 / 162
あなたに出会えた俺 3
ひとしきり泣いて、泥のように眠って
瞼は腫れ喉も枯れていた。
目が覚めてもゼアレスの腕の中にいることにまた泣いてしまいそうなほど嬉しかった。
「ツツジ…」
彼も起きたのか、小さく名前を呼ばれツツジは顔を上げた。
ゼアレスの顔が近付いて来て、そっとキスをされた。
顔が熱くなっていくのを感じながら、離れた唇をもう一度くっつけて
ちゅ、ちゅ、と何度も口付けた。
「ん…おじさ…」
ゼアレスは体を起こし、上からキスをしてくれる。
「……っ、ん」
彼の首に手を回し、舌を絡ませる。
とくとく、とどちらのものなのかは分からないが心臓の音が聞こえていた。
「っ、…ん…、ふ、」
ベッドに押し付けられるように深く深くキスをされ
あれだけ散々泣いたのにまたじわりと視界がぼやけた。
ツツジは我慢できなくなって、彼に抱きついた。
「おじさん…しよ…?」
「バカいうな…こんなボロボロのやつに手は出せん」
「こんなえっちぃちゅーしといてそれは残酷」
ツツジが頬を膨らませると、ゼアレスはため息を零した。
「だめだ…絶対手加減できんのでな」
そんなことを言われるとツツジはますます頭に血が昇ってしまって
彼の顔を両手で掴んでその唇を食んだ。
舌を絡ませて彼の耳に指を這わせ、熱っぽい吐息とともに口を離す。
「ねえ…お願い…」
上擦った声で懇願すると、ゼアレスは眉根を寄せている。
「……知らんからな」
「うん…いいよ…」
彼には申し訳ないが、本当にどうなってもいいような気持ちだった。
ともだちにシェアしよう!