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闇夜の皓 6
着物を剥いだ翠也の背中は闇に浮かび上がる白さを見せる。
「 絵を……描きたくなる」
その真白さに目を細め、ゆっくり確認するように撫でてから舌を這わせた。
ひくり と彼の肩が揺れて……
「絵を?」
「うん、朱色が映えそうだ」
息を擦りつけるようにして背に喋りかけると、彼は堪えるようにぎゅっと身を縮めた。
「ぁ っ」
項を舐め、膝の上に彼を抱く。
膝にすっぽりと収まる翠也の首筋を舐めながら、前に回した指で赤い蕾を探した。
「んっ! それ、はっ……やめてください っ」
きゅっと摘まみ上げると、面白いように膝の上の体が跳ねる。
「どうして?」
「変……変に、っなります……」
俺がその粒を指で捏ねるに従い、彼は膝を擦り合わせるようにもぞもぞと動いた。
「どこが変に?」
「っ⁉」
辛うじて帯で体に絡んでいる着物の隙間から、わずかなふくらみが見て取れる。
耳朶を食み、舌で転がして感触を楽しみながら足に掌を這わす。
はっはっと犬のように短い息の合間に、乾いた喉を潤すためかごくりと唾液を飲み下す音がする。
指に触れるしっとりとした内太腿の感触と、時々手の甲で擦るふくらみ。
「ふぅ……んっ」
肩を舐めながら、胸の蕾と脇腹、それから腰の薄い皮膚を柔らかく愛撫すると、翠也の背中が逃げるように反る。
逃げるようにも見えるその体を掴まえ、床に倒すとさながら手折られた花のようにも、蜘蛛に掴まった蝶のようにも見えた。
足を掴み、ちろ と舐めてから開かせようとしたが、今までの従順な様子とは裏腹にその脚は頑なだ。
「ん、足を開いてごらん」
だだをこねる子供のように、翠也は首を振って着物を掴む。
「いやっ」
「どうして? 舐めさせてくれるんだろ?」
「こ、ここは、駄目ですっ」
上げられた固い声同様、態度は和らぐことはない。
「翠也くん?」
「こ、こわ い、から」
「あぁ、この間みたいに無理はしないよ」
な? と問いかけながら、やはり開かない足をなぞって指先を着物の中へとこじ入れる。
「ほら、堪能させておくれ」
「──っ」
褌に沿うように指をやれば、なんとか先端が中へと潜り込む。
「君が傍に居ない間、苦しくて仕方がなかったんだから」
「でも……」
「うん?」
彼は恥じらい、口元に手をやって一瞬迷いを見せた。
「な、舐めるわけではないのなら、そっと……しておいてください」
「それじゃあ苦しいだろ?」
「く……苦しいですがっ置いておけば治まります!」
以前の行為を思い出したのか、翠也はぎゅっと服にしがみついてくる。
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