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藤の女 6
立ち上がった尖りは、明かりの乏しい中でも赤く艶かしく光る。
ぷっくりとしたそれを苛めると押し殺したような呻き声が上がった。
二度、三度と強く吸い上げ、舐めることのできない片方は指で丹念にこねくり回す。
「 ぃ、……っ、ぁあっ!」
慣れない強烈な刺激にか、手を突っ張って逃げるようにじりじりと身を捩る。
「逃げないで」
「ぁっ、逃げては……っ、っ‼」
口ではそう言っても、強く刺激するたびにずり上がる体に苦笑が零れた。
しかたなく、腕に絡んでいるだけの服を引っ張り、それで彼の腕を後ろ手に拘束すると、自然とこちらに胸を突き出すような格好になる。
「やっ……! これでは……」
「逃げられないだろう?」
俺の行動に驚いたのか、翠也はじり……と足だけで後ずさった。
「そんなに胸を張って、もっと舐めて欲しいのかい?」
「⁉ こ、これは手が……っ」
とん と背中が壁につき、羞恥に震えて不自由な体で胸を隠そうとする姿が手籠められる乙女のようで欲をそそる。
「違うのかい? じゃあ、こちらを触らせておくれ」
もがく足を掴み、抵抗する間も与えずに下穿きもろとも洋袴を剥ぎ取ると、抗議しようと開いた唇を悔しそうに固く閉ざして観念した表情を見せた。
彼が耐えようとすればするほど、下の起立ははしたなく涎を垂らす。
膝を擦り合わせ、声を上げることもできずに俺の手に依る快感に翻弄される彼が愛しい。
「……ふぅ、っん!」
ぐちゃぐちゃといやらしい音をさせながら、そんなこと聞かなくともわかりきっていると言うのに、わざと耳元で尋ねてみた。
「気持ちいいかい?」
「う……ぅ、ぁ……っんっ、ぃ 」
言葉を紡ぐことがままならない翠也は、緩く首を縦に振りながら背後の壁にかり……と爪を立てる。
「指が痛むよ、握っててごらん」
本当なら拘束を解いてやりたかったが、これから行うことを彼が大人しくさせてくれるとは思えなかった。
荒い呼吸を繰り返しながら翠也がしっかり拳を握ったのを見て、どんな反応をするのかと言う好奇心のままに頭を垂れる。
様子の違う俺に震えながら「なに?」と問いかけてくる翠也の目前で口を開く。
「 ────はぁっ……ぁ、あ 」
頬に、彼の内太腿が触れる。
俺の手でさんざんいたぶられ、溢れかえった先走りでどろどろになったそれを口に含んだ。
「あっっ、ぅ、 んっ! そ、な 」
自身で弄ることすらなかった翠也は、きっとこんな扱いを受けると思ったことはないはずだろう。
初めて与えられた感覚に、目を見開いて涙を流す様子は……
真白な雪原につけた足跡のようだ。
「ぅ……た、ろっ さ、……」
くるりと先端を舌で苛めながら吸い上げると、「ひぃっ」と小さな悲鳴を上げて口の中に吐精した。
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