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sweet birthday第4話

静かな部屋の中に唾液の混じり合う音が響く。 優斗さんと知り合ってからもう優斗さんとしかシてないキス。 いつもキスしたらエッチ――になだれ込むから身体が反射的に反応しちまう。 同じ男だけど、腰に回ってきた腕とかは歳が違うせいかやっぱ大人って感じで俺よりもしっかりしてる。 キスが深くなるにつれて身体が密着して咥内を這う舌に熱い吐息が漏れた。 あー……飯の前に一回ー……とか。 なんて思ってるの伝わってないかな。 俺の息子は半勃ちして優斗さんの脚にぶつかってる……はず。 もっと刺激が欲しくてねだるように優斗さんの舌を甘噛みしたら、吸い上げられて同じように甘噛みされる。 「……んっ」 息継ぎの間に、至近距離で目が合う。 優斗さんの指が濡れた俺の唇を撫でてった。 「ごはんの用意するね」 「……俺も手伝います」 ぶっちゃけ、えー終わりってがっかりしたけど優斗さんだって疲れて帰ってきてるんだし腹減ってるだろうし飯が先だよなぁ。 つーか飯食ったら俺帰るのかな。 「ありがとう。そうだ、上着脱いでおく?」 ハンガー掛けておくからと促されて制服のブレザーを脱いで渡した。 優斗さんも部屋着に着替えずに上着だけ脱いでキッチンに入っていった。 「着替えてこないの?」 シンクで手を洗ってる優斗さんに並んでハンドソープを出しながら訊いてみる。 「ん? ああ、ごはん食べたら送って行くからそのままでもいいかなと思って」 手を洗い終えた優斗さんが鍋に火をつけながら言って――やっぱ帰るよな、とがっかり。 「……電車まだあるし一人で大丈夫……。優斗さん疲れてだろうし明日仕事だし、俺のとことは気にしないでいいよ」 「捺くんこそ気にしないでいいよ。俺が送りたいだけだから」 「でも」 鍋の中を掻きまぜながら優斗さんはガッカリ感と同時に申し訳なくなってきた俺に柔らかい眼差しが向けてくる。 「いいんだよ、気にしなくて。送ったら少しは長く一緒にいられるかな、っていうのもあるから」 にこり、と笑われて、耳のあたりが熱くなるのを感じた。 優斗さんってほんっとナチュラルに照れるようなこといってくるよな。 もう女の子とかすぐ落ちちゃうんじゃねーの。 んなこと言われたら絶対勘違いする子いるよ! ま、まぁ……俺は男だし……大丈夫……だけど。 「捺くん、お皿出してもらってもいいかな」 「あ、はーい」 慌てて俺も手伝って夕食の準備を進めていった。 *** 優斗さんの言ってた通り実優ちゃんが用意した料理は一人分にしては結構多かった。 ハッシュドビーフにシーザーサラダ、クリームコロッケとかフライものにコンソメスープ。 どれもマジで美味しくって優斗さんとふたりで全部平らげた。 「うまかったー!」 実優ちゃんって料理上手だよな。 満腹になってすげぇ幸せ! 食べ終えて椅子に凭れかかって空になった皿を見渡す。 「うん。美味しかったね。捺くん、デザートまだ入る?」 「大丈夫!」 「じゃあ用意するね」 「俺するよ!」 片づけ手伝って、デザートを冷蔵庫から取り出した優斗さんに、あ、って飯食って霞んでたこと思い出す。 「ケーキも手作りなんだね。すげー」 「本当にこんなに気を使わなくていいんだけどね」 苦笑しながらも優斗さんは嬉しそう。 そりゃそうだよなぁ、好きだった子の手料理だし。 ……って、もう過去になってんのかな。 そうじゃなかったら結構手料理って切なかったりしないのかな。 さすがにケーキは日持ちしないからか10センチくらいの小さいホールで、そのケーキと優斗さんをさりげなく見比べても真意なんてガキの俺にわかるはずもない。 小さいバースディケーキはおめでとうメッセージプレートも乗ってて可愛いかった。

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