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るり 10
「んっ、おっきくなったね」
強制的に勃たされて、それを言葉にされるのは我慢しがたいほどの屈辱だった。
けれど、玄上の出したものを垂らす穴が触れた瞬間にそんな怒りは霧散してしまい……
昨夜触れた翠也のものとはまったく違う柔らかな感触は、あっという間に俺を飲み込んでしまいそうに思えた。
────だが、るりの腰はそれ以上進むことはない。
「あ……?」
ただ先端の敏感な部分だけが、わずかにるりの一部に触れているだけだ。
「なん、な 」
なんで挿れないんだ の言葉が出そうになって、はっと口をつむぐ。
「 卯太朗のあったかい」
睫毛が触れそうなほどの間近で見る蒼い硝子の目は、絵で到底描き切れないほどの鮮やかさと深みでもって俺をひたと見つめ、ゆっくりと金の睫毛で隠されるまで逸らすことを許さない。
「ふふ、んっ……、ちゅって……熱いのっ、ぅんっ……」
まるで弄ぶように、るりの双丘の間で俺の起立したものが弄ばれる。
「卯太朗のは熱いか?」
「うん、おにいちゃ……卯太朗の、すごい……ぁっあんっあ、ついぃよ?」
玄上が後ろから体を揺さぶるせいで、俺の逸物の先端が捏ねくられてぷちゅりぷちゅりと粘つく音を立てて……
「っ 止めろっ悪趣味だ!」
俺を冷たく見下ろしていた硝子の目は、入り口を擦り続ける熱にとろりと蕩けている。
「悪趣味? ぎっちぎちに腫らしておいてか?」
「ちが……これは、ち、 が 」
「うっんっ……あ、はい 入っちゃ……卯太朗の、おれの中に入りたいってぇ、ちゅうちゅうしてるよ? きもちいぃこと、るりにしてよ?」
「だってよ、色男。味わってみたらどうだ? るりの感想を聞かせてくれよ」
玄上の荒くれのような手がるりの腰をすっぽりと包み込むと、俺やるりの意思も聞かずにぐいぐいと力を込めた。
「ぅ、あ……や、っこれ、は…………」
捏ねられた先端が、唾と、玄上の出したもの以外の……俺自身から溢れたもので滑りを良くしていく感触に、全身に汗が噴き出す。
敏感な鈴口が幾度も幾度もるりの菊花に押さえつけられる度に、ぞわりとしたものが腰から駆け上がってくる。
「ほら、気持ち良かろう?」
「や……っちが 」
噛み締めようとした歯が震えてがちがちと鳴り、頭とは裏腹に玉が痛いほど収縮して吐き出させろと俺を苛む。
これは暴行に等しいと頭では冷静に思うのに、熱の集まる下半身は怒り狂う獣のようだった。
そんな俺を見詰める瞳は……天上の蒼だ。
こんな行為の最中なのに、どうしてだかそれだけは静謐に満たされて……
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